見出し画像

女ひとり温泉をサイコーにする53の方法


ひとりでよく、温泉へ出かけます。1泊2日でさらっと行くこともあれば、1週間仕事を休んでひたすら湯巡りをすることも。国内外あわせて約500湯に浸かりました。

温泉を好きになったきっかけは、ライターまがいのことをしていた20歳のころ、温泉取材の仕事をいただいたこと。いまから7年前、2013年のことです。毎日いくつも温泉に浸かっていく中で違いがわかるようになり、なんと奥深い世界……!と没頭しました。それから2年間は旅行雑誌の編集者へ。現在はまったく違う仕事をしていますが、「趣味」として、ここ数年とにかく温泉を楽しんできました。

そんな私がお金と時間をかけて身につけてきた、女ひとり温泉をサイコーにする53の方法。いくつかかいつまんで紹介します。

1年間で1番温泉に適しているのは5月下旬

GW明け直後の時期が一番おすすめです。虫いない、日差ししんどくない、台風の心配ない、連休終わって落ち着いてる、新緑きもちいい、夏祭りとかのイベントないから混んでない、冬季閉鎖終わって山道に雪もほぼない……。ひとり旅の最大の敵は混雑なので、空いているときを狙いたいです。ちなみに、10〜11月が5月に次いでおすすめ。

1泊5000円も、1泊3万円も、すこぶる楽しくさせる

宿泊費は「温泉の質」と比例しません。1泊5000円の旅行は、素泊まり+近所のレストラン+日帰り入浴でオーダーメイドなひとときを。1泊3万円の旅行は、宿の「これを良しとする」宗派に入信するような気持ちで。予算に応じて旅行をカスタマイズしていきましょ。

温泉を優先するのであれば、10部屋未満の小さな宿へ

大型宿もきらいじゃないですが、私は断然小さな宿派です!湯船は小さくなっちゃうけど、その分新鮮でいい温泉が注がれている可能性が高いので。大型宿はファミリー・グループ客も多いため、なんだかさみしさを感じてしまうことも。

温泉旅行の最大の敵、交通費をなるべく抑えるために

とにかく一番値段を抑えられるのは、送迎バス込みの宿泊プランを予約すること。次点で活用したいのが、主要駅(新宿駅や東京駅など)と温泉地を結ぶ直通高速バス。バスが苦手な方は、絶対絶対に「駅レンタカー」がおすすめ。駅レンタカーは神。

「あこがれ雪見露天」のハードルを下げる"送迎充実"な温泉地

「雪見露天」をかなえたいときは、新幹線や特急電車が停まる主要駅から送迎をしている宿が多い温泉地へ。例えば、万座温泉(群馬)とか高湯温泉(福島)とか白骨温泉(長野)とか。

温泉が空いている時間帯は、「夕食直前」「深夜」「チェックアウト直前」

ひとり温泉は、とにかく混雑を避けて静かにのんびり過ごせるタイミングを狙うのがおすすめ。みんなが行かなさそうな時間帯を狙う、「逆張り」をしましょ。

治安のいい日本だけど、これだけは防犯気にしておこう

いまどこに泊まってるとか、これからどこへ行くとか、SNSに書くのはやめておくほうが無難。人気(ひとけ)のない無人の温泉も避けたいところ。どこからどう見つけて、「おっ、女ひとりなのか」と狙われるか全くわからないので…。

一生に一度は浸かりたい、足元から湧いてくる温泉

絶対絶対浸かってほしいです。この感動と衝撃は、どんな色湯(色のついた温泉)も、どんなにおいの強い温泉も霞みます。温泉への価値観が変わるぶっちぎりの湯。蔦温泉(青森)はガチ。

売れてくれ、島根のサイコーな温泉たち

あまり賑わっていない、すばらしい温泉に出会うと、「売れてくれ」と思います。そう、売れてくれ、島根の温泉たち。有福、温泉津が大好きすぎます。東京発だとかなりアクセスに難があるけれど、えいやと行ってしまっても損はないような温泉ばかり。

