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2022年8月 長崎クスノキ大きな木

2022年9月23日(金・祝)に開業する西九州新幹線。新幹線の開通は在来線において無くなってしまうものが必ず発生します。運行はJR九州が引き続き行いますが、長崎エリアでは電化設備の撤去、在来線特急かもめ号が廃止となります。今回はそんな特急かもめ号の乗り納め(というよりは今回初乗車)をしてきました。横浜から新幹線で途中大阪に1泊、博多に1泊して3日目に長崎に到着しました。(往復切符を購入し途中下車制度を利用)
と、ここまではいつも通りの鉄道旅の紹介ですが、今回は長崎の街での観光を紹介します。

長崎の街は一度友人グループと旅行をしているので、今回は定番の観光地には行かずにクスノキ(楠)の巨木を巡る長崎観光をしました。路面電車(長崎電気軌道)の乗り潰しも兼ねましたが、今回は鉄道ではなくクスノキがメインの記事です。

温暖な気候故に長崎の街には常緑照葉樹林のクスノキの巨木が多くあり、中には被爆から復活したクスノキもあります。神社には御神木というものがありますが、昔から日本人は巨木を神の依り代として崇められてきました。時代が大きく変わっても、日本人の根底にあるものは変わらないのか、個人的にこうした巨木には非常に惹かれるところがあります。「パワースポット」と一言では言い表せないような長崎のクスノキの巨木をぜひ巡ってみてください。

住吉神社のクスノキ

上の方は葉が少なくあまり元気がなさそうですが、樹形は美しいです。

路面電車最北の赤迫電停まで乗りつぶし少し周辺を散策していたら、たまたま見つけた住吉神社の御神木です。樹齢は少なくとも100年は経過していそうなので、被爆クスノキの可能性が高いですが解説はありませんでした。

住吉神社には爆風で左前足が欠けてしまった狛犬が保存されています。
社殿は爆風で倒壊してしまい、戦後に復興したものです。

住吉神社へのアクセス
長崎電気軌道「住吉」電停より徒歩2~3分ほど
アーケード街「サンモール住吉」を抜けると鳥居が見えます。

山王神社の大クス

2本とも復活したのが素晴らしいです

被爆クスノキとして有名な山王神社の大クス。爆心地から近いため、強烈な熱風を受け丸裸になってしまったそうですが見事に復活しました。一時期樹勢が弱まったため、保護活動が行われ、現在も続けられています。

左側(北側)
右側(南側)
全景 樹木の生命力はすごいです。

山王神社の参道には爆風で半分倒壊してしまった鳥居が残されています。
どちらかと言えば片方だけでよく立っているなと思います。

山王神社へのアクセス
長崎電気軌道「大学病院前」か「浦上駅前」電停より徒歩7分ほど
JR浦上駅からも徒歩で行くことができます。

勧善寺の大クス

存在感あります

勧善寺は長崎駅から路面電車で1つ「桜町」電停より徒歩5分ほど。隣には有名な聖福寺があります。
これまでの被爆クスノキとは違い、こちらは特にそういった案内はありませんが、爆心地からはおよそ3kmほどで金比羅山の完全に裏側というわけではないので、多少の影響は受けたのではないかと思います。
がけ地かつ周りに大きな木がないため、陽当りも良く樹勢も良いです。

市指定天然記念物

アクセスは先ほど記載した通りです。

中川八幡神社のクスノキ

桜町電停から終点蛍茶屋電停まで乗りつぶした後、少し周辺を散策していたら丘の上に大きなくすのきを見つけて訪れた神社の御神木です。
幹は細めですが高さのある立派なクスノキです。

長崎のニャン
一応路面電車と絡めてみた一枚(奥の赤い車体)

中川八幡神社へのアクセス
長崎電気軌道「新中川町」か「蛍茶屋」電停より徒歩5分ほど

松森天満宮 松森の大クス

圧倒的な存在感です

中川八幡神社から長崎街道の古道を歩いて向かったのは松森天満宮の境内にある松森の大クスです。境内に点在する7本のクスノキを松森神社のクスノキ群として市指定天然記念物に指定されています。
最初の写真のクスノキは東西へ30m、南北へ30mの美しい樹冠をつくっており、そのたたずまいに圧倒されました。

水はけのよい台地のヘリで時間をかけて大きく綺麗に育ったみたいです

松森天満宮は菅原道真公を祀る学問の神様です。そういえば太宰府天満宮にもクスノキの巨木が多いですね。境内では鶏が放し飼いされていました。

長崎には日露戦争時の砲弾が多く飾られている気がします

松森天満宮へのアクセス
長崎電気軌道「諏訪神社前」電停より徒歩5分ほど

諏訪神社のクスノキ

諏訪神社は鎮西大社と称えられる長崎の総氏神様で有名な神社です。
参道は長い階段となっており、登りきった時の達成感はなかなかです。

諏訪神社のクスノキ
諏訪神社からの眺め

アクセスは松森天満宮と同じ「諏訪神社前」電停徒歩5分ほどです。

楠稲荷神社(伊勢宮内)のクスノキ

主幹は折れてしまったようです

こちらのクスノキも諏訪神社や松森天満宮からほど近い場所にあります。
福祉施設のようなものと一体になっており、参拝していいものか不安になる場所でしたが特に問題は発生しませんでした。

外から見た稲荷神社のクスノキ

アクセスは同じく路面電車「諏訪神社前」電停より徒歩3分ほどです。

大徳寺の大クス

裏の公園から撮影

諏訪神社前から本数の少ない4系統に乗車し、終点の崇福寺で降ります。
途中丸山町の遊郭跡を通り、歩くこと8分ほどで到着します。

大徳寺の大クスは県下第一のクスの巨木で、樹齢は800年ほどになるそうです。街の中にこれだけ大きなクスノキがあるのは驚きです。

県指定天然記念物

このクスノキには子猫が3匹いました。遊び場としては最高な場所ですね。

茶トラ君
2匹のニャンがいます
いつまでも元気でね

大徳寺の大クスへのアクセス
長崎電気軌道「思案橋」電停より徒歩5分ほど

まとめ

クスノキの時間軸に比べたら自分はなんてちっぽけな存在なのだろうと思います。個人的にはクスノキの巨木を見ると些細な事などはどうでもよくなり、肩の力がすっと抜けます。

長崎は気候的にも地形的にも常緑照葉樹のクスノキが好む環境が整っています。また、歴史ある街がゆえにクスノキが守られてきたのではないかと思います。

みなさまも新しい新幹線に乗って、少し違った長崎観光をされてみてはいかがでしょうか。

ちなみにこの日は長崎に宿泊、翌日は黒いかもめのDXグリーンで博多に戻り、500系新幹線こだま号に乗車、小倉のゼンリンミュージアムに寄って帰りました。

読んでいただきありがとうございました。

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