報道ステーションのウェブCM問題に関するニュースを見聞きしていて思ったことがあったので、文章にしておきたいと思います。

最初、Twitterで誰かが批判をしているのを目にして、フェミニストの方々が女性蔑視だと訴えておられるんだなとしか思いませんでした。

ところがあまりにもたくさんこれに関するニュース記事があって、荻上チキさんのラジオ番組ですら採り上げられていたので、では一体何が問題だったのかを自分なりに確かめてみようと思って、すでに削除された動画がどこかに残っていないかと思い、検索してみるも、なかなかヒットせず、イシケンさんという方のニュース解説YouTube動画上で小さな画面で紹介されているのを見つけました（CMの音声はほとんど聞こえません）。

第一感は「え？これの何がそんなに問題なのだろう？」で、それ以上の問題意識を持つことができませんでした。・・・というのは、あまりにも分からなすぎてのことです。

CMの中で女性が、会社の先輩が産休明けに会社に赤ちゃんを連れて来たのを見て、政治家がジェンダー平等を掲げる時点で時代遅れだと思ったと言っていますが、この関連性が全然分かりませんでした。

ハフィントンポストの記事でジャーナリストの治部れんげさんが「一番の問題は、ジェンダー平等が達成されているという間違った認識に立っていること」であるという指摘をしておられます。そう言われれば確かに、ジェンダー平等を掲げる時点で時代遅れと言っている部分からすれば、そういうことになるのでしょう。

ですが、もし本当にそうなのだとすれば、もっと問題なのは、会社の先輩が産休明けに赤ちゃんを連れて来たことをもってして、ジェンダー平等が達成されていると言えちゃう無能さにあると思います。

荻上チキさんのラジオ番組でもこの点を指摘して、産休の何たるかが分かっていない人がこのCMを作ったに違いないと言っていましたが、これまたもし本当にそうなのだとすれば、いゃぁ、その人、すぐに放送業界から去ったほうが良いです。分かっていなさが尋常ではないレベルです。

同時に、あまりの稚拙さに「本当かよ」と思ってしまうため、もう一つ考えたことがあります。

それは、テレビ朝日の謝罪文の中に、いろいろな世代の人に知ってほしいという思いで作ったという内容があったことからして、もしかするとこのCMって、

「若い世代の人たちは、産休も育休も何も分かっていないくせに、政治家の批判だけはいっちょ前にする。高い化粧水を買うことが将来への投資だと思っていたり、消費税問題を国の借金としか捉えられなかったりするあなたは、せめて我々の分かりやすいニュース番組を見て、認識を改めてほしい」

と訴えたいんじゃないかなって。

さすがにそれは無いかなと思いつつも、個人的にはそんなこんなで、女性蔑視だという問題の前に、この手の差別意識があるんじゃないかと思いました。

あ、でも、最後に「こいつ報ステみてるな」の一言が入るから、やっぱり違いましたね（笑）。

あと、CMに直接関係があることではなく謝罪文を読んで思ったことは、素直に「自分の非」を認める書き方をしたほうが、それ以上追及されなくて済むということです。その意味では「誤解を招いてしまって申し訳ありません」という書き方は善し悪しだと思います。自分の側には特に非は無かった、というか、そもそも悪意は無かった、だからそれを悪く受け取ってしまったあなたのほうに問題があるとも取れなくはないからです。

だから何ということではないのですが、ニュースを見て、珍しくいろいろと考えてしまったので、消化不良になる前に、文字に落としておこうと思いました。