やっぱり別府がナンバーワンかもしれない

移住したい温泉地をひとつ挙げるとすれば、真っ先に別府が浮かびます。温泉街と生活圏が重なった別府は、「住みたい温泉地」「ずっと居たくなる温泉地」として私の中でトップ。ひとり温泉ビギナーにもおすすめしやすいおおらかな雰囲気が魅力的。

箱根・熱海をひとりで遊ぶとしたら

いつでもにぎわっている温泉地にひとりで行ってみるときは、「この湯に浸かりたい」「この宿に泊まりたい」といったシンプルな目的に絞るが吉。お祭り、花火大会、海水浴、お花見、紅葉などなど、ハイシーズンは避けたほうがゆっくり過ごせます。

「温泉とグルメ」どちらも100%満足させる

”名湯”といわれる温泉はざっくりだいたい山奥や辺鄙な土地にあって、度肝を抜くほど美味しいところはそう多くありません。温泉とグルメ、どっちも満足したいなら海辺へ。城崎のカニ、別府の関あじ・関サバ、白浜のかつお・クエとかね……。海・山限らず、源泉温度の高い温泉地特有のグルメ「地獄蒸し」もおいしいですよ。

ビジホ×温泉銭湯という選択肢

「温泉旅館はなんとなく敷居が高い」と感じる方は、ビジネスホテルに宿泊しつつ、近くの温泉銭湯に浸かる旅行がおすすめ。かないやすいのは別府(大分)、甲府(山梨)、道後(愛媛)です。夜は街で地酒でかんぱい。サイコーすぎませんか?

女ひとり温泉、持ち物マストアイテム

備え付けのシャンプーや化粧水や歯ブラシもいいけれど、なんとなく体にストレスがかかっている感じがする……ので、私は極力普段使っているものを持っていくことをおすすめします。あと持ち物でいえば、タオルより手ぬぐい派。乾きやすいしかさばらないので重宝します。宿の浴衣だと寝付けないことがあるのでスウェット・パジャマも持参しましょ。

ひとりメシのさびしさを解消する"部屋食"

他の宿泊客にまぎれて食事をするとさびしい……と思う方は、「部屋食プラン」をぜひ。その名の通り、旅館スタッフが部屋まで食事を持ってきてくれるサービスです。思う存分写真を撮ったり、のんびりテレビを見ながら食事したり。さびしさを感じさせない、ひとり温泉ビギナー向けのやさしい選択肢です。


…という温泉旅行のコツをまとめた本が、出ました。

こんなふうに、温泉に関するいろんなことをTwitterやブログで書いてきました。そうして、ラジオに出演したり、ファッション誌で連載したり、温泉大賞の審査員をつとめたり。市井の温泉オタクとして、ひとりでも多くの人に温泉に行ってもらいたいなと思いながら、活動してきました。

そういう姿を見てくださっていた幻冬舎の編集さんからご連絡があり、「女ひとり温泉をサイコーにする53の方法」という本を出すことになりました。きょう、11月26日(いい風呂の日)発売です。なんとまあ縁起のいい発売日。

コロナ禍で今まで通りには外出できない中、温泉に思いを馳せながらほぼすべて書き下ろしました。300ページ超。会社員しながら土日に原稿を進めるのはちょっとしんどかったけれど、嬉しかったから、やりきれました。

温泉偏愛エッセイ。前述のとおり、かなり実用的です。そしてそこまで「女ひとり」に絞りきっていません。男性にも読んでもらいたいですし、パートナーや友達や家族と温泉旅行に行くときも役に立つと思います。

女ひとり、に込めた想いは、シンプルに「もっと女ひとりでも温泉行きやすくなるといいな」と考えているからです。世間の目も、旅行業界も、個人的な感覚としても。めちゃくちゃ一生懸命働いた分、きっちり自分のためだけに温泉浸かっちゃったりしてさ。そういう自己愛と自己満に満ちた旅行がもっと広がればいいなと思っているのです。

よかったらぜひ、読んでみていただけると嬉しいです。ぎっちぎちに愛を込めました。

いますぐに温泉旅行へ!とはなかなか行かないけれど、これからの温泉旅行のお供に、温泉気分を高める一冊として、手に取っていただけたら幸いです。

いただいたサポートは温泉レポや幸せな生活に使わせていただきます。