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【祝1周年!】マネーフォワード京都拠点のプロダクト開発の裏側をお話します !【オンラインイベント】

京都拠点を2019年2月に設立してから早くも1年が経ち、1周年記念イベントをオンラインで開催しました。
そんな、京都拠点初めてのオンラインイベントの様子を通じて、現在の京都拠点についてゆるっとお届けしたいと思います。

■登壇者
村上勝俊(京都開発拠点長)
谷口徹(京都拠点立ち上げメンバー)
杉浦大貴(マネーフォワードクラウド会計Plus プロダクトオーナー)
※全員京都の自宅よりリモート

■司会:田鍋麗(人事)東京よりリモートで参加

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当日は20名近くの方に参加いただきました。

まずは拠点長の村上から、京都拠点の設立経緯の話からスタート。
2018年の2月にSlackで「そうだ京都に行こう」というチャンネルが立ち上がり、京都拠点設立の話がスタート。なんとチャンネル開設の20分後に村上が立候補して、話が進んでいきました。(村上は立ち上げメンバーでもある谷口を口説いたり、夏頃にオフィスの下見をしたりしていたそうです)

そうだ、京都いこう

ここからは、参加者からいただいた質問に回答する形でイベントが進みました!

Q:京都拠点での開発の様子について簡単に教えてください!
村上:まずはプロダクトとして2020年2月末に上場企業・上場準備企業向けの『マネーフォワード クラウド会計Plus』(以後:『会計Plus』)をリリースしました。そのほかでは、優秀な近隣の学生インターンと共に、機械学習を活用した開発をしています。


開発手法としてはスクラム開発を導入しています。拠点を立ち上げた時に「京都ですべてを完結できるような開発拠点にしたい」という想いがあり、企画、デザインをはじめ、フロントエンド、バックエンド、インフラと一通りのエンジニアが揃っており、拠点の中でものづくりができる環境になってます。(6月から総勢22名、インターン生も8名に増えました…!)

技術スタックはバックエンドがRuby on Rails、最近はマイクロサービス化によりGoも利用中です。インフラはオンプレミスもありますが、京都ではほとんどAWSのECSサービスを利用してコンテナで運用しています。

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(とある開発風景)

Q:『会計Plus』のプロジェクトが始まった時のことを教えてください。

谷口:京都は最初は別の開発プロジェクトを進めていたのですが、中途採用が順調に進んだおかげで開発人数も増えてきました。そのタイミングで経営陣から「こんなプロジェクト(会計Plus)があるけど、やってみる?」と声をかけてもらいました。

京都拠点の存在感をもっと出していきたい想いがあり、そのためには事業側としても必要不可欠な拠点にしたくて、この『会計Plus』のプロジェクトを受けることにしました。そしてプロジェクトの蓋を開けてみたら、とんでもないスケジュールでしたね(笑)

そこでまずは「そもそも、このプロジェクトは実現可能ラインに乗ることができるのか?」と先が見えにくい状態でもあったので、僕と東京のVPoEで技術検証を行いました。技術検証のおかげで、実現可能であることはわかった一方で、「ターゲットである上場企業や上場準備企業のユーザーが何を求めているかが、わからない…」という課題感が残っていたんです。

その直後に経理部から開発部署に最近異動したメンバーがいると聞いて、すぐに彼をナンパしましたね(笑)それが杉浦です。本当にタイミングが良かったです。

杉浦:ナンパされたこと今でも覚えてますよ(笑)いきなりランチに誘われ、「京都とかどう?興味はないですか?」といきなり聞かれました。自分は名古屋出身でもあり、地方にも興味はあったんです。「どれくらい大変なプロジェクトなのかはわからないけれど、行ってみてもいいかもしれない」と思い、行くことを決めました。声をかけてもらって1週間くらいで話が決まったような気がします。

村上:京都拠点メンバーは、何名か社内のナンパ採用で決まってますね(笑)

Q:『会計Plus』チームや開発体制について教えてもらいたいです!

