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世間に転がる意味不明;人手不足の欺瞞(就職氷河期世代に投資をしない人々)

■人手不足と言うが

現在(2023年4月)、多くの業界で人手不足が言われ、企業そのものの存続を左右する事態になっているようだ。

○建設業の倒産が急増。資材高・人手不足・工期長期化の「三重苦」
2023.04.14

建設業では人手不足も加速。労働人口の高齢化や比較的低い給与水準、建設業の需要拡大などがネックとなり、建築士や施工管理者などの有資格者が不足。2022年度には、人手不足倒産全体のうち、4件に1件が建設業だった。そうして建設現場では、「資材不足と価格高騰」「人手不足」が常態化。結果、工期も「ずれ込む」悪循環に陥る中小零細企業が目立ち、業界の倒産率を引き上げている。

https://forbesjapan.com/articles/detail/62341

しかし、これは奇妙なことである。何かと言えば、労働力人口(6500万人)に対しての失業率(3%)を考えると、200万人ぐらいが職を探していることになる。さらに言えば、有効求人倍率が1を割り込んでいることは、人手不足と言いながら求人をしていないことになる。

これは一体どういうことか?

■安く使える労働力が不足している

「雇ってもらえるだけありがたく思え」という言葉を実際に耳にしたときには驚いた。
建設業を営む彼は、「安く使える労働力」にしか興味はないのだろう。そのくせ「仕事ができること」は要求する。

これでは都合の良い人材などは限られてくるのだから人材はいつも足りなくなる。
企業経営者の責任として、まずは考え方を変えないとダメだろう。

もともと、人材育成は数年必要だと言われている。簡単な労働から、専門性の高い技能修得、専門知識の獲得などに移行させるためには数年かかる。すなわち人的投資が必要になる。

「経験者求む」の一辺倒であれば人材は限られるし、ましてや「安い」を求めるのであればさらに少なくなる。そんなことは無能な経営者でもできる。

■表舞台に立てない人々

人の育成は投資である。投資である以上リターンは時間がかかる。
しかし確実な見返りがあるはずである。
問題なのは、その年数を待てるかどうかである。育成も何もせず、現在の能力だけに目を向ければ、それは人件費と言うコストでしか見ていないことになる。

育成されるかどうかは意欲の如何にかかる。物覚えや器用さに差はあるとしても、致命的なほどの差異はない。したがって、「来る者拒まず」で向き合うべきである。

上記の未就労者には、いわゆる就職氷河期に大学を出ても就業機会を与えられなかった人々が多数いる。そうした人々が、「頭が悪い」などとは思えない。意欲をかき立て戦力にできるかは、経営差hであるあなた次第である。

「雇ってやるだけありがたいと思え」などと公言する企業がはびこらないことを願う。

<閑話休題>

■参考にした記事やデータ

○近年の有効求人倍率の推移

厚生労働省が令和4年5月に発表した「一般職業紹介状況」によると、2022年4月時点の正社員全体の有効求人倍率(季節調整値)は0.97倍(前年度比+0.11ポイント)でした。

一倍を切っていますが、2020年8月に0.79倍を記録してから徐々に持ち直しの傾向が見られています。

https://求人ボックス.com/転職/転職ノウハウ/有効求人倍率とは?cid=listing_g_p-max&gclid=CjwKCAjw0ZiiBhBKEiwA4PT9z26fTpXbTJBMe81iNdTyuMVhLS53vJUbb8sdJpULG-ZpgqXzUdjG7xoCsN8QAvD_BwE

○労働力人口

労働力人口(15歳以上人口のうち,就業者と完全失業者を合わせた人口)は,2021年平均で6860万人と,前年に比べ8万人の減少(2年連続の減少)となった。男女別にみると,男性は3803万人と20万人の減少,女性は3057万人と13万人の増加となった。 また,15~64歳の労働力人口は,2021年平均で5931万人と,前年に比べ15万人の減少となった。男女別にみると,男性は3252万人と20万人の減少,女性は2679万人と6万人の増加となった。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/report/2021/pdf/summary1.pdf

○完全失業率

総務省が発表した2022年12月の最新版「完全失業率」は2.5%(前月:2.5%)。前月と同じ結果です。

直近3か月で大きな変化はなく、0.1%程度の変化となっています。雇用状況は急激な変化がなくなり落ち着きを見せている状況になっています。
新型コロナウイルスまん延による景気悪化の影響は受けていますが、経済活動の再開で少しずつ落ち着きを取り戻してきている状況と言えそうです。
しかし、ウクライナ情勢の影響を受け各方面で原材料高騰の影響を受けており、今後の景気悪化が懸念されています。

【完全失業者数・最新版】(季節調整値)
こちらも総務省が発表している2022年9月の最新版「完全失業者数」164万人。前年同月に比べ21万人減少しています。

https://www.job-terminal.com/features/完全失業率/#:~:text=2023年最新版・完全失業率と完全失業者数,-※2023年&text=総務省が発表した,比べ0.2ポイントの上昇。&text=※2023年1月,前月と同じ結果です。

※労働力調査はサンプリング(標本調査)である。失業率は一定の幅で見る必要がある。

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