擬態語「はらはら」

はらはらと散っていく
花びらの下で
年老いたその人は
一日 座ってる

阿木燿子著「プレイバックPARTⅢ」(新潮文庫 1985)P.  180

山口百恵、1979年のアルバム「A FACE IN A VISION」中の曲『マホガニー・モーニング』の出だし。

はらはら」という擬態語は、昭和時代までは使われていたのでしょうか。
俳句・短歌では今も使われるだろうか。

はらはら <態>
木の葉・花びら・雨・涙のような軽いものが、少しずつ続いて静かに舞い落ちるさま。「ほどろほどろ」ともいう。「はらっ」は、一枚、または、一粒のものが散ったり、落ちたりするさま。強めて、「はらはらっ」という。
また、ことの成行きが心配になって気を揉むさま。

水庭進 編「現代俳句 擬音・擬態語辞典」(博友社 1993)P. 182

夏落葉はらはら特攻観世音      服部 恵一
崖高し山雀ははらはら散り      高田 律子
港見え秋陽はらはらベットへ届く   安井 信朗
はらはらと飛んでとまって秋の蝶   川崎 展宏
太極拳はらはらと楠落葉して     宮本あかり
出番待つ踊り子はらはらと枯葉    横山  宗
霧の中儒教を嫌うはらはらと     山岡千枝子
まんじゅさげはらはらと砂礫     長谷川嘉一
三昧堂はらはらはらはらと木の葉   坂本童声子
春の雪ほどろほどろに散り敷けり   村上 恭子

水庭進 編「現代俳句 擬音・擬態語辞典」(博友社 1993)P. 182


雀が、木から地面へ飛び降りる様をみると、
「はらはら」という音が聞こえてくる。「ほどろほどろ」とは聞こえない。

坂本龍一「12」を聴きながら「はらはら」を思う。
音も「はらはら」とこぼれ落ちる。