谷口:社内のナンパ採用や中途採用で少しづつ仲間集めをしていき、プロダクトオーナー(PO)、デザイナーも含めて、総勢10名くらいで開発しています。開発をスタートした当初からスクラム開発を導入しており、開発チームが6名くらいになった段階で、1チームでのやりづらさを感じたので、途中から2チームの開発体制にしました。
スプリント期間は1週間間隔で開発していくスタイルで、3名×2チームで毎回メンバーシャッフルをしています。

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(とあるランチ ※お弁当持参メンバーでほっこりタイム)

Q:スクラム開発でチームの入れ替えは新鮮でした。メリット&デメリットはありましたか?また、どのような意図があったんですか?

谷口:チーム入れ替えの理由は、メンバー内でのスキルや知見の偏りを防ぐためです。例えば、同じ機能だけを開発しつづけ、一方のチームがその機能の知見を全く知らない事態をさけるためです。例えばフロントエンドに強い人が、サーバーサイドは得意だけど、フロントエンドが苦手なエンジニアと働くことで、技術的なバランスを保てるようにしてもいいかなと思っていました。あとは機能的な仕様を、全員で把握できるようにする意図ですね。ここは上手くいったと思います。

村上:悲鳴も出ましたけどね(笑)

谷口:デメリットは毎週チームが変わるので、落ち着かないところですかね…

村上:少し補足をすると、今回の開発は大きな重責のあるプロジェクトでした。加えて開発メンバーの10名中6名くらいが入社して間もないメンバーなので、マネーフォワードの開発文化もまだ知らない。そして会計知識に強い人も少なく、「どうやってこのプロジェクトを成功させるか」がスクラムを入れた大きなきっかけでした。加えて、属人性をどう減らしていくかがポイントでした。特定の個人にしわ寄せが回るのを避ける目的で、序盤からスクラム開発に取り組むことにしたという背景です。


Q:経理から異動し、開発経験がない杉浦さんがPOをやってみて大変だったことは何がありましたか?

杉浦:最初の1~2か月は「スクラム開発」自体を理解することが難しかったです。POとしてユーザー目線で「こうすればプロダクトがもっと良くなる」という考えは持っているのですが、これをスクラム開発の枠組みの中で、どう落とし込んでいくかが分からなかった。自分でも勉強して、そして村上さんにも相談したりして、「リファインメント」いったスクラム開発の概念や全容が理解できてきて「この仕組み、すごいじゃないか!」と驚きましたね。そこからは開発メンバーやスクラムマスターに開発のことを教えてもらいながら、徐々に慣れていきました。

谷口:最初は、杉浦さんが分かるように丁寧に説明できていないまま開発チームが話を進めてしまう場面もあったので、杉浦さんに苦労かけちゃったなと思い返しますね(笑)杉浦さんも分からないなりにいろいろ聞いてくれたこともあったので、開発チームとの衝突はなかったです。

杉浦:自分の担当する範囲がどこまでなのか分からなくて、開発チームへの依頼も躊躇していましたが、「あ、これは開発チームにお願いしていいところだ」などと徐々に感覚がわかってきましたね。

Q:POになる前と後で、杉浦さん自身の働くメンタリティの変化はありましたか?

杉浦:あまり変わっていないかもしれないですね。マネーフォワードに入ってからずっと「経理部をかっこよくしたい!」という想いを強く持っていたんです。経理部時代にも、RPAの取り組みで登壇したり、会計士の先生にインタビューした記事を出してみたり。職種が変わって『会計Plus』のPOになっても、「経理部をかっこよく!」を実現するために「どうやったら経理のみんなが使いたいと思うプロダクトにできるだろう」と考えているので、根底の考えやメンタリティは変わっていないですね。

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(写真一番右がPO杉浦。インターン生と開発の相談中)

Q:マネーフォワードや京都拠点の開発文化が知りたいです!

