ただなり

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色ぬり

君がいつも見つめてる 君より輝く瞳の絵描き ただ眺めるしかできない 悔しくて赤い絵の具を盗んだ 僕は絵描きじゃないから 君に見向きもされない 僕は絵描きじゃないから あいつの全て欲しくて堪らない キャンバスを盗んだ たったこれっぽっちじゃ… 筆を盗んだ 要らないガラクタばかりが増えていく それでも足りない 何が足りない? 君に触れない手が 君を見ない目が 君を想わない脳みそが 僕が絵描きにならなくちゃ 君の見つめる先に 僕が絵描きにならなくちゃ あいつの全て奪

    • 麻雀の、こんちくしょー!

      彼女にフラれた。 オレは麻雀に負けた。 ※ 今日は結婚まで考えていた彼女の誕生日だと、コンビニのケーキの前で思い出した。 いや。 本当は今日日付が変わった瞬間、スマホで見ていたときからずっと頭の片隅に彼女がいた。 オレはまだ彼女を忘れられていない。 彼女はオレに「私、麻雀プロになるから」と別れを告げた。 ちなみにオレは麻雀なんて何も知らない。 なんだよ、麻雀って。 なんでオレが麻雀なんかに負けんだよ。 でもオレにも彼女を麻雀に取られる要素があったかもしれないと、こ

      • 私の好みモロ見え

        10年前にはマンガがギッシリ入った本棚だった。 その重みはスッカリ軽減され、今残るマンガは両手に収まるだけ。 ・日高ショーコさんの「初恋のあとさき」 (10年前に高校生時代に置いてきた初恋を偶然の再会からまた始め直す、男性同士の恋愛マンガ) ・さつま揚げさんの「同棲生活」 (在宅業と会社員の女性同士の恋人たちが送る、お家での柔らかな日々を1ページ完結マンガ) ・青山剛昌さんの「まじっく快斗」 (名探偵コナンでも人気な怪盗キッドが主役の、マジシャンが魅せる鮮やかな義賊怪盗のマ

        • 開運日から始めてみた

          今年2024年の元日は「天赦日」「天恩日」「一粒万倍日」が重なるものすごく開運の日だった。 それを知った2023年12月31日の夜に私は元旦に朝日を浴びて散歩すると、紅白歌合戦を見ながら決めた。 そして翌日強い気持ちで朝7時前に起床し、朱色の眩しい朝日と向かい合わせに散歩をした。寒さが頬に当たり痛みすら感じられるのを今でもよく思い出せる。 このことをキッカケに「じゃあ開運日の元日から毎日何か始めて続けてみよう。一年やれたらいいなぁ」と始めたのが、散歩ではなく、日記だ。 散歩

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          プラムとプロム

          私は明日高校を卒業する。 初夏にはバラでいっぱいになる母が手塩にかけた庭で、母は私に言う。 伏せ気味な母の顔には今まで見せたことのない少女のような照れが浮かんでいるようだった。 「明日式が終わったら、私とここで踊って」 私の母はアメリカ生まれアメリカ育ち。母の両親、私にとっては祖父母の仕事の関係から、卒業式を迎える前に日本へ来ることになったらしい。 だから母は参加したかった「プロム」に出られなかったと、私の制服のクリーニングに出した帰り道、私の卒業式が数日と迫った夕方に語っ

          プラムとプロム

          お兄ちゃん、見てて

          十二年前、地元でも有数の進学高校で投身自殺があった。 高校の頃、私には好きな人がいた。 高校入学から少し経ち、隣のクラスの彼を見つけた。 高校に入るまで男の子はガサツに笑い、変にうるさい、汗まみれで身体を動かすことだけに生きているような、私と違う怖い異物だった。 だから彼みたいに顔がキレイな男の子がいることを、高校生になって初めて知った。 二年生になり彼と同じクラスになった。 彼は独りだった。 私がずっと男の子に感じていたような拒絶感を、クラスの空気を牛耳る奴らが彼に感じて

          お兄ちゃん、見てて

          鬼のかく乱

          赤色がまだ苦手だ。 昔、私は平屋に住んでいた。その家の庭には早春には紅梅が咲いた。 おとぎ話の鬼のような赤だったと記憶する。 私たち家族は特殊な存在だったらしく、同居するその家の主から強い迫害を受けたらしい。 私はまだ幼く実害もなく、その人からは無い存在として扱われていたらしい。 ただ父や母は違った。そのひどい扱いの記憶はわずかだが私にもある。 酒くさく怒りに震える赤い顔、充血し飛び出るような瞳、怒号が飛ぶ口のなかには舌や粘膜の赤。 畏怖する存在には赤がつきまとう。 おとぎ

