見出し画像

闘う人を見てやっぱりお腹が空いた日(2024年1月2日、プロレスリング・ノアを観戦して思ったこと)


お腹が空いた

 ああ、お腹が空いた……。
 自分が試合に出たわけではないのに、観戦後とてもお腹が空いた(などと思いながらも、イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.選手とスペル・クレイジー選手のグッズ売り場に寄る元気はあった)。

 見応えたっぷりの試合に、声援に熱が入ったというのも空腹の一因ではある。
 その他に、この流れで見続けることにちょっと疲れてしまった、という感覚もあった。

第0~1試合

 ダークマッチに出た大原はじめ選手をもっと見たかったなぁ、と思っていたら、ジーマン氏が会場を2周してこちらのテンションを上げ始め、第1試合に突入。いきなりGHCジュニアヘビー級タッグ選手権、しかも3WAYマッチ。人があんなに飛んだり跳ねたりできるものなのかと唖然としてしまう攻防が繰り広げられる。
 異次元の動きを見せたニンジャ・マック選手だったが、曲者なYO-HEY選手の蹴りで仕留められてしまう。ニンジャ・マック&アレハンドロにベルト巻いて欲しかったー! と悔しくなりながら新王者の戴冠を待っていたら、何やら本部席がゴタついている。どうやら王者組が抗議しているようだ。そしてYO-HEY選手の入場曲が途切れ、2戦目のゴングが鳴った。ちゃんと王者組からベルトを勝ち取れということなのだろう。手強い王者ドラゴン・ベイン&アルファ・ウルフの恐ろしい空中戦に立ち向かうYO-HEY&タダスケ。曲者戦法でYO-HEY選手がアルファ・ウルフ選手を沈めて勝利し、新王者誕生となった。

 これが、第1試合。テンションの急激な上昇で、続く試合の期待値も上がっていく。

第2~4試合

 第2試合はInternational Sensationと題された6人タッグマッチ。ジェイク・リー&ジャック・モリス&アンソニー・グリーンVSイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.&ヴィニー・マッサーロ&タイタス・アレクサンダー。まず、イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.選手の入場のインパクト! アステカの翡翠の仮面モチーフのオーバーマスクで、一際大きく見えた。
 重量級な体格のイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.選手とタイタス・アレクサンダー選手が場外へ飛んで見せる。今後が楽しみなタイタス選手の動きの良さも印象深い。

 続いてはNOAH vs NJPWのシングルマッチ2試合。
 マサ北宮VS石井智宏、とにかく「ゴツい」の一言に尽きるぶつかり合い、どちらも一歩も引かない意地の対決が、観客を引き込み会場の熱を上げていく。人と人は、ここまでぶつかることができるものなのか……。これも忘れ難い試合だった。
 潮崎豪VS小島聡、じっくりと小島選手のシングルマッチを観られて眼福。本当に背中がデカい! 「いっちゃうぞバカヤロー!」のテンションも上がる。ラリアットで相討ちかと思う瞬間もあり、面白い試合だった。

第5~6試合

 そして愚零闘咲夜降臨となった女子選手試合。
 愚零闘咲夜選手が頭巾をとった瞬間、「……まさか、ラム会長?!」と思ったのは私だけだろうか。
 咲夜という謎と、他参戦選手それぞれの華やかさや強さといった魅力は確かに感じられた。
 ただ、直前まで骨太な試合を見ていたせいか、私のテンションがこの試合にうまくチューニングできなかったような気がする。
 その不調感は次の佐々木憂流迦プロレスデビュー戦まで続き、15分の休憩時間で少し立て直した。

第7~9試合

 後半はタッグマッチから再開。ザック・セイバーJr.&小川良成VS棚橋弘至&HAYATA、早速「社長!」と棚橋選手にきっちり頭を下げるザック選手お見事。小川選手の年齢不詳っぷりが気になり、もっと色々試合を観たいなと思った。

 続いてはGHCジュニアヘビー級選手権試合、ダガ VS Eita。開始早々ハイペースで突っ込んでいくEita選手が印象的で、再び私のテンションが上がり出す。

 次なる試合は6vs6イリミネーションマッチ、NOAH&NJPW vs HOUSE OF TORTURE! 海野翔太選手推しなので応援にも気合いが入る。因縁の成田蓮選手との対決は、オーバーザトップロープで両者ともエプロンサイドに留まった状態で、成田選手が海野選手をスリーパーホールドしたままリング外へ落下して失格。その後も花道で場外乱闘の末、成田選手が海野選手をスリーパーホールドしたまま退場し、清宮選手が無双し決着がついた後も海野選手だけ帰ってこないという顛末。
 ……成田選手、どれだけ海野選手のこと好きなのよ? 半ば呆れつつそんな風に思った試合だった。

第10~11試合

 そして迎えたセミファイナル。GHCヘビー級選手権試合、拳王VS征矢学!
 拳王選手が金剛時代を想起させるような赤のコスチュームで登場。これは熱い試合になりそうだとワクワクした。
 何が決め手になるのかわからないくらい何度も返し合いがあり、どちらが勝ってもおかしくない展開だった。
 最後は拳王の蹴りが効き、拳王スペシャルでタップアウト勝利となった。

 もう大満足である。空腹である。
 でもまだセミファイナルだという感覚齟齬が発生。

 メインイベントはDESTINY 2024と銘打たれた丸藤正道VS飯伏幸太。
 試合にサブタイトルをつけるのはNOAHビッグマッチ名物なのだと思うし楽しみなのだけど、このタイトルの読み方が「デスティニー にーまるにーよん」……なぜ数字だけ日本語読みなのか。そんな妙な引っかかりが消えぬまま、試合を見守る。
 プロレス観戦歴の浅い私でも「飯伏幸太というすごいプロレスラーがいる」という歴史は聞きかじっていたので、正直なところ、もっと飛んだり跳ねたりする展開があると思っていた。そういう過去の再演ではなく、飯伏選手と丸藤選手の過去をふまえた今の闘いを見せるということか? と思い直して見守るのだけど、第1試合から5時間を経たこの時、私の頭はもう思考停止を訴えていた。

 とても熱い試合を観られたけど、何だか帰り道でドッと疲れを感じた。そんなことを思った試合だった。

 さて、次はどんな試合を観られるかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?