杉浦:自分が初めて京都に来た時の拠点の朝会で、「京都拠点に来たからには、文化を作る側だよ」と村上さんが言ったのが印象的ですね。京都拠点はマネーフォワードが大切にするCultureの中でもTeamworkが強いと感じていて、上手くいかないことでもチームで解決する想いが強いです。誰が偉いとかなくて、POもエンジニアもフラットにみんなで協力することで、良いものをより良いものに仕上げていく感じがしているので気持ちよく働けてます。

谷口:いったん全ての枠組みや考えを取り払ってシンプルに「世の中やユーザーに本当に価値のあるものを届ける」ところにメンバーの意識が向いていると思います。『会計Plus』は経理や会計士の方にご利用いただくことが多いプロダクトなので、普段どう使うかユーザーインタビューをしたんです。拠点の開発メンバー全員がインタビューのZoomに入り、みんなで真剣にメモを取って勉強していた風景をみた時は「きっと、いいものを作れるな」と感じました。やはりマネーフォワードは、「ものづくり」が好きな人が多い印象です。

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(『会計Plus』リリース時のお祝いの一場面。テープカットしました。)


Q:文化に関連して、コードを書くだけでなく、サービスづくりやユーザー視点をもって開発しているエンジニアメンバーが多いと思いました。そのために工夫をしていることはありますか?

谷口:これは難しい質問ですね。
自分の考えでは、まずは「文化」と「採用」が大前提であると思います。村上と自分で、立ち上げ時から「採用面でも開発面でも、どちらも妥協せずにコミュニケーションを増やす。その上で守るべきものは守り、新しい施策にチャレンジして変えるところは変える」と決めていたんですね。その結果、「京都拠点はこうしよう!」「いや、その視点であればこうした方がいいんじゃないか?」など自然に意見が出るようになりました。

例えば、プロジェクトスタート時にPOが開発メンバーへ「ユーザーが普段どんな業務をしてどんな課題があるのか。こういった現状の上で僕たちはこんな未来を目指したい」と話していました。しかも毎日「ユーザーにはこんなペインがあり、ここを解消すると喜びます!」と伝え続けてくれたんです。こうやって日常的にユーザーのことを考える状態、つまり文化として根付いているかが大事かと思います。

村上:スクラムでも工夫していることがありますね。フレームワークではないのですが、スクラムではよく「機能を作るだけのチームにはなってはいけない」と言われます。京都拠点では「どうすれば、そうならないか?」をみんなで模索しているんです。その考えのもとに物事を進めたり、会話をしているので、そういう体質に改善していったのではないかと思います。結果的に振り返ると、日程の遅れもなく、よいプロダクトが作れたと思います。

Q:最後に『会計Plus』や拠点の今後の展望について教えてください

杉浦:『会計Plus』は成長企業、特にIPOを目指す企業のためのプロダクトです。企業の成長の中で、会計におけるフェーズが変わるのは、いわゆるIPOのタイミングになります。内部統制など監査対応ができるプロダクトとして、今後、機能をより充実させたいと思います。また企業規模が大きくなるにつれて管理会計を強化する必要も起こるので、「どういう情報を持てるようにするのか?」という課題も同時に考えなければならないといけないと思っています。

谷口:せっかく京都拠点をつくったので、マネーフォワードの中でも「憧れの場所」になれるといいなと思います。第一歩として、京都発の社内勉強会に、東京本社はじめ多くのメンバーがZoomで参加してくれて、京都から会社全体へいい発信ができていると思います。あと今回はあまり話題に出なかったのですが、京都拠点では学生インターンを積極的に受け入れているので、「インターン生の登竜門」みたいな存在になれるといいですね。通年就業型のインターン生を募集したところ、ありがたいことに多くの応募がきました。

京都のみならず、関西では東京よりIT企業が少ないので、インターンの場があることは学生にもチャンスだと思うし、関西の学生が実力をつけて、ポテンシャルを発揮し活躍してくれるのはIT業界にとっても良いことだと思っています。優秀なインターン生を育てていくことにも力を入れていきたいですね。


村上:立ち上げ期にやりたいことはかなり着手してきました。これからも、チャレンジできる組織、そしてたくさん失敗できる組織にしたいです。メンバーの心理的安全性も高めていきたいですし、「小さくはじめて、大きく成功する」が引き続き大きなテーマですね
上手くやるぐらいなら大胆に失敗する」8ヶ月で2人→11人になった京都拠点のこれまでとこれから。 | MoneyForward's ROOM

谷口の言うように、インターン生の登竜門として、東京のみならず海外に行く前に京都拠点を経由するなど、一目おかれる拠点になりたいですね。人数も増やし、50名のスクラムチームを作れたら面白いと思います。あとは祇園祭りの提灯を出したいです‥!

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