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春へ

昨日、スピッツの、ひみつスタジオツアーに、ようやく行ってきた!

スピッツのライブは初めてだった。草野マサムネさん、衣装がスナフキンみたいでとても素敵だった。高校生のときにスピッツを好きになってから、いろんなことがあったけど、ほんとうに、ライブに行けてよかったと思った。なんというか、私がたった一人の親友とたくさんの日々を過ごした街にスピッツがやって来ているというのは妙な感覚で、やっぱり世界ってつながっているような気もして、確かに、同じ星を見上げたこともあったかもしれない。

スピッツのライブってどんな感じなんだろうな……というワクワクよりも、とにかく無事にチケットが発券されるかどうかの心配が、更新期限ぎりぎりにファンクラブ継続のための会費を支払った身としては勝った。会報の後ろの方のページを穴が空くほど読んだし、何回もファンクラブのページにログインしたし、ヤフー質問箱見まくったし、なんなら払い込み証明書も持って行った。しかし限界突破の心配性はこれくらいでは収まらない。ありとあらゆる最悪のパターンが想像される――たとえば、会員証の磁器がおかしくなって読み取れなかったり、ファンクラブ会員の更新が上手くされていなかったり、など。これが私一人なら万が一なんらかの不具合でチケットが発券されなかったとしても全くもって構わなかったのだが、昨日の私は一人ではなかった。というのも、愛すべきスピッツ仲間がいたのだった。これで、もしもチケットが発券されなかったら、彼女のがっかりまで私が背負わなければならなくなる……ほんとうにどうしよう!八月末のはじまり頃のマサムネさんはこんな気持ちだったのだろうか、と思うと胃が痛くなると同時に、ほんとうに生きていてくれてよかった、と思った。まだ、心配性の限界を超えてから上手に生きるためのコツを掴めていない。日々、胃に小さな穴を空けながら、それらを少しずつ大きくしながら生きている。(※無事、チケットは発券されました。)

丸一日経った感想としては、私はスピッツにおいて、好きな曲と、超好きな曲と、死ぬほど好きな曲しかないということが判明した。結局、何を聴けても喜ぶし、何を聴けなくてもちょっぴり残念になる。全曲歌うライブでもしてくれなければ、ほんとうの意味で満足することはない、のかもしれない。だけど、何もかも手に入れることができないという事実が、私をいつまでも生かしてくれている、とも思う。ひみつスタジオのアルバムから歌わなかった曲もちょいちょいあった。でも、私が特に好きな曲はごっそり歌ってくれたので、ホールツアー行けてよかったぁ、と思った。それはそれとして、アリーナツアーのセトリも、羨ましかった。僕の天使マリ、私にもいつかきかせてくれ!曲の話の流れでもう一つ言わせてもらうと、私はもし、アンコールで謝謝を歌ってくれたら「ありがとう!」と叫ぶつもりだった。歌わなかった。でも、叫べばよかった。ありがとう!スピッツ、ありがとう!!私の青春の土地に来てくれて、ありがとう!!!スピッツ続けてくれて、ありがとう、ありがとう……!!!!

私はこの年にしては、いろんなバンドやいろんなアイドルのライブに行ってきたつもりである。スピッツって、どんなライブなのかな。無事、会場入りしてからそういう期待がどんどん膨らんでいったわけだが、私の超絶個人的な感想は、「多幸感」だった。私、こんなにも、はけていくメンバーを見送って明るくなった会場に取り残されても喪失感を覚えなかったことはない!!!!ものすごく幸せな二時間だった。そして、それは今も続いているのがすごい。マサムネさんが、会場に向かって、帽子をとってからお辞儀をしていたのが見えて、また好きになってしまった。そんなスピッツのライブだったけれど、私はスピッツのライブに実際に行くまで、こんなにも幸せにあふれるとは思わなかったのだ。私は常に世界中からの誤解を恐れているので注釈として書かせてもらうけれども、スピッツをなめていたとか、そういうわけでは決してない。だけど、なんというか、スピッツの楽曲のイメージからして、こんなにもプラスのパワーをもらえるとは想像していなかったのだよ。(私は、喪失や別れや不穏など感じさせるようなワードに敏感で、むしろそれらを求め藻掻きながら、スピッツをはじめとした曲をきく、ことが多い。そしてそれらを肯定も否定もされないからこそ、私が私でいられる、といった影響を特に受けている。そしてそのような歌を歌っているからこそ、強く光り輝く希望・未来)そう、だからこそ、強く光り輝く希望・未来!文字にするのは難しいけれど、私の中ではそれがスピッツのライブから得られた多くの幸福に関する答えであるとはっきりとわかったので、そう、これ以上は文字にできない。

延期してよかった(と言ってしまうと、あまりにも何もかもに申し訳ない気もするが。)ことといえば、結果としてツアーファイナルになったことと、そろそろ冬の終わりにさしかかること!大好きな冬の終わり=春のはじまりに、大好きなスピッツのライブに行けたこと、人生の財産になった。(大好物の頭の歌詞がぴったりの季節になりました、ありがとう。)ライブ中に自分が何を考えていたかはよく覚えてないけど、とにかく楽しかった。MCとか、めちゃめちゃお茶目で楽しくて面白かった、ということは覚えているけど、正確な内容はあんまり覚えていない。まあ、落ち着いた頃に記憶は戻って来るだろう、気長に待つ。ふとしたときに、「あのときそういえば……」って、きっとスピッツをきいたときに思い出せる。これからもずっとスピッツをきいていて、スピッツのライブに行く、そういう自分でありたいと思った。

私、きっと、まだ夢の世界にいる。だから、現実にいる家族とは話がうまくかみ合わない。今日も春を待つ!机の上では、赤いガーベラとピンクのチューリップが花瓶に活けてある。切り花と洋服はいつも季節を先取りしている。スプリングハズカム!

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