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美しのイスラム

なんだか信仰って美しいかもしれない、って生まれて初めて思った瞬間だった。

最近、友達の紹介でパキスタン人の男性と知り合った。気さくな彼なので、イスラム教について色々と聞きたかったことを聞いてみる。

なんでかって言うと、イスラム教って世界で2番目に信仰されてる割に私はこれまでムスリムに出会う機会もなくて、でもこれからも彼らの人口は増え続けていくし、何よりオーストラリアに住む者として異文化理解は必須だなと。
あと、彼より少し前に会ったムスリムの女の子が、肌を隠すためのあのヴェールみたいな被り物をしてたけど肝心な名前が思い出せなくて、そのときに少しだけイスラムについて勉強をしてタイムリーだったから。(ちなみにヒジャブという🧕🏾)

ラマダーン(断食の期間)って痩せるの?ベジタリアンなの?お祈りはどこでもできるの?などなど聞きたかったことを質問攻め。

彼曰くラマダーンは痩せる年もあるけど、終了後のパーティーで食べ過ぎて逆に太る年もあるみたい。イスラム圏では行事ごとには太陰暦を採用していてグレゴリオ暦よりも短くて、ラマダーンの時期は毎年少しずつ早まる。来年は4月の終わりから5月の始めぐらいだそう。来年は一緒にやる?って言われたけど、日没まで何にも口にできないなんて想像するだけで恐怖。それでもムスリムにとっては、ラマダーンは年に一度の自分磨き期間みたいな位置づけらしく、食糧に感謝できるし、苦しさを乗り越える自分との戦いだから、初心も戻れるんだって。それを聞いたらなんか素敵かも。

次に、彼らはベジタリアンではないみたいで、むしろ牛肉が大好きでそればっかり食べてるよと言う彼。でも豚肉は食べないし、お酒も飲まない、買い物もハラルマークがある場所で。

さっき彼とお昼を一緒に食べたとき、なんとお弁当を持参して来たからびっくり。奥さんの愛妻弁当らしい。マークがないもの、もしくは原材料の記載が無いもの、とにかく何が入っているか分からないものは食べない。隣で何でも食べる私はちょっと申し訳なさを感じる。

お祈りはどこでもできるらしい。実は私の元バイト先の店長もバングラデシュ人のムスリムで、毎日日が沈む時間になるとお店の物置にこもって数分間のお祈りをしてた。今回判明したのは、お祈りは1回だけじゃないところ。1日計5回。しかも日の出頃にも1回あるみたい。週末になればお祈りしてから二度寝する日もあるけど、基本的にはお祈りと同時に起床するんだって。超絶早起き。

他にもあれこれ聞いてみて、ほぼ無宗教みたいな私からすれば、すんごく大変そうだな〜、、、が正直な気持ち。
一方でムスリムにとってはこれが生まれた瞬間からこれらがごくごく当たり前のことだから、私たちからすると「◯◯できない」っていう感覚だけど、本人からすると「◯◯しない」っていう感覚。なんせ良い行いをするのを神様が見てるから。そう言われると確かにそうだ。
ちなみにイスラム教に改宗するのは簡単で、二人のイスラム教徒の前で三回、指定の言葉を唱えるだけ、アラビア語でだけど。

こうやって話してるうちに日が沈んだので、彼が私に断りを入れて、走らせていた車を脇に寄せる。4回目であろうお祈りの時間。
彼は運転席で目を瞑って拝むように祈り始める。手を擦り合わせたり、ブツブツなにか呟いたり。私はなんだか神聖なものを感じ取って、息をひそめながら助手席から横目でそれを見つめる。途中で私の携帯がピロンと鳴っても聞こえていないのか、もの凄い集中力で、隣には居るんだけどどこか違う世界にいるような感覚。綺麗だと思った。私もつられて瞑想してみると、なんだか少し心が軽くなったような気がした。ふむ、宗教って美しいぞと初めて思った瞬間だった。


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