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【ながおし!⑬】人に優しいまちづくりを目指して! 横山英信さん、恵信さん

長浜で推したい!長浜でこの活動を推している!そんな人々を紹介する「ながおし!」

第13回目は、ながおし!初となる、兄弟での登場となります。特別養護老人ホーム伊香の里で介護士として活躍する兄・横山英信さんと、長浜市社会福祉協議会(社協)でコーディネーターとして活躍する弟・恵信さんを紹介します。

ながおし!で介護士を紹介したいと思い、湖北地域介護サービス事業者協議会に相談したところ、介護士の兄と社協でコーディネーターをする弟の兄弟がおられると聞き、ぜひ紹介したいと思って、インタビューに臨んだ。

インタビュー当日、物腰の柔らかそうな2人が伊香の里で迎えてくれた。
話を聞き始めると、実は2人の上に兄がいて、3兄弟ということ。
そして、2人は今日家をでるとき、一番上の兄に、なぜ兄ちゃんは呼ばれないのかと聞かれたという。少しクスッとするほほえましいエピソードだ。

インタビュー風景

早速、2人の仕事を聞いてみる。
介護士の兄、英信さんは、利用者の介護に取り組む。
体制は、複数の介護士で複数の利用者をみるチーム介護。
起床介助、食事介助、おむつ交換、つめ切り、髭剃り、手足・口の体操、おやつのジュースづくり、就寝介助など介護士の仕事は多い。
また、利用者の変化を見て記録をつけ、交代の人に引き継ぐことも大切なことだそう。

さらに、利用者とできるだけ会話をするように心がけていると話してくれるので、
理由を聞いてみると、
利用者の皆さんは個があって、話を聞くとそれぞれ面白い話をされることもあり、これは利用者にとっても良い刺激になるので、取り組んでいると答えてくれる。私も介護を受けるなら、英信さんに頼みたいと思った。

社協のコーディネーターの弟、恵信さんは、現在引きこもり状態にあるなど就労に難のある人と事業者のマッチングに取り組む。
具体的には、本人から何がやってみたいかを聞き取りし、それに合う事業者を見つけるもので、そのマッチングが成立すれば、現場に同行し、それが長く続くようにサポートしていく仕事となる。

同僚と打ち合わせする恵信さん

それぞれ、人を大切にする心を持って、人に向き合う、決して簡単ではない仕事だ。
もう少し2人の仕事について、深く知ってみたいので、それぞれに仕事のやりがいについて聞いてみた。

恵信さんは、支援者と何度か面談を重ねるうちに支援者の身なりが整っていくなどやる気が起きていく感じが見られると嬉しくなり、やりがいを感じるとのこと。

英信さんは、その人の身体レベルが下がって、流動食になった人の食事を、見た目だけでも良くしたいと取り組んでおり、本人がおいしいと言ってくれた時、非常に嬉しくやりがいを感じると話し、
続けて介護の仕事には必ず別れがあって、その喜んでくれた人も亡くなられることもあると寂しさを語り、
最後に「一人一人の人生の物語の最後に自分が関わらせて頂くことをすごく光栄に思う」とまとめてくれる。

2人とも、利用者の反応にやりがいを感じるところに、いいなあと思い、ほっとする。

さらに、どの業界でも人材不足と言われているが、介護士も人材不足と言われて久しいし、
若い人にアピールすることはありますか。と尋ねてみる。

これには少し間を置いて、また若干遠慮気味に、英信さんが、
「福祉の世界に興味のある人は、まずは福祉ボランティアでも良いので参加してみてほしいです。ひょっとすると楽しさが見つかるかもしれません」と丁寧に答えてくれた。

2人は若いのですが、今までの人生経験が豊富なのか、大変落ち着いていて、何とも言えない風格を感じる。

こういう風格が、どう作り上げられてきたのか気になり、いつ福祉の世界に興味を持ったのか聞いてみた。

英信さんは、高校に入学すると同級生には様々な境遇の人がいて、少し漠然としているが、人を支える何かがしたいと思い、福祉系の大学に進学。きっかけと言えばこれがきっかけかもと話し、さらに大学では、こども食堂や、地域の普請作業などにボランティア参加し、子どもに歓迎されたことが嬉しいし、普請作業は高齢者ばかりでは大変だと思い、これからも支えたいという感想を持ったとのこと。

英信さんの地域普請作業ボランティアの様子

恵信さんは、大学に入るまでは興味がなかったけど、英信さんと同じように大学時代にワークキャンプやこども食堂に関わり、地域づくりに関わることができる社協は良いなと思ったとのこと。

恵信さんのワークキャンプの様子

人に歴史あり。これまでの歩みはやはり重要だなあと思うと同時に、2人が長浜に居てくれることが嬉しくなってくる。

そんな2人は、普段何をしているのだろう。趣味を聞いてみた。

英信さんは絵をかくのが好きで、
今はスマホやタブレットを使い作画し、SNSに投稿したりしているとのこと。

絵は線画で、小学校の先生をしている先輩に提供し、小学生にぬり絵をしてもらっているそう。また仕事でも利用者の皆さんにぬり絵を楽しんでもらっているとか。
趣味なんだろうけど、仕事や社会活動に関連していることに、またすごいと思う。

恵信さんは、キャラクターカードを集めるのが好きで、バトルゲームの大会に出場するために京都まで行くこともあるとのこと。大会の結果については、「相手が強すぎて、全然歯が立ちませんでしたけど」とはにかむ。
ちょっと普通の面が見られて、少し嬉しい気がした。

ここまでインタビューをする中で、私の一番印象に残ったことは、
互いが話しているときの待っている雰囲気、見つめる視線などから感じる兄弟仲の良さだ。

そこで、少し照れが出るかもしれませんが、お互いのことを、どう思っているのと尋ねてみた。
互いに目配せし、「いや、全然照れないですし、はっきり言えます」として、まず恵信さんが、「これまでの一番仲の良い友達よりも、一緒にいられる存在」と答え、英信さんは、「兄弟であって、親友のような感じ。この家に生まれて良かった。」とほほ笑む。

何だろう、「The家族愛」だ。横山家に訪問したい気分になった。

訪問の代わりに横山さんご一家の写真を提供いただきました

こんな2人は、将来どうなっていたいのか尋ねてみる。
英信さんは、介護士となって3年、後輩を指導することもあり、しっかり基礎の基礎が教えられるようになりたいと仕事の抱負を語り、
恵信さんは、将来的には結婚もして、家族がこれからも仲良くあり続けたいと自分の土台の目標を語ってくれた。

2人から見た長浜は、自然豊かで子育て環境が良いことが自慢。また、あいさつをするとあいさつが返ってくるそんな普通さも魅力とのこと。
それをアピールし、好きな長浜をもっと賑やかにしたいと意気込む。

長浜の自然、風土には、心豊かな人材を育む力がある。改めてそう感じた。

(あん)