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ルノと月の音楽祭〜嘘みたいな15年編〜

過去、ハマったミュージシャンとかバンドっていろいろあるけど、現在進行形で新譜は必ずチェックするくらい聴いてる人たちってかなり限られてて、藍坊主っていうバンドはきっと私史上一番長く聴き続けているバンドだと思う。
今年15周年を迎える藍坊主だけど、私自身16歳のころに出会ったので今年で13年目の付き合いだね。

高校に入ったばかりの頃、クラスメイトが「桜のあしあと」をカラオケで歌ったことが出会いだった。いい曲だねっていうことを本音半分、社交辞令半分で言ったらCD二枚かしてくれた。確か「ヒロシゲブルー」と「ハナミドリ」。そのときはあんまり好きになれなくてちゃんと聴かなかった。その2年後、高3でクラスが一緒になったKちゃんが藍坊主にハマるきっかけをくれた。3年生で初めてクラスが一緒になったその子は、周りから好かれていて、でもどこかクールで、近寄りがたい感じがあった。でも学校祭とか球技大会とか行事を通して、ものすごく愉快な子だって知って大好きになった。裏表のない感じが一緒にいると居心地がよくって、学校でKちゃんと話すのが毎日楽しみになった。その子は藍坊主の、hozzyの大ファンだったから、その子と仲良くなりたいがために、藍坊主をちゃんと聴き始めた。そしたらハマった。ただの青春パンクロックだと思っていたけど、その中にぎゅっと切なくなるような歌詞があったりして、高1のわたしには響かなかったけど高3のわたしには響いた。それでCDを借りたりして、そして「ソーダ」と「フォレストーン」を聴いたら、このふたつのアルバムがどんぴしゃだった。ピッピという小鳥を小学生の頃飼っていたので「ウズラ」はわたしとピッピの歌だと思った。「ハローグッバイ」は自分の穴ぼこが意味のあるものだったらどんなにいいかと思った。他にもたくさんたくさん、わたしの歌になる曲が見つかって、どんどんハマっていった。ちょうどiPodを買ったのと、受験期だったのもあって、毎日毎日毎日藍坊主を聴いていた。「このアルバム一周するまでこの教科を勉強しよう」とかまじで毎日やってたし、センター試験の休み時間にも藍坊主を聴いて心を落ち着かせていたのも覚えてる。

大学に入ってからも大好きで、所属していた学生サークルの活動が辛いときには何度も聞いて励まされてた。ちょうど「名前のない色」が発売されて、自転車通学を始めたわたしは自転車に乗りながらその曲を繰り返し聴いた。初めて藍坊主のライブにも行った。札幌に住んでいたけど、Kちゃんと旭川まで行ってライブを見た。整理番号がよくて最前ど真ん中で見てhozzyの汗をあびた。

それから大学やサークルが忙しくて以前のように繰り返し聴くってことは少なくなったけど、初めて出来た彼氏が藍坊主のことを知っていて、それで付き合う前に盛り上がったりしたので、付き合ってすぐの誕生日に発売された「伝言」のCDをプレゼントした。そのときのいろいろな気持ちにピッタリの曲だったから。彼はとても喜んでくれて、「伝言」を何度も何度も部屋で流してくれた。サークルで一番辛い時期、この曲は本当にわたしの支えになった。「伝言」を聴くと今でもあの部屋の空気感とか、外の雪道の冷たさとか、心がしょげそうになったこととか、でも嬉しい気持ちとか、いろんなもの思い出すなぁ。

「ミズカネ」は発売当時ちゃんと聞けなくて。精神状態がかなり追い込まれてた時期だったから。レコ発ツアーも行ったけど、自分に余裕がなくってちゃんと楽しめなかったな。(だから、2017年末のミズカネ再現ツアーでリベンジできてよかった。)

それからちょっと気持ちが離れた。でも2012年に出た「ホタル」がちょっと原点回帰っぽくていいなと思って、その後出たアルバムの「ノクティルカ」も聴いてみようと思って聴いてみた。そしたら、あ、これ好きって思えて久々に藍坊主をリピートで聴いてた。その頃、わりと夜に出歩くことが多くて、夜中に自転車で爆走しながら「生命のシンバル」を聴くのが気持ち良かったし、「夜はひらめく」で夜の春のにおいを感じ取ったりしていた。「ノクティルカ」は大学4年の春先ころに出会った人たちを思い出すアルバムだ。

そのあと付きあった彼氏も藍坊主が好きで、付き合う前に彼がSNSで藍坊主のことを投稿していて「お?」を思ったことは今でも覚えてる。藍坊主ってあんまりメジャーじゃないから、思わず反応しちゃったんだよね。その彼とも一緒に藍坊主のライブに行ったり、ライブDVD見たり、カラオケで歌ったりしたなぁ。こうやって振り返ると、藍坊主がいろんな人との縁や関係を繋いでくれたり、場面場面にいてくれたなぁって思うよね。

そんな藍坊主の15周年記念ライブツアーに行きました。いやいや、前置き長って感じだよね。すみません。そしてこのあと壮大なライブのネタバレありますよ。

15年分の藍坊主を振り返るっていうコンセプトのツアー。基本的にシングル曲をリリース順に演奏していったのだけど、前置きで今さっきつらつらと書いたことをぜんっぶ思い出しました。実家の自分の部屋のカーペットの質感とか、高校の図書館の景色とか、自転車漕ぎながら感じた雨上がりの匂いとか、朝目覚めたときの日差しのあたたかさとか、そういう生活の質感が目まぐるしく思い出されて、なんかもう言葉にならない。でも言葉に残したい。そんなライブだった。

以下セトリ!


ウズラ
桜のあしあと
スプーン
ハローグッバイ
言葉の森
マザー
名前の無い色
星のすみか
Lumo
宇宙に行ったライオン
ホタル
星霜、誘う
降車ボタンを押さなかったら
魔法以上が宿っていく
群青
En.
レタス(新曲)
嘘みたいな奇跡を


もう序盤から怒涛すぎて目まぐるしすぎたよ。。年末にパンク版のライブしたからか、ヒロシゲブルー時代の曲がカットされて切なかったけども。シングル曲だけって飽きるかなぁと思ったけど全然そんなことなくて、ライブ時間が体感5分だったよ…。「ホタル」はわりとライブでよくやる曲だと思うのだけど、今日の「ホタル」は今まで聞いた中で一番だった。お客さんとの一体感かな?メンバーの気持ちの入り方かな?なんか演奏してる側とと聴いてる側の空気が重なった感じがして、音一つ一つがすごい良かった!ここまで曲って変わるんだってびっくりするくらい、今まで聴いてきた「ホタル」と全然違ったのが印象的だった。

あと、今回のライブではメンバーが(特にhozzy)が嬉しそうにイキイキと演奏していて、ほんとに今楽しくやれてるんだなって感じて見てて嬉しくなったよ。楽しさとノドの調子の良さは比例するのか、hozzyの声もよかった…!なんか過去には「ん?」って思うようなライブも見てきたし、そういうときってhozzyの声の調子が悪かったりもしてたし、さらに思い返すとhozzyってMCで喋ってなかったりもしたからね。笑
今日はたくさんhozzyが喋っていた。各公演日替わりで、メンバーの思い入れのある曲を演奏するってコーナーがあって、今日はhozzy担当だったからよく喋ったっていうのもあるけど。hozzyの選曲は「Lumo」だった。歌詞がなくても伝わるんじゃないかと思って作った曲だと教えてくれた。

藍坊主はhozzyと藤森さんの二人のソングライターがいて、両方もちろん好きだし藍坊主の味となっていると思う。藤森さんのよさはストレートさで、hozzyの良さはちょっとめんどくさいところだと思ってる。藤森さんが作って関ジャニ∞に提供した「宇宙に行ったライオン」は藤森節満載だった。でもすごくよかった。いつかセルフカバーでリリースしてほしい。

基本的にわたしはめんどくさい人間なので、hozzyの選ぶ言葉がいつもぐっとくる。hozzyの書くちょっと哲学的な歌詞や遠回しだけど共感できるような表現が好きだ。そんなhozzyが自分の気持ちや状況をどストレートに表現した曲が「降車ボタンを押さなかったら」だと思ってる。発売当時に、解散することも考えて、でも思い留まって、新しくレーベルを作って曲を出すっていう話をしながらライブで演奏してた頃は、少し不安や迷いがまだ残ってるように見えて、でもだからこそ決意の歌のように聴こえてそれはそれでとてもよかったのだけど、そこから二年たった今日に、あの悩んでた頃のことを振り返って話しながら、でも清々しい顔で「あのときボタンを押さなくて良かったと思う」と話すhozzyを見て、なんだかとてもぐっときたし、さらにキラキラした曲に聴こえたなあ。その後に演奏された「魔法以上が宿っていく」も「群青」もとてもよかった。今回演奏された過去曲たちは当たり前のようによかったけど、最近の曲を演奏する彼らを見て、今の藍坊主かっこいいじゃん!って思わせてくれるような曲と演奏だった。

アンコールのラストは「嘘みたいな奇跡を」。まだまだ聴きたい曲がたくさんあったので「もう終わっちゃうのかぁ」と少し寂しく思ってたときに、「タイトルコールをしたら終わっちゃうんだよな…」と言いながら寂しそうな表情でタイトルを言っていたhozzyを見てなんだか嬉しくなった。彼らも終わりたくないと思ってるんだな、と。それくらいにきっとあっという間でいいライブだったんだなって。

今日来てほんとに良かったし、なんなら別公演も行きたい気持ちだ。これからの彼らも楽しみだし、きっと、ずっと大好きなバンドだなぁ。今後もわたしの人生のそばにいてほしいって、あらためて思った日。

余談だけど、今回のツアーTシャツがめっちゃかわいい!今までリリースしたタイトルのモチーフがずらっと並んでる図鑑Tシャツらしい。

藍坊主のグッズはかわいいの多いからテンションあがるよ〜。

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