チャットモンチー解散によせて

チャットモンチーが解散する。

わたしにとってのチャットモンチー。ものすごく情熱的に追いかけていたわけではないけれど、ガールズバンドでは唯一無二としての存在。くみこさんが脱退して二人体制になってからもちょこちょこ聴いていたけど、新譜を聴くよりは昔の曲を聴く方が多かった。

気づけばそこにいるようなバンドだった。好きになったきっかけも、いつから聴き始めたかも思い出せないくらい、するっとわたしの生活の中に入り込んだバンド。だから、解散するっていう話しを聞いても実感がわかなかった。ライブでも見たのは一度だけ。それも、フェスで、人ごみの中で。背がそこまで高くないメンバーの顔は認識できなかったので、生で見たっていう記憶もあんまりない。だから、ある意味チャットモンチーは、チャットモンチーの音として、わたしの中にいてくれたように思う。

チャットモンチーの独特な世界観が好きだった。可愛くて、切なくて、強くて、弱くて、刺もあって。抽象的な表現が多いんだけど、なぜだか共感できる。初期の頃は、くみこさんとえっちゃんの世界が上手く織り合わさって、とても絶妙なバランス感だったと思う。
途中でくみこさんが脱退してから、以前とは違うチャットモンチーになった感じがした。意図的に変えようとしている感じもした。

今回、ラストアルバムの一曲「砂鉄」をくみこさんが作詞をしているのだけど、この歌詞がもうたまらなく素敵だ。素敵な関係だ。個人的にとても共感する内容だし、これを今のくみこさんが書いた歌詞だと思うとぐっとくる。わたしですらぐっと来るのだから、ずっとチャットモンチーを情熱を持って好きでいた人はもう大変なことになってるんだろうな。

そして、今日は武道館でのラストライブ。ライブビューイングも各映画館で行なわれていた。わたしも足を運ぼうかと悩んだけど、やめた。ゆるくテレビ中継で見るのが、わたしにとってのチャットモンチーらしさだと思ったから。

結果、予定も立て込んでいて数曲しか見れなかった。けど、アンコールラストの曲「サラバ青春」。それにもう、やられた。そもそもこの曲はわたしにとっての大事な曲だった。いつ聞いても青春を思い出す大事な曲。数年ぶりに噛み締めて聞いた。えっちゃんは涙ぐみながら歌っていた。なんでだか、青春だと思える場面にチャットモンチーがいてくれたような気がする。友達とのカラオケ、高校の卒業式、あの帰り道、付き合っていた彼氏に振られたとき、なんだかもやっとしていたとき。いや、青春にチャットモンチーの音がいたんじゃなくて、なんでもない毎日にチャットモンチーの音がいてくれたんだろうな。当時は青春なんて思っていなくて、ただのなんでもない毎日で、それが今から見ると青春として輝いていて。そんなことを思いながら、涙ながらにえっちゃんが歌う、「サラバ青春」聴いていた。チャットモンチーは解散するんだってことをようやく実感した。きっとライブビューイングで見ていたら泣いちゃってたような気がするよ。

解散しても、きっとこれからもするっとわたしの生活の中にいてくれるんだろうなって思う。だって、チャットモンチーに代わるようなバンドはいないからさ。そして、メンバーもきっと新たな活動をしていくんだろう。個人的にはお子さんが成長して、なんらかの音楽活動を初めてくれる日が来てくれることを願ってます。(えっちゃんと猪狩さんのDNAを受け継ぐ子どもとか素敵すぎる…!)

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