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ジャズ記念日: 11月14日、1958年@ニュージャージーRVG

Nov. 14, 1958 “Reflection”
by Roy Haynes Trio (Phineas Newborn, Paul Chambers) at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ for New Jazz (We Three)

モダンジャズの初期から近年90歳を超えてまで演奏を続けたロイヘインズは軽快でキレの良さが全面に有りつつも、捉え所のない変幻自在なリズムと、シンバルの響きの美しさが特徴で黒人清音派ドラマーの代表格と言える。

それを象徴するかのような、シンバルを叩いた直後に素手で押さえる事で、キレのあるバシバシとしたリズムから始まり、軽やかで変則的に入れ替わるビートと、ハイハットの快活さが颯爽としていて心地良い。軽快さ、瞬発力とキレという意味ではフィリーと同系統だが、粘り気が少なく洗練されている上品さがあるのがヘインズの特徴。

1:57秒からの3秒間にどれだけ詰め込むのかというほど畳み掛けるような旋律を紡ぎ出すピアノのフィニアスニューボーンJr.はドラマーにこだわりがあるのか、ドラマーから好かれていたのか、このヘインズの他、フィリー、エルビンとのトリオ作品もあり、前月紹介曲の以下演奏でのフィリーとの演奏を比較すると、それまでは認識出来なかったドラマーの個性が明らかになり、新たな発見がある。

この組み合わせの妙がジャズの飽きない面白さ。この曲では捉え所のない変幻自在なリズムを歌を歌うかのように繰り出し続けるヘインズの創造性とテクニックの高さを堪能したい。

ヘインズが如何に偉大かは、この写真で明らか。右からチャーリーパーカー、セロニアスモンク、ヘインズ、チャールズミンガス。“Is This the Greatest Photo in Jazz History?”というタイトルで、2019年3月8日付のThe New York Times の記事に掲載されている。

1953年9月13日@The Open Door in NYC

ヘインズは、演奏も良いが、服装にもセンスの良いこだわりがあって、1960年には高級ファッション誌の「エスクワイヤ」でベストドレッサー賞を受賞している。その時の他の受賞者は、フレッドアステア、クラークゲーブル、ケリーグラント、そして帝王マイルスデイビスという超一流の顔ぶれ。ヘインズのファッションスタイルは、ちょっとヒップで鮮やかな色遣いが特徴。

高級ファッション誌「GQ」にも登場
この時、御歳91

因みに、このGQによる熟練ジャズマンのファッション特集、登場しているのが大御所揃いで面白いので、興味がある方はご覧ください。

本曲はピアニスト、レイブライアントによるもの。そのブライアントの端正なトリオ作品は、こちらからどうぞ。

ヘインズの演奏を更に堪能したい方は、こちらもどうぞ。95歳とは思えないスティック捌きが、2:30秒以降からご覧頂けます。

そして、これまでの紹介曲の中から、先ずは本作と同じベースのチェンバースと参加した名作。こちらでは、ビルエバンスがピアノを弾いています。

チックコリアによるピアノトリオ作品の大傑作でも、存在感を示しています。

ヘインズと同じキレと繊細さが特徴の清音派ドラマーで白人の筆頭格、シェリーマンによるピアノトリオ作品はこちらをどうぞ。

最後に、ニューボーン”Jr.”の「ジュニア」の名前の考察は、こちらからどうぞ。その父親のシニアは、ブルースバンドのドラマーという事もあってか、ドラマーには並ならぬ拘りがあったのかもしれませんし、ドラマーからも愛されたという事なのでしょう。

そしてもう一つ、本アルバムジャケットは、プレスティッジレーベル等で活躍したエズモンドエドワーズによるもの。興味のある方はこちらをご覧ください。

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