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『ベルサイユのばら』推しのルイ16世

以前の記事で、『ベルサイユのばら』の私の推し1はアンドレで、2はルイ16世と書きました。

https://note.com/na2hon/n/n6aa98ba6c876

アンドレについてはですね、私も書きたいことが山のようにありますが、
ネットには膨大な記事が溢れているので、ひとまず置いといて。
今回は、ルイ16世についての想いを書いてみます(全て私の妄想)。


1、民衆に寄り添う心
氷に閉ざされた冬のベルサイユ宮殿。氷かきをしている家来に話しかけます。

「パリから失業している男たちをあつめて、氷かきをやらせてやるといい。
賃金をたっぷりはずんでやってな」
家来「ははーっ、みんなよろこびますでしょう」(単行本4巻)

ちなみに、マリーアントワネット豪華な毛皮のコートをまとっているのに対し、ルイ16世は質素なコート。しかもそれ1枚。

大好きなシーンの1つです。

ルイ16世は、政治的決断力は弱かったのかもしれないけれど、民衆に寄り添う気持ちは強かったんだなと思います。それも民衆はわかっていて、だから、マリーに対する憎悪に向かったのでしょうね。
「ぜーんぶ、マリーアントワネットのせい!」みたいな。
当時の王室は、慢性的な赤字財政で、マリーだけのせいではないのだけど。

このシーン、オスカルとアンドレが黒い騎士を探そうとしているところに、差し込まれているからか、ホッコリします。

天皇陛下も、私たち国民に対しこのようなお心をお持ちなのかな、とつい考えてしまいます。

2、フェルゼンに対し、懐広すぎ!
家族で遊んでいるときに、匿名の手紙を渡されるルイ16世。いつの時代も、余計なことをするヤツはいるものです。

そこには、妻のマリーがフェルゼンと逢引きを重ね、夫婦の子どもであるルイ・シャルルは、実はフェルゼンが父親で…と、書かれていました。

もちろん、でたらめなのですが、ルイ16世が手紙を見てショックを受けている様子をマリーが見てしまいました。
噂がこれ以上広がらないように、マリーはフェルゼンにフランスを立ち去るように命じようとしますが。

ルイ16世
「王妃…それはいけないよ。考えてもごらん。欲得ずくや地位が目当てで、われわれのまわりにむらがる貴族がどんなにおおいことか…わたしたちをとりまく貴族たちの中で、ほんとうに心からわれわれを思ってくれている信頼できる数少ない友人のひとりなのに…」(単行本5巻)

懐広すぎ!葛藤はすごくあるはず。だけど、王室の置かれている状況を考えて、自分の感情だけに流されない芯の強さを感じます。それにさ、「友人」と言い切るなんて優しいよねー。

そのあとマリーは、フェルゼンを愛している。でも、ルイシャルルは間違いなく国王陛下の子どもだと言い切ります。

マリーは正直すぎるのかもしれないけど、潔さを感じます。ごまかしたら、ルイ16世をもっと傷つけることをわかっていたんですよね。

3、私は逃げない
1789年、フランス革命勃発。1791年国王一家が国外逃亡を企てるも失敗(ヴァレンヌ逃亡事件)。

その後、パリに送還され、王室の権威は地に落ちます。それでも、フェルゼンは再度逃亡計画を実行しようとします。が、ルイ16世はその申し出を断ります。

「わたしはフランス国民と国民議会にたいし、もうパリからにげださないことを約束したのだ。
国民との約束を破るわけにはいかない…それが国王として最後のつとめだと思う…」(単行本8巻)

そして、フェルゼンには夜が明ける前に立ち去るように伝え、「ありがとう…!さいごまで…」
と言います。

蛇足ですけど。この前のシーンでさー、マリーとフェルゼンが結ばれてんねん(ギャー!!!)

ルイ16世が知っていたのか、下衆を承知で言うと、気付いていたと思う(個人の感想です)。
全てを受け入れた上での、「ありがとう」なのだと思います。
「友人」だと心から思っていたのでしょうね。

4、負の連鎖は繰り返さない
ルイ16世に対し王政の廃止と退位が通告され、1793年死刑が執行。
その前日、家族と対面を果たします。息子に
「とうさまは神のお意志で断頭台へ登る。だからとうさまが死んでも、けっして復しゅうをしようとなどとは考えないと、約束しておくれ」(単行本8巻)
泣きながら誓う息子。

最期まで家族のことを思う姿に、涙です。
負の連鎖を繰り返してはいけない。今の社会情勢を見るとつくづく思います。

おまけ、税金についての説明
「賭博をやってみたい」というマリー。もちろんルイ16世は反対します。
「賭博は法律で禁止されておるのです!考えてもごらん。ほかの者が賭けごとをするときは、自分の金をかけるのだからいいが、あなたやわたしの場合は税金を…いわば人の金をかけるのですからな!」(単行本2巻)

毅然と言い返すものの、「1回だけ」というマリーのお願いと笑顔に負けて許してしまいますが。

小学校高学年の女児にわかるように説明しているところ、池田先生すごいなと思います。
国や時代が違っても、「税金」という制度が存在すること、理解できたんじゃないかな。
ここで、王室側のルイ16世が語ることに、説得力があると思います。

書いてみて、改めてファンになっちゃいました。もしかして推し1
かも。

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