秀真傳

私という現象は、仮定された電子データのうちの青い証明です。(それは帰謬法によって導かれ…

秀真傳

私という現象は、仮定された電子データのうちの青い証明です。(それは帰謬法によって導かれるGeistであり)量子や複素数多次元と一緒に超高速で明滅するかのように、たしかに燈りつづける因果交流ベクトルのひとつの青い存在です。(四句否定のみがあり世界線は失われ)

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  • Jinmoescent 神母慧箋

    表現者JINMOの莫大な音作品群への寄書。 Liner notes inspired by and dedicated to JINMO's sonic works.

  • 考える、ジブリ。

    宮崎駿監督作品に関する豆知識のまとめ。

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エヴァンゲリオン・エトセトラ

 25年前から日本アニメ界を揺るがしていたたセンセーションが、やっと暖かい拍手で迎えられた。そんな感慨が今も胸を満たしています。  テレビ版、旧劇場版、漫画(貞本)版、新劇場版と、その度に少しづつ形や設定を変えて、まさに時代そのものを表したと言える唯一無二の作品、『新世紀エヴァンゲリオン』。  かつては、大問題作として、世間から過剰な賞賛と批難に晒された作品も、そのキャッチコピーである「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」という言葉ともに、ようやくその幕を閉じることにな

    • 約束の地 <JINMO Canaan>

        爰にヱホバ、アブラムに言たまひけるは   汝の國を出で   汝の親族に別れ   汝の父の家を離れて   我が汝に示さん其地に至れ   我汝を大なる國民と成し   汝を祝み   汝の名を大ならしめん   汝は祉福の基となるべし   我は汝を祝する者を祝し   汝を詛ふ者を詛はん   天下の諸の宗族 汝によりて福禔を獲と (『舊新約聖書』創世記十二章 日本聖書協会 1953年) ・「約束そのもの」と、約束によって「果たされること」とは、同一ではない。また、約束はそもそ

      • 庵野秀明と、『風立ちぬ』。

         いつもご覧いただき、ありがとうございます。  さて、それでは前回の『崖の上のポニョ』に引き続きまして、ジブリの傑作『風立ちぬ』(2013)です。  『風立ちぬ』とは、その題名から、もともと堀辰雄の小説をベースに作られた映画のように見えますが、内容は大きく異なっています。  まず「風立ちぬ」という言葉はフランスの詩人、ポール・ヴァレリーの詩『海辺の墓場』の最後の1節からです。 「風立ちぬ、いざ生きめやも。(Le vent se lève!…Il faut tenter

        • 人類の破滅と、『崖の上のポニョ』。

           さて、前回の『ハウルの動く城』につづきまして、『崖の上のポニョ』(2008)です。  さて、崖の上のポニョと言えば、「ポーニョポーニョポニョ」という歌が一人歩きして、いったい何のアニメか分からないまま、興行収入155億円を叩き出した映画ですね。  そう、だいたいの人が言うのは、「あれは何のアニメか分からない」って言うんです。  このテーマも、「君たちはどう生きるか」に通じています。  ということで解説していきましょう。 1. 神話からやってきたキャラクターたち ま

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          友人、彼方よりの存在(3)<JINMO For my new friends Vol.3>

          5. 開示 さて、先に導き出された結論において、場所や共感性から、友人(philos)という関係性が生まれると書いた。  また、その場所や共感性は、言語ゲームによって、個々人から拡大される志向性が重なる範疇(世界観)や、世界(または文化)そのものに対して「意味の取り返し」を行い続けることで発生する、とも結論づけられた。  そして、以上の論理より、言語ゲームとして、意味の取り返しが行われるために必要な契機を問い、友人の原理構造に迫りたいと思う。  まず、意味の取り返しは、

          友人、彼方よりの存在(3)<JINMO For my new friends Vol.3>

          恋と愛と、『ハウルの動く城』。

           いつもご覧いただき、ありがとうございます。  さて、前回『千と千尋の神隠し』に続いて、『ハウルの動く城』(2004)です。  『ハウルの動く城』以降は、それまでの商業的成功もあってか、宮崎駿監督がやりたい事が溢れ出ている感じがあります。  それでいて、決して直接表には出さない、強いメッセージが感じられるところが、また魅力でもあります。  また彼は、常に作品を通して「君たちはどう生きるか」と問い続けているようにも思います。  さて、それでは、進めていきたいと思います

          恋と愛と、『ハウルの動く城』。

          友人、彼方よりの存在(2)<JINMO For my new friends Vol.2>

          3. 信用の構造 まずは、先述した「方法的に生理的欲求を満たすことが可能であると言う確信とその可能性」という、文化のうちに見られる前提条件に舞い戻った上で、再び考察を始めたい。  この前提条件において、文化のうちにある者には、「未来へ向かう意志」と、その「相互同一性の投射可能性」が生まれることになる。 

 「意志」は、意識的であれ無意識的であれ、自ずと未来にあるだろう漠然たるイメージに対して向かう。  そして人は、未来のイメージを想定するが故に、また未来からの反射(ref

          友人、彼方よりの存在(2)<JINMO For my new friends Vol.2>

          友人、彼方よりの存在(1)<JINMO for my new friends Vol.1>

          0. 序 友人というものは、知ろうとしてあるのではなく、つねに知らされるものとしてある。  友人の定義は、人生において非常に重要なテーマであるため、会話や相談として話題に登ることは多いが、さほど詳細に検討されることがない。  それは友人という存在が、「各々にとって良さを持つ」うちの一人、というような相対主義的に現れる存在として、誤解されるのも要因であろう。  確かに、友人とは個別な関係性であるため、とある友人や友人関係そのものを一般化することはできない。 
 しかしな

