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口癖

家内のこだわりポイントは、ポイ活と、クーポンと、節約である。このフレーズを、何度となく書いてきた。家内は、実に陽気な人である。何事かが起きても、あまり、意に介さない。いや。失敬。深刻に、受け止めない。


そんな家内には、いくつか、口癖がある。

つい最近、久しぶりに聞いたのが、これだ。

「他の女の人に、話したんじゃない?」

家内に言わせると、これは、付き合っている男の浮気を診断するための、ひとつの魔法の言葉なのだそうだ。

だが、私にその言葉をかけるなど、全く無駄なことだ。私には、皆目無縁な言葉である。だからこそ、ここ何十年も、聞いたことがなかったし、そもそも、古の口癖として、ほどなく、自然に封印をされていた。

心の中の、リトルkojuroが、失笑しながら言い放った。

笑止。こっちこそ、言葉返しをしたいほどだ。

その口癖、いろんな、他の男の人にかけすぎたんじゃない?


本題からどうでもいい方向に、逸れそうになったので、時も話も、戻そう。

家内の口癖のうち、最も頻繁に出てくる言葉がある。

それは、「来世」という言葉である。


どういうシチュエーションで出てくるかと言えば、何か都合の悪いことが起こり、自分に責任がかかってきそうな時、この言葉を多用する。特に、私が家内と結婚したことに言及されそうなときに、この言葉で逃げおおせるのである。

例えば、家内は、ゴミを、あまり、自分の手で捨てない。水場の手が汚れる掃除も、ほぼ、しない。特に苦手なのが、片付け、整理することである。

そういうときに、捨て台詞のように、言うのである。

来世は、整理上手な、こんまり みたいな人と結婚すればいいわ。


一方で、私がちょっとでも電気を消し忘れていたら、背後から機関銃のように容赦無く言葉が連続発砲される。

どういうつもり?

節約、という言葉、知らないのかしら?

もったいないって言葉、学校で習いました?

無駄は、やめましょうね。貧乏なんだから。

あなた、手っていうのも、ついています?

人差し指でできるような簡単なこと、ちゃんとやってほしいなぁ。

.......。

こういうときに私にかけられる言葉のバリエーションは、枚挙にいとまがない。

私が、ついつい、タセキングと化してしまうのは、実は、そういう背景があるのである。


一昨日も、次女の、スマホ定期の手続きを、どうにか私にやらせようとする。

パソコンを使えないのだと、涙目で家内は、言う。

ここだけを切り取ると、手助けをするべき迷える子羊を思い浮かべると思うが、実態は、そうでは、ない。

単に、パソコンやスマホを操作するのが、面倒くさいのである。

そして、言い合いになった。

すると、家内が発した言葉が、これである。

誰のため?愛する娘のためでしょ。

そこに、愛は、あるんか? よ。

パソコン上手な奥さんと、来世、結婚してちょうだい。


家内のこだわりポイントは、ポイ活と、クーポンと、節約である。

我が家は、家内が陽気で気丈であるからこそ、幸せなのである。


どこか、多少、釈然としないところもあるが、

これで、いいのだ。

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