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社内での課題解決は部分最適になりがちである

こんにちは

今回は本ではなく、論文を読んでみました。

「マーケティング・マネジメントの構造とマーケティング課題の戦略性」という論文で、拓殖大学の田島規雄助教授がかかれました。この方を私は存じ上げまていませんが、とても興味深い論文だったので紹介します。

意訳が入っている部分が多いので、あくまでも僕の解釈としてご覧ください。


メジャーなマーケティング方法

メジャーなマーケティング方法は2パターンあります。

①マーケティング目標の設定->STPの決定->マーケティングミックスの策定

②環境分析->STPの決定->マーケティングミックスの策定


①も②も共通して、STPの決定とマーケティングミックスの策定は同じですが、①と②で最初の「マーケティング目標の設定」と「環境分析」が異なっています。これをみて田島先生はこう思ったそうです。(本当に思ったのかな?)

「①に関しては目標を設定されるまでの経緯、②に関しては環境分析の結果が抜けとるやんけ!!」


そうなんです。①と②は作業の手順になっているから、これをした後にどうなったとか、これをする背景として何があったというのが記されていないんですね。


だから田島先生は新しいマーケティングフローを考えつきました。それがこちらです。

マーケティング課題の認識 -> STPの決定 -> マーケティングミックスの策定

マーケティング課題を認識しないと始まらないよねっていう話です。


マーケティング課題とは?

よく経営学とマーケティングの違いは?という問いがありますが、経営学は組織内部の活動に焦点を当てていて、マーケティングは組織内部の資源と組織外部の環境の対応に焦点を当てているそうです。

要は、組織内部か組織外部かということですね。


マーケティング課題の階層性

先ほどマーケティング課題を認識しないと始まらないよねと言ったのですが、田島先生はマーケティング課題には3段階あるというんです。


・マーケティングミックスレベルのマーケティング課題

既存のマーケティングミックス(価格、製品、チャネル、プロモーション)に問題がある場合です。内的一貫性が保てていないとかも。

・STPレベルのマーケティング課題

STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)に問題がある場合です。

・企業、事業部レベルのマーケティング課題

事業部間の資源配分に問題があったり、そもそもその事業がおこなっている産業が社会的に衰退してしまっていたりすることなどが挙げられます。


マーケティング課題の解決は部分最適になりがち

※この前に少し小難しい話があるのですが、省略しました。

マーケティング課題の段階によって、課題を認識する人が異なります。


例えば、営業の人は「価格が高すぎるから売れていないのかなあ・・・」とか「この製品をもっとこうしたらお客さんが使いやすいのかな・・・」とかマーケティングミックスレベルの課題を認識しやすいです。

一方で、「自社の事業間の資源配分が上手くいっていない」などの問題はトップマネジメントが認識しやすいでしょう。


このようにマーケティング課題の段階によって、課題を認識する人は異なります。そして、課題を解決しようとした時に、課題を認識した人にとって最適な解決方法を試みる可能性が高いです。

結果的に、その人にとっては満足な解決方法だったとしても他の地位の人にとってはあまり良くない解決方法になることがあります。


逆にいうと、マーケティング課題を認識し、他の地位の人にも共有すれば全体最適な解決方法が測れるということでしょう。


終わりに

論文を読むというのは、個人的にちょっとした挑戦だったのですが、とても面白いですね。この記事は意訳しすぎている部分があるかもしれないので、気をつけてください。笑

部分最適ダメ!ゼッタイ!

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