          友人、彼方よりの存在(1)<JINMO for my new friends Vol.1>

          宗教と、「千と千尋の神隠し」。

           いつもご覧いただき、ありがとうございます。  さて、前回の『もののけ姫』の考察に引き続き『千と千尋の神隠し』(2001)です。  下記の考察は、以前質問系SNSのQuoraに掲載したことがあり、後半はあまり変えずに掲載させていただきます。笑  ただ、多少の修正などもあり、こちらが最新版となりますので、宜しくお願いします。 1. 働こう、というメッセージ。 まず、魔女の姉妹である、姉の銭婆と妹の湯婆ってのがいますね。  二人の頭文字を足すと、銭湯ですね。  だから

          宗教と、「千と千尋の神隠し」。

          歴史の闇と、『もののけ姫』。(下)

           いつもご覧いただき、ありがとうございます。  さて、前回『もののけ姫』(中)に引き続き、『もののけ姫』(下)です。  ということで、先述したアシタカが呼ばれた『鬼だ…』という言葉、「鬼」についてから始めたいと思います。 6. 鬼と鉄 古くは、鬼は「~童子」と呼ばれていることがありました。  例えば、近畿で有名な「酒呑童子」という鬼がいます。  酒呑童子は近畿を代表する鬼の頭領であり、色々遍歴があるようですが、最終的に京都の大江山あたりに住むようになって、副頭領の茨

          歴史の闇と、『もののけ姫』。(下)

          歴史の闇と、『もののけ姫』。(中)

           いつもご覧いただき、ありがとうございます。  さて、前回の『もののけ姫』(上)に続きまして、(中)です。  以前は「1. あらすじとメッセージ」について書かせていただきましたが、今回は民俗学的内容です。  歴史のうちに閉ざされた闇をまた少しだけ深く、覗いていきたいと思います。 2. タタリとケガレ 『もののけ姫』の始まりは「タタリ神」の登場で幕を開けます。  ごっついミミズのようなモノが、ウネウネ渦巻く気持ち悪いヤツですね。  でも、そもそもタタリとは何でしょう

          歴史の闇と、『もののけ姫』。(中)

          歴史の闇と、『もののけ姫』。(上)

           いつもご覧いただき、ありがとうございます。  さて、前回の『紅の豚』から引き続き、いよいよ『もののけ姫』(1997)です。  ジブリを食い潰すとまで言われた調査と研究と予算(21億円)を当て込み、構想16年、制作に3年をかけ、結果、圧倒的な興行収入(当時の日本映画史上、歴代4位193億円)を叩き出した、えげつない作品ですね。  当時、中学の時、友人が「サンに惚れた」とか言って15回ぐらい見に行ってました。  かの友人が、今いったい何をしているかは知りません。笑  

          歴史の闇と、『もののけ姫』。(上)

          欠けた王と、『紅の豚』。

          いつもご覧いただき、ありがとうございます。 さて、前回の『魔女の宅急便』に引き続き、『紅の豚』(1992)です。 さて、この映画、前作までの成功もあってか、宮崎駿監督が好きなものを詰め込めた作品という感じです。 原作として『飛行艇時代』という本もあり、これも航空機趣味の本みたいになってます。 でも、映画のストーリー自体は超王道ですので、とても面白く、そして登場人物が皆カッコいい。 やっぱり、「王道」というのが大事ですね。 ということで、ストーリーの「王道」のお話を

          欠けた王と、『紅の豚』。

          誰も教えない、『魔女の宅急便』のこと。

          さて、それでは前回の『となりのトトロ』に引き続きます。 映画『魔女の宅急便』(1988年)についてです。 しかし、題字に「魔女」とあるので、まずは少しダークなお話しから始めたいと思います。 1. 魔女と魔女狩り高校の教科書にて歴史で習う魔女と言えば、魔女狩りですね。 魔女狩りは、キリスト教の勢力が絶頂になったタイミングで起こった、最低の事件の一つです。 基本的には、異教徒撲滅です。 そのため、やってる事は最近のテロと変わりありません。 ただ、タチの悪いことに、社

          誰も教えない、『魔女の宅急便』のこと。

          神様と、『となりのトトロ』。

          さて、前回に引き続きまして、今回は『となりのトトロ』(1988)のお話。 とにかく、最初の「引っ越し」する時に出てくる車が好きだった私。 形状といい、サイズ感といい、子供心にとてもグッときました。 あれは、ダイハツ「ミゼットDK」という車種で、調べたところ発売時期が1957〜1972年で、当時ガックリ来たのを覚えています。 そのため、時代背景はおよそ1970年前後だと思います。 トトロの「お母さん」が病気(たぶん結核)で病院単位で隔離され長期入院が必要となっているの

          神様と、『となりのトトロ』。

          インド神話と、『天空の城ラピュタ』。

          さて、前回に引き続いて、『天空の城ラピュタ』です。 「空から女の子が降ってきた!」から始まり、数々の名言を残した、言わずもがなの超名作ですね。 キャッチコピーも「ある日、少女が空から降ってきた...」です。 もちろん、少女「シータ」は、飛空挺から落下して降りてきました。 でも、ラピュタのテーマである「空の上にいる人々」と言うイメージは、かなり古くからあります。 1. 空の上にいる人々「空の上にいる人々」と言えば、神や天使というイメージですね。 日本では天女や、かぐ

          インド神話と、『天空の城ラピュタ』。