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脚本の書き方を学びました

5月から半年間、脚本の書き方を学ぶセミナーに参加していました。


きっかけは単純。同世代の物書き友人であるりょかちつっきーとブリしゃぶをつついているときに、ふたりから講座に通って本当によかった!という話を聞いたからでした。えー、ふたりとも受講したんならやってみようかしらん、ぐらいの気持ちで。

そしてちょうどいま私は、事業側に立つプロデューサーとして働いていることもあり、創作に疎い人間がコンテンツで売り上げられるわけがない!とも思っているところでした。昔から書くことは好きで、思春期には夢小説サイトの管理人をやっていたほどです。まったく抵抗なく始められました。


門を叩いたのは、40年続く老舗のシナリオスクール、シナリオ・センター。いくつかコースがある中で、私が選んだのは「シナリオ養成講座」でした。

6カ月間、毎週土曜日に2時間の講義と、テーマに沿った課題の提出(+添削付き)があるコースです。この内容を10万円で受けられるのは、かなり親切な価格設定に思えました。そしてコロナ禍もあり、オンライン受講の対応がしっかりなされていたのも素晴らしかったです。土曜日に仕事が入って講義を受けられなかったときも、(有料で)録画を見せてくれました。


毎週テーマに沿って、体系化された講義内容を講師がわかりやすく伝えてくれます。

・そもそも脚本とはなにか。小説と何が違い、映像化のためにはどんなことを書かなければいけないのか
・どういう物語が「おもしろい」と言えるのか。どうすれば見たことがない作品を描けるのか
・柱、ト書き、セリフそれぞれのルールと、魅力的かつ実用的にするためのメソッド
・物語をおもしろくさせる人物の描き方と構成のつくり方


こういった内容を教えながら、「脚本家デビューするための道筋」や「書き続けるためのモチベーションづくり」などの、本気でシナリオライターになるための具体にまで言及していました。

ものすごく体系化されたシナリオ論に少々驚きながらも、どんな創作にも役立ちそうな金言ばかりでした。おもしろかった〜。毎日見るテレビドラマの見方が一変しました。


合計21本にも及ぶ課題は、歯を食いしばって全部出しました。金曜夜の仕事終わり、22時から午前2時ぐらいまでにかけて。本当は毎日こつこつ書かなければいけないのですが、なかなか難しかったのが正直なところです。

それでも課題提出をこぼさずやりきれたのは、この講座の一番の魅力は添削にあると思えたからでした。書いてみるとよーくわかる、自分の拙さ。そして赤ペン先生からの「よくわかりませんでした」とばっさりやってくるフィードバック。めちゃくちゃ悔しい。どう書けば伝わるか、の試行錯誤の繰り返し。そしてわかったのは、「自分が思っているより、何倍も直接的にわかりやすく書かないと、初見の人には伝わらない」ということでした。


例えば私が書いたのは、こんな内容。


#課題「迷っている人」
→40代男性である主人公の残高は6万円。別れた妻に今月分の養育費を払うか、もう少し待ってくれと伝えるかを迷う。

#課題「イライラしている人」
→20代男性の主人公は、コインパーキングで料金を支払い終える。出発しようとする中、彼女がナビを操作したり、次はどこに行こうかという相談を持ちかけてくる。主人公はフラップが上がるのを懸念して早く出たいのに、それが伝わらなくてイライラする。

#課題「喧嘩」
→報道アナウンサーの主人公が、「最高気温を更新」「東名高速で渋滞」などの夏休みの定番ニュースを読み切る。その直後、同期の記者がインターネットで広げた沖縄の終戦企画が評価される。夏の終戦テレビ報道に対するアナウンサーと記者の意見の食い違いを描く。

#課題「告白」
→百貨店でパリッと働いていた主人公が、父の介護をきっかけに実家へ帰る。主人公は床につく父に、昔財布からお金を盗んでいたことを告白。あのときの罪悪感から仕方なく父の介護をしているのだと説く。父は「今から金を返してくれてもいいんだぞ」とさびしげ。

#課題「風」
→神経質な料理人の主人公は、妻たっての希望で、海辺でレストランをオープンさせる。開放的なテラスではきれいに盛り付けた一皿は風で崩れ、客は「ワイン、潮のにおいしかしない」と笑う。主人公の居心地の悪そうな様子に、妻は懸命に明るく振る舞うが――

#課題「サラリーマン」
→地元の優良企業であり、老舗の温泉旅館に就職した主人公。しかし突如、地元の温泉が「全国温泉地番付」で幕下に陥落。せっかく地元就職して、安泰な生活を手に入れたと思ったのに!なにが原因かを探る主人公は、売店の土産菓子の退屈さに気づく。日本一の土産菓子メーカーに売り場を独占されていて、地元の菓子屋から1つも卸されていない。主人公はメーカーとの癒着を断ち切り、地元菓子のプロデュースに乗り出す――

#課題「片想い」
→アダルトビデオショップの男性店員に一目惚れしてしまった、二次元オタクの主人公。あの人、あまりにも私の推しに似すぎている……。主人公は、男性店員をきちんと見つめてみたいという思いから、嫌がる兄とともにショップへ乗り込む。意地悪な兄が男性店員に「おすすめを教えてほしい」と話しかけてみると、なんと男性店員から「二次元推しなんでよくわかんない」とのカミングアウト。主人公はその共通点から、一抹の可能性を感じてしまう…(?)

#課題「あらすじ」
(全文載せてみます)

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登場人物たちに名前をつけて、それぞれが生きていると想像しながら書くことが本当に難しかったです。毎週、さまざまな都道府県の「高校陸上大会」とか「中学水泳大会」とかの結果表を検索しながら、名付けのヒントを得ていました。もちろん名前そのままは使いませんでしたが、いまを生きている人の名前を知りたかったので…。

脚本家になれるほどの力が身についたわけではありませんが、基礎技術を得られたので、ここから執筆の機会を探していきたいです。
ちょうど最近、温泉に関するコンテンツの原作のご相談がきていて、なんてタイムリー…と思っていたところでした。
お仕事あればぜひ。そしてシナリオ講座、めちゃくちゃためになったので、興味ある方には超おすすめです。

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