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「推し燃ゆ」の影響で私も推しのことを書きたくなった

先日野外フェスに行き、心が動いたことがあったので書き留める。ただの気持ちのメモ書き。忘れたくないので記録するのと、書くことで自分の価値観を見つめたいと思っているから。
小説「なつをとめ」の更新は、ちょっと待ってね。

私には、最近熱狂している推しがいる。複数人メンバーがいて、私の推しはその中の数人。中でも特に好きな人、新町しんまちさん(仮名)について書きたい。

私は本グループの存在はうすうす知っていた。このジャンルの音楽は元々好きで、YouTubeで楽曲PVをみてわあ恰好いいと思ったが、それ止まりだった期間が2~3年。しかし、最近なぜだかこの「わあ恰好いい」が熱を帯び、引火点に到達後発火し、あっという間に私の胸の中に燃え広がった。うすうす気になっていた、新町さんの存在が大きかったと思う。グループのMVが次々に公開される中で、やっぱり新町さんは格好いいし声も歌詞も耳障りがよくて素敵だなあと何となく目で追うようになり、彼の楽曲を何となく聞き、インタビュー動画を何となく見て、ブログを何となく読んでいくうちに、彼の垣間見える人間性(私が見えている範囲での)に共感してどんどん惹き込まれていった。そう、彼のことは最初からうすうす気になっていた。この「うすうす」というのは割と危うくて、本当は最初から結構気になって…いや、最初からかなり強い興味を持っていたのだと思う。いつも後から気が付く。自分の心に、どこかブレーキがかかっている。

そして私はついに生で新町さんを拝見する。ブレーキが外れたら、行動は早い。2つのフェスに行き、生新町さんを2回も拝むことができた。2つ目のフェスは特に最高で、ステージでのパフォーマンスが終わった後、彼はメンバーと一緒に下界(一般の人が楽しむエリア)に降りてきて、ファンサをしながら一般の人と同じように過ごしていた。私は彼と写真を撮ることに成功したが、舞い上がっており写真写りが悪く、緊張してまともに話すことが出来ずに一瞬でタイムオーバーとなってしまったのであまり思い出したくない。ただ、彼の瞳が薄くグレーがかった美しい色をしていたことは、ずっと忘れないと思う。(その美しさのあまり吃驚してまともに話せなかった説あり)

さてここからは、フェスを通じて「新町さんのココが好き!」が一層深まった…或いは、今まで感じていたことが確信に変わったことを書き留めていきます。あなたは新町さんの何を知っているの、と言われそうですが、私から見えている新町さんという部分的な話になります。(だからこそ、仮名にしている)


1.「地味で目立たないこと」を大切にしている

マイクリハの後、メンバーはステージ袖に戻っていったが新町さんは残っていた。機材の様子をみるのかしらと観察していたら、機材確認後、機材横に置かれたメンバー用のペットボトルの水の蓋をかたっぱしから開けはじめた。メンバーがパフォーマンス中に水分補給しやすいように、という気配り。十数本あるいろ○すを次々と。私は驚いたし、ああ、新町さんのこういうところ尊敬するんだよなと思って、すべてのペットボトルを開け終わるまで彼を眺めていた。
また、新町さんはパフォーマンス後も舞台からはけずに、自分たちの機材を高速で片づけていた。機材スタッフさんはおられたが小規模フェスなので人員も限られているのだろう、アーティスト側も自ら片付ける部分がある様だった。舞台上に残ったメンバーは新町さんともう一人のふたりだけ。言語化しがたいが、謙虚だなとか、運営側の視点に立って動いているのかなとか、裏方の苦労を知っているのかなという思いを巡らせて、眉間にしわを寄せて真剣に片づける彼を観察した。(もしかしたら「なんで俺がこんなことせなあかんねん」とか「俺の機材だけ片づけたらええやんな」などの利己的な思いをもっていたかもしれないけど。その辺は私が都合よいように解釈しているよ)

私はこういった「一見地味で目立たないこと」を大切にできる人を尊敬する。なぜなら、私も大切にしていることだから。尊敬、いやむしろ「いやはや貴方様もでしたか…」と一方的に同じ種族だよね認定をしている、という表現が正確かも知れない。そしてその人が成功者であれば、いや、成功者というか、世の中で「あの人はすごい」と認知されている状況、といいますか、つまりは「本来スポットライトが当たりにくいポジションなのに当たっている」状況をみて、私自身も報われた気持ちになる。私が大事にしていることをあの人も大事にしていて、世の中から承認されている。私も間違ってないよね、と、自分も世の中から承認された(承認される日が来る)気がする。それは勇気となる。映画EEAAOの俳優キー・ホイ・クアンの2023年SAGの受賞スピーチ"Please keep on going because the spotlight will one day find you."そのものである。
万人にわかりやすいことを目立つように振舞い注目を浴びる方法は、私は好きではないし自分がそう振舞うのは不得意で、居心地が悪く、クールでないと思っている。

2.きっちり仕事をしている(誰よりも)

パフォーマンスが終わりステージ