          滲みるスポンジ

          好きなラッパーが死んだ。 好きと一口に言っても様々あるが、私は耳を突く怒りや不満を顕にした声だけが好みだ。英語は全く分からない。リリックの中身や人柄はもちろん、彼の経歴を私は全く知らない。ただただ聴くことだけ、好きなラッパー。 その彼は亡くなった。 彼はアメリカには存在する拳銃の凶弾によって命を落としたらしい。まだ20代の彼の人生は突如として消え去った。 銃の存在など皆無な日本の私にはそんなこともあるのかと不思議でならない。訃報のニュースを受けるも哀しむことが正解ではあるだろ

          滲みるスポンジ

          あの日のつくしは、僕だった

          キッチン脇の小さな丸テーブル。シンクの目の前には、板チョコみたいに区切られた窓。そこから薄く陽が射すだいすきな時間。 僕は一人、クッキーと紅茶でおやつをしている。 甘いんだけれどそんなに甘くない、ところどころ茶色い焼き目のあるシンプルなクッキーをさくさく。温かい湯気が誘う紅茶の香りを吸って僕はほくほく。 すきな色と味と香りの時間の、僕の時間。 それなのに、そんな大切な時間に限って邪魔は入る。 「やぁ!キミ」 さくさく。ほくほく。 「おい!キミ」 ん。美味しい。 「こら!何度も

          あの日のつくしは、僕だった

          光年先のミステリ

          信じられた天動説 過去の遺物笑いの種  一律の常識 踏み出す創造  どこまで往っても不明で溢れる丸い地球 宇宙の片鱗 寿命敵わない 理解追い付けない  事実はブラックホール 諦めが肝腎ダストボックス 青空は囲う 大気圏ゲージすら越えられりゃしない 僕の今生じゃとても晒せない 光年先のミステリ  空も海もキレイなんてまやかし 結局行き着く先 光の届かぬ真っ暗闇 人類的選択の歴史はまやかし?こんなに溢れる濁り  スケルトンな明日は 今生じゃ暴けない  光年先の飼い主 飼育の星 

          光年先のミステリ

          朝は来ず最前の信頼は脆く冷然とする

          騒がしさに目が覚めるとオレは俺を見下ろしながら直立不動で立っていた。 ベッドからぴくりとも動かない俺の周りにはスーツでイカつい顔のおっさんたちが取り囲み、紺の作業着のやつらは人様の家にも関わらず失礼なほどガサガサベタベタ所構わず手当たり次第に触り、色んな輩が忙しなく出たり入ったりひしめき合っている。まるで虫だな。不愉快が表れているであろう睨みを効かせても見向きも邪険にもされはしない。オレを透過して足元に屈み今日も見事に乱雑になってしまった使い古して見慣れたベッドの周りを観察す

          朝は来ず最前の信頼は脆く冷然とする

          新型コロナウイルス感染症に罹患しておりました。めっっっっちゃツラかった;;

          新型コロナウイルス感染症に罹患しておりました。めっっっっちゃツラかった;;

          まるくなる

          私は真っ直ぐ線を引く 真っ直ぐ真っ直ぐ先へと線を進める 私は真っ直ぐ線を引く なのに地球 私は地球に乗っている 私の真っ直ぐな線はまるくなる 地球が円くて回る 私には変えられない 私の真っ直ぐはまるくなる 私は真っ直ぐ線を引く 地球は円く回っていく

          まるくなる

          青の平行線

          君は気持ちに真っ直ぐ 例え憚られても きちんと伝えてくれる 私は傷つくのはもうたくさんで もう傷つつきたくなくて 痛いほど伝わるのに、曖昧にさせてた 本当は繋がっているのを知っていた 理由付けしてははぐらかす 君はこんな私をそれでも一直線に想ってくれる 嬉しい でも 突っぱねることも嫌うこともできず 私はひどい 心の距離を計ってしまう ごめんね 海と空の邂逅 お互いに作用しても交差はしない君と私 平行線

          青の平行線

          生きながらえ小言

          太古の昔から 偉人すら言ってやがった 最近の若い者は こうなると地球すら言われているんだろうな

          生きながらえ小言

          信心の錯覚

          前世の罪 牛の現世 授かる幸たる桃 着物と換え 蟹逃がす 夜の蛇から助く 因果応報 巡るは悪行か善行か ただ生きる中ではブラスマイナスゼロが基本 我が目には悪行の御人 だがあなたからは善行導く御人 罪も善も我が心か他所の目の付け所か そもそも善悪なぞあるものなのか? 恐怖する鬼にも慈悲を 転ぶ枯れ木にも授かる声を

          信心の錯覚