もう逃げる手段がないってことに / 20191218

不滅の炎がゆらゆらと揺れているのが、明くる奇怪を予知したようで、全く、良くないことばかりだよ。赦されたいと乞うのには、かなりの善行が足りないようなのです。実際、赦されたことのない私には、赦しという概念すら不確かなものですから、あまり欲は張らずに、慎ましく息をしているが良いのさ。きっとそれが良い。分からなくなったら、一度音を遮断することだね。どうせ理解なんて出来ないのですし、私が耳という器官を持ったのには、人々の声が如何に美しく、だれかを判別する機能しかない。もう誰とも話したくない。こんなに嫌に人の目が気になり続けるには、忍耐が要るのですよ。拒絶にも技術がいるのだ。どうかお元気で。生きた分の不足を、どう工面しようか、思慮する他ありません。


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