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2024年からの電子帳簿保存法も、クラウド会計なら恐るるに足らず

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2023年末で電子帳簿保存法の猶予期間が終了、2024年からは全面施行されることになっています。
いろんな記事やプロモーションを見ていても、結局何をどこまでやればよいのかはわからないと思います。
今回は、電子帳簿保存法の現在までの流れを軽くおさらいしたうえで、では「結局、最低限、何やんなきゃいけないの?」について解説します。


電子取引(データで受け取った領収書や請求書)が対象

まず一口に「電子帳簿保存法」といっても、3つの制度があります。今回取り扱うのは「電子取引」という分野についてです。現状、騒がれているのも多くはこの分野に関するものだと思います。

国税庁HPより

2023年末までの経過措置

2022年の改正で、この「データで受け取った請求書や領収書など」について、今までは紙で印刷して保管でOK、だったルールが、データで受け取ったものはデータのまま保存しなければならない(印刷保管NG)、となりました。
かなり大きなルール変更で、ITに慣れていない中小企業からそんなにすぐに対応できない、という声があがり、2年間(2023年末まで)の間は経過措置として、紙で印刷してもOK、というルールが設けられました。

国税庁パンフレットより

2024年からやらなければならないこと

では、この経過措置が終わって、2024年からどういうルールになるのか。
一言でいえば、「紙で保存してもよいけど、データは消さないでね」
です。

原則ルールとしてはきまりがいくつかあるのですが、ここでは紹介しません。
なぜならば、同時に、「準備が間に合わない場合」は簡略化した対応が認められる、ということが定められたからです。そして、この「準備が間に合わない場合」は、仮に原則ルールを守れなかったとしても、ほぼすべての事業者に当てはまると思われます。
ですので、最低限「簡略化した対応」を押さえておけばよい、ということになります。

国税庁パンフレットより

クラウド会計(freee、マネーフォワード)の出番

この2024年度からの新ルールと、freeeやマネーフォワードはとても相性がよいです。
なぜならば、取引に「ファイルを添付」という機能があるので、仕訳登録と同時に請求書や領収書をアップロードしてしまえばよいだけだからです。

freeeの画面の場合

一方で、このファイル添付機能がない会計ソフトを使っている場合、作業はやや面倒になります。
PDFなどでダウンロードするところまでは一緒ですが、ファイル名を何かしらの法則性で変更(仕訳番号、取引先、金額)したうえで、クラウドストレージなどに保管する必要があります。
また、仮にデータの保存忘れがあったとしても、簡単に気づくことができません。
freeeやマネーフォワードであれば、添付ファイルの有無がすぐわかるので、あとから添付がない仕訳だけ作業する、などもしやすくなります。

今までアナログでやっていた事業者にとってはつらいかも

逆に、今まですべての書類を紙で印刷、保管していて、電子データは消していた(もしくは、すぐに探すことができない)という方は、かなり運用を見直す必要に迫られているといえます。
ちなみに、さすがにもう少なくなっているとは思いますが「資料は全て紙で印刷して渡してください」という税理士事務所もあるかもしれません。こういったアナログな業務は、事業者側、税理士事務所側、双方で対応していかざるを得ない状況になるということです。

結論:(JOENのお客様は)いままでどおりでOK

2024年からの改正によっては、以前からJOENでアドバイスさせていただいていた運用に変化はありません。
規則が運用に追いついてきてくれた、という格好です。

むしろ、電子データが証票として認められることが明確化されたという意味では歓迎すべき改正という面もあります。

今後も、生産性を高めるサポートを提供できるように、引き続き勤めていきたいと思います。


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