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今日のジャズ: 1月23-25日、1998年@パリ

Jan. 23-25, 1998 “You Go To My Head”
by Steve Grossman, Michel Petrucciani, Andy Mckee & Joe Farnsworth at Studio Davout, Paris for Dreyfus (Steve Grossman with Michel Petrucciani)

新興のフランス拠点レーベルのドレフュスが頻繁に起用したパリの名門スタジオ録音。

リーダーのスティーブグロスマンは、コルトレーン的な演奏スタイルでマイルスのバンドに加わったが、ロリンズにも影響を受けていて、ここではロリンズのスタイルで優雅に豪快に芯と艶のあるサックスを吹かす。

ドレフュスの顔でもあるピアノのペトルチアーニが参加する事で化学反応が生まれて生命感に溢れるダイナミックな演奏となっている。

2:18から二十秒近く続く南京玉簾的に続く高速16部音符メロディーはペトルチアー二の得意技。これに触発されてグロスマンの演奏も後半に向かって熱みを帯びてゆく。

張りのある透き通った深みのある響き方からするとピアノはペトルチアーニと相性の良いスタインウェイだと思われる。

曲は「サンタクロースがやってきた」を作曲したフレデリッククーツによるスタンダード。

きめ細やかで優雅な雰囲気の録音の仕方が、何処となくクラシックっぽく聴こえるのは、欧州録音だからか。名演奏を高い解像度とバランスで捉えた名録音盤。

主役が活躍する時ほど聴く楽しみは脇役にある。躍動感あるベースと快活なドラムに耳を凝らして追ってみると面白い。

このスタジオは1965年にパリで設立され、フランスギャル、レイチャールズ、AC/DC、プリンスやエミネムも利用した。残念ながら2017年にその幕を閉じたが、その間際に遺された映像から、雰囲気を感じ取る事ができる。映像には、フランス音楽界の巨匠であり、ジャズピアニストでもあるミシェルルグランが最後の利用者として登場している。

ミシェルペトルチアーニによるスタインウェイでの演奏は、こちらからご鑑賞ください。小さい身体にも関わらず、大きなスタインウェイがはち切れんばかりに芯から鳴り響いています。

最後に、ペトルチアーニの演奏に興味がある方は,こちらもどうぞ。本演奏と同じくドレフュスレーベルによるパリ録音です。

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