中洲大洋映画劇場記録 ①『PERFECT BLUE』


最近、映画を観るとなると配信に頼りっきりだった。
今年なんて、1回しか映画館へ足を運んでいない。
映画は好きなんだけど、なんでこんなにも遠のいちゃったかな〜。


そんな風に思っていたら、ふと中洲大洋映画劇場の取り壊しのニュース記事を目にした。
建物の雰囲気も、上映している映画もとっても好きだからものすごく悲しい気持ちになった。
私は全然知らない頃から福岡の文化として生き続けている映画館だもの。
なくなった後は、どうなるんだろう。

兎にも角にも、今ある中洲大洋映画劇場を後悔なく胸に刻みに行こうと思って久しぶりに映画を観るために外に出た。
後何回行けるかわからないけど、忘れずに記録したい。


今日観たのは、
1998年公開の『PERFECT BLUE』

アニメ映画は全く観てこなかった中、妹に誘われて一緒に観に行った。
けど、
結果、少しトラウマになるくらいの衝撃でした。笑

25年も前にこのクオリティのアニメ作品。
いや、私がアニメ界隈に明るくないから知らないだけかもしれないけど、今公開されている新作って言われてもおそらく信じるとおもう。

事細かに書くと本当に纏まらない文章を書いてしまうので、ネタバレしない程度に印象に残ったことを2つだけ書こうと思う。

周りの期待という名の圧

アイドルから女優に転身する女の子の身辺に起こる物語。
そこで現れる色んな角度からの「イメージ、期待、理想像」に応えたい自分とそれらの重圧に耐えられなくなる自分。
人前に出る仕事をテーマとして分かりやすく感じられたけど、今の時代はそうでなくても感じる問題だなと思った。

"炎上した"って色んなところで見たり聞いたりすることも、みんなが見たい当人の「理想像」から外れた一面を目にした時に、みんなの中で作った完璧を壊された気持ちになり、不快な気持ちを消化させるべく当人は攻撃される。
過去に友人間でもそんなことあったなと振り返る。

(勿論間違った行動に対して炎上していることもあるけれどそことはまた別な問題な気がする。)

人にはいろんな側面があって、
良い面だけの人、理想的な完璧な人はおよそ存在しないと思う。
そう見せるのが上手いだけ。
理想を持つことも、素敵な部分を好きで応援することもとっても素晴らしいことだけど、同時に私たちの理想から外れたら許さないという感情は捨てないと双方に良いことないなと思った。


本物と偽物

作画、音楽、シーン構成などなど、あらゆる面が効果的に作品に影響していて本当に怖かった。ホラー映画は1ミリも見られないくらいビビリなので何度もリタイアがよぎった。
でも最後まで観た。

少しネタバレになるかも知れないけど、、、

物語が進んでいくにつれて、何が本当で何が嘘なのか観てるこっちも分からなくなる。
結局あれはどっちだったんだろう?っていうところもいまだにある。
だからこそ、主人公が精神的に疲弊していくのが手に取るようにわかる。
実はこの描写にとても共感してしまって自分も過去のことを重ねながら辛くなっていた。

人間本当に苦しくなると誰かに助けを求めることすら億劫になるし、更に、嫌なことは夢に出てきてまで追いかけてくる。
助けを求められなくなるというより誰を信じて良いか分からなくなるというか、誰の言葉が本当で誰の言葉が嘘なのか分別がつかなくなる。自分の判断力が信じられなくなる。

後半は特に、怒涛に加速していく描写に焦燥感があって息できないくらいの展開だった。
自分の実像と虚像、
周りの本物の優しさと罠、
周りが作り上げる理想(の自分)と現実(の自分)
それらの対比がどんどん人の心を蝕んでいく、そんなシーンがとても残っていて見過ごしてはいけない何かがある気がしてならない鑑賞後でした。



やっぱりつらつらと拙い文章を書いてしまう。
読みにくいです。すみません。

そして描写が中々に強烈なので予め覚悟しないとなと思った。


先週観た「神は見返りを求める」という作品と被るところがいくつかあって、
連続して考えさせられる内容で。
そのせいか若干暗めの感想になりましたな。


物語の内容や構成、音楽、キャラクターデザインとか作品としてとっても面白いので観て得られるものは必ずあります。
私は暫く引きずられることは間違いないです。
もっと上手く咀嚼して文章に落とし込めるように精進します、、、。

読んでくださった方々、ありがとうございます🙇‍♀️

【余談】
鑑賞後、一階のカフェスペースで妹と感想シェアしながらクリームソーダ🌻
最高に好きです。


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