【詩】言葉は裸で


言葉も着飾る
かっこいい言い回しはシルバーアクセ
わたくしはで始まり 御座いますで終わる 首元をネクタイで締めた正装
稼いだ額を並べるのは  全身高価なブランド品のけばけばしさ
ねこたんをなでなでするかわゆさ

言葉を呑み込む
嫌味を言われても嫌われるのは嫌だから
意見はあるが  どうせ右耳から左耳へ通過するだけだから
共有したいのに論戦にすり替わるから 言い負かしたなんて詭弁の優越

言葉を発するのが怖い
意見があるなら伝えればいいのに
聞いてほしい話しがあるなら話せばいいのに
自分以外を悪者にして被害者面している
どうせ解ってくれないと見下して  馬鹿にして
悲劇のヒロイン様気取りで ああ可哀想

もう全てがめんどくさいから家に帰ってきたら
気遣いのリミッター 常識のフィルター 窮屈な同調
ぜんぶ取っ払って捨て去って裸になろう
自分だけの部屋で 出てくるに任せて言葉を好き勝手させてやる
解き放たれたお前はとても活き活きしている
本来は元気一杯なのに活力を削いでいるものはなんだ

いっそ裸の心で生活すれば 毎日毎分を生気に満ちた顔で過ごせるかもしれない
言葉は裸で心もフルチンで出歩いても捕まらないしね


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