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世間に転がる意味不明:顧客価値経営の欺瞞(先義後利を無視する経営哲学)

■納得できない経営者の姿勢

○ドコモと三菱UFJがエグい値上げ決行!「IT弱者切り捨て型」本格到来の必然
2023.5.12

 歴史的に見れば、ドコモショップはドコモの成長に欠かせないチャネルでした。また、ATMは銀行の利便性や生産性向上に欠かせない道具でした。しかしどちらも近年、経営の重荷になりかけています。

今は銀行のATMが減ってもセブンとイオンにATMがある限りATM業界は安泰に見えますが、いずれセブン銀行もイオン銀行もキャッシュの利用者が減ってくるでしょう。

 次第に、「レジでお金を引き出せるようにしたほうが、コストがかからないんじゃないのか?」と気づくようになります。実際、アメリカではデビットカードを出せばレジで現金を受け取れます。その結果、最終的にはATMへの設備投資がいらなくなります。

 このように「弱者切り捨て型の値上げ戦略」には、奥深いところまでのコストカット効果が狙えるのです。

https://diamond.jp/articles/-/322757

論点は、コストカットを優先しサービスを停止する。そのための施策を推進するために、そのサービスを使えないようにする。と言うことになる。

それは、利益を顧客サービスに優先すると言うことになる。
企業は利益を出すことが制約条件である以上、利益率の悪いサービスを見直すことは悪いことではない。

しかし、代替のサービスを考えることなく単に利用者を排除するというのはどんな思想なのだろう。

■日本経営品質賞と顧客価値

日本経営品質賞のアセスメント基準書にはかつて、①顧客本位、②独自能力、③社員重視、④社会との調和が最初に基本理念として示されていた。その「①顧客本位」には以下の文言が含まれている。

「もちろん組織である以上、売上や利益の追求も重要ですが、それは顧客への価値提供の結果として得られるものである。」

わたしは、これを「先義後利」の哲学の言い換えだと思っている。

現在、日本経営品質賞は「顧客価値経営ガイドライン」に従っている。その中には、上記の「先義後利」は少なくとも、すぐに目につくところにはない。これを非常に危惧している。

なぜならば、「顧客」を自社の利益に貢献する人々と限定し、それ以外の人々を除外する恐れがあるからだ。すなわち、自社にとって「良い顧客」を選別し、彼らがお金を払ってくれる経営が良い経営であると誤解しかねない。

■イエスマンとヒトモノカネ

経営者と話をするときに、「イエスマンだけでそろえないこと。イエスマンは手鏡のようなもので自分の顔しか見せてくれない」、「お金の話はしないこと。したとしてもヒト・モノの後ですること。さもないと社員はお金優先行動を取る」と話をしている。

最初の記事は、事実の部分を切り取っているだけかもしれないし、真実は別にあるかもしれない。しかし、まちがった顧客価値に向かっているのではないかと危惧される。

<閑話休題>

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