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JCI名古屋が仕掛けた「選挙へ行くきっかけづくり」目指せ!「センキョ割」でねらう認知率と使用率の向上

―これだけは知っておけ センキョ割―

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2021年4月の名古屋市市長選挙では、投票すると、120店舗飲食店などで割引サービスが受けられる「センキョ割」が名古屋青年会議所(JCI名古屋)の主催で実施された。
「センキョ割」とは若者の選挙に行くきっかけづくりとコロナ禍の飲食店を救う事を目的とした、名古屋の街の活性化を促進させていこうという動きだ。しかし、JCI名古屋の調査では、「センキョ割」を知っている名古屋市民は全体の1割に満たないということだが、「センキョ割」の効果は、果たしてあったのだろうか?
「センキョ割」を運営したJCI名古屋の吉田直人委員長と、賛同店舗のからめ亭一社店の志智均さんにお話を伺った。

〜JCI名古屋〜
初めに、名古屋の未来選択委員会、委員長としてこの事業に参加している吉田直人さんにお話を伺った。
−−今回センキョ割のキャンペーンの概要について教えてください。
吉田直人さん(以下:吉田)「センキョ割」は、協力して頂いている店舗に名古屋市市長選挙での投票済み用紙を提出するか、JCI名古屋が準備したアンケートの回答完了画面を見せることによって、割引のサービスを受けることができるサービスのことです。

−−投票済み用紙だけでなくアンケートでもサービスを受けられるんですね!このサービスの狙いはズバリなんですか?
吉田 選挙へ投票に行く強いきっかけづくりです。主権者教育の事業をして、投票することの大切さを理解して自らの意思で参加してもらうのが本来望ましいのですが、それをするには時間が掛かりますし、18歳以上に投票することの大切さを伝える機会をつくることも難しいです。なので、投票率を向上させるための即効性のある企画をしたく、この「センキョ割」を行うことにしました。

−−飲食店の他に、協力している店舗はどのような店舗ですか?
吉田 飲食店の他には、ドンキホーテやスーパーさんエース、不動産の仲介手数料無料、社会保険労務士などが協力しています。名古屋市内に約120店舗もの企業さんがセンキョ割に協力していただいています。

−−数多くの企業さんが「センキョ割」について協力してくださってるんですね。市民の方にはどのように広めようと考えていますか?
吉田 インスタグラムを活用していますが、なかなか広げることが厳しくて、個人的に協力していただけるお店の写真を掲載して、♯センキョ割などをつけて投稿したりなど、動いてはいるのですが私個人のSNSには影響力がなくて……。今だと、将来検索で引っかかるようなしくみを残しておいています。また、公開討論会が私たちの委員会で開催されるため、多くの方が取材に来てくださいました。取材やチラシを配っていた際に、東海テレビの方が取材をしてくださったこともあります。

−−「センキョ割」を知った方たちに期待していることなどはありますか?
吉田 ご自身のSNSで「センキョ割」をしましたと発信してくださることで、徐々に浸透が広まると思います、投稿を見た方が「センキョ割」を知るきっかけになるので、是非拡散していただけると嬉しいですね。

−−今回の「センキョ割」の実施について一番苦労したことを教えていただきたいです。
吉田 協力店舗の依頼です。本当にこれが一番難しかったです。

−−いつごろから動き始めましたか?
吉田 11月くらいから始めて、投票日前日まで行いました。実は、「センキョ割」は元々一般社団法人選挙割協会が実施している事業ですが、我々の調査では、「センキョ割」を知っている名古屋市民は全体の一割に満たない。JCI名古屋の中では、「他の団体がやっていることをもう一度やっても意味がないのでは」という声もありましたが、今回の取り組みで、世の中に多少周知ができたかなと思いますし、名古屋市センキョ割で検索に出てこなかった数ヶ月前と比べれば、効果を感じています。また、今思うと他の団体だったら絶対に協力店舗が募れなかったと思います。なぜなら、協力店舗を集めるために、青年会議所の会員の力を借りられたことが大きかったためです。

−−最後に、主催者側として、今回の事業の感想をお願いいたします。
吉田 この事業は「センキョ割」というサービスを受けられることを強いきっかけにしていましたが、設営する私たちや協力してくださった学生さんの意識はとても高まったと思います。やっぱりやっていくと想いが募ると言いますか、この事業を成功させたいという思う人は間違いなく投票に行くんですよね。また、店舗側もこの事業を理解してくれて、売上の上昇や社会貢献ということで、ご協力いただいていると思います。「センキョ割」の導入を店舗スタッフに伝えるときも、選挙の話をすると思いますが、そうやって選挙の話をする機会にもなったので、店舗側でも選挙を考えるきっかけができて投票率の向上につながったのではないかと思います。

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実際に「センキョ割」の対象店舗として参加した「からめ亭」の店主の志智さんにもお話を伺った。あんかけスパゲティーが“名古屋の味”となることを願い、創業42年。「センキョ割」に参加した理由を次のように語った。
「この味は自分自身も好きなんです、癖になって。名古屋市内に居住する220万人もの人たちに食べていただきたいと努力と苦労をかけてきました。しかし、この歳までお店を続けてきましたがまだ220万人には食べていただけていない。それなら、何かのきっかけで食べていただくことができないかと思っていた時にこの『センキョ割』のお話をいただき、参加することにしました」
最後に、「センキョ割」を通じて名古屋の街にどうなってほしいか伺うと、「センキョ割」を通じて名古屋の街が少しでも盛り上がってくれると嬉しいですね。まだまだ新しい街ですし、これから益々発展していくためには選挙は大事ですから、多くの若者が投票に行くようになってほしいです」と力強く回答をいただいた。

今回実施された投票率の結果は、期日前を含めて投票率は42.12パーセントとなり、前回を5.22ポイント上回った。「センキョ割」が投票率向上の一助になったとも考えられる。名古屋で初めて実施された「センキョ割」をきっかけに、未来の名古屋の街を担うという意識が若者たちの中で芽生えていくことを願う。

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店名:からめ亭 一社本店
住所:愛知県名古屋市名東区高社1丁目191サンローヤル東山1階
電話番号:052-777-7031
営業時間:11:00~21:00 定休日:日曜日
HP:www.star-click.ne.jp/karame/omise.html
[Text by 辻はぐみ 野村有美 森口佳音]

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