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ジャズ記念日: 1月3日、1996年@ワシントンD.C.

能登半島地震に被災された方々の一刻も早い復興を願って、少しでも音楽の力で励ましになればという思いで、本記事をお送りします。

Jan. 3, 1996 “Fields of Gold” by Eva Cassidy, Hilton Felton, Keith Grimes, Lenny Wiliams, Chris Biondo & Raice McLeod at Blues Alley, Washington, D.C. for Eva Music (Live at Blues Alley)

天使の歌声と形容される、夭折の歌姫エヴァキャシディによる、ワシントンD.C.にある1965年設立の名門ジャズクラブ、ブルースアレイでのライブ録音。この場所は設立から継続して営業を続けている、食事を提供するジャズクラブとしてはアメリカ最古だそう。

キャシディの声の心の琴線への訴えかけ方は尋常ではなく、英国のラジオ局がその歌声を流したところ、問い合わせが殺到して全英一位になり、その波がアメリカにも押し寄せて母国の全米ヒットチャートでも一位にも到達したという経緯がある。残念ながら、その時点でキャシディは病で天に召されていた。

更に有名になったのは、2002年開催のソルトレイクシティオリンピックで、当時アメリカ代表のアイススケーター、ミシェルクワンがエキシビジョンの音楽としてスティング作曲の本演奏を採用した事による。

銅メダリストとして登場していますが、この曲を選択して踊り切るクワンにはセンスの良さを感じます。曲名さながらに「ゴールド」メダルを与えたくなるのは私だけではないはず。このオリジナル曲の良さにキャシディの声、クワンの演技が合わさると、全てが絶妙にマッチしているので息を呑むような強い印象が残ります。

スティングによるオリジナル曲は、こちら。この曲を含めた”Ten Summoner's Tales”(1993年発売)は名曲揃いで不朽の名作アルバムのひとつです。ロックとジャズを縦横無尽に行き来しているビニーカリウタのドラムも聴きどころ満載です。

因みにスティングは、先のソルトレイクシティオリンピックに、名曲”Fragile”でチェリストのヨーヨーマと出演していましたので、ご興味がある方は,こちらもどうぞ。当時のジョージブッシュ大統領も懐かしいですね。


このキャシディのライブアルバムの出来栄えは、その歌唱とバンドのパフォーマンスに支えられて、この上なく素晴らしい。ジャンルに縛られずに、サッチモの名演で有名な「このすばらしき世界」、R&Bの名曲「ピープルゲットレディ」、サイモン&ガーファンクルの「明日にかける橋」等の名演が、繰り広げられる構成も楽しめる。本アルバムの映像も幾つか有りますので、ご興味ある方は、こちらもどうぞ。

演奏のみならず、透き通ったような解像度の高い録音も上質で、オーディオ用のレファレンス音源として活用できるアルバムの一つ。通しでアルバムを聴くと、ジャズは、やっぱりライブが良いな、と改めて教えてくれる貴重な一枚。キャシディに感謝。

最後に、スティングに触れた記事はこちらからどうぞ。

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