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12万㎡の土地を開発した男の不動産学校 :1時間目「土地基本情報」

【著者プロフィール】
✔ 不動産開発に携わって15年
✔ 住宅・商業施設・ホテル・物流施設の開発経験
✔ 関与した計画の総土地面積:約12万㎡、総土地代:約400億円

新入社員の On the Job Training を担当することになったので、教材作りのつもりで、不動産基礎情報をまとめることにしました。

初回は「土地基本情報」について

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1.住所は2種類ある!! 「住居表示」と「地番」について
■ 住居表示:いわゆる一般的な住所のことです。「住居表示に関する法律」に基づいて、行政が定める住所の表し方です。
■ 地番:土地の権利を管理するために登記所(法務局)が定める住所のことです。地番は、市販の地図やgoogle mapにも登場しません。公図と呼ばれる地図に示されています。
※併せて読みたい記事:住宅開発経験者が 自宅を購入する時に確認する "14種類" の地図
 https://note.com/n_arc_jack/n/nf8b4ccea9792

2.土地の利用状況を表す「地目」
土地の面積はどれぐらいあるか、誰が土地を持っているか、土地を担保にどれぐらいのお金を借りているか、等を記録することを登記と言います。
この不動産登記を担当する登記官は「土地がどういった使われ方をされているか」も記録するのですが、まさにそれが『地目』です。

地目は全部で23種類あります。
■ 宅地:建物の敷地およびその維持、もしくは効用を果たすために必要な土地
■ 田:農耕地で用水を利用して耕作する土地
■ 畑:農耕地で用水を利用しないで耕作する土地。牧草栽培地は畑とする
■ 山林:耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
■ 雑種地:どの地目にもあてはまらない土地
その他に、牧場、原野、塩田、鉱泉地、池沼、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、鉄道用地、学校用地、があります。

この地目によって、固定資産税等の課税額が変わるので、課税額が低い雑種地に建物を建てたら、課税額の高い宅地の評価をされてしまい、固定資産税が大きく上がってしまうということもあるので確認が必要です。

田・畑といった農地の開発には農地法という法令が関わってきますし、地目の変更は開発許可という手続きが必要になるので、また別の機会に触れさせていただきます。

3.土地の面積は2種類!! 「実測面積」と「公簿面積」について
■ 実測面積:「実」際に「測」量した土地の面積なので実測面積です。
■ 公簿面積:前述の不動産登記に記された土地の面積です。

実測面積と公簿面積は異なることが多いです!!
公簿面積は、明治時代の税金制度を定める時に、土地所有者が自己申告した土地面積です。税金を少なくするために、土地面積を過小申告する人が大勢いたので、実測面積 > 公簿面積という現象が起きてしまった訳です。

これにて、1時間目終了です。
2時間目は「既存建物に関する確認ポイント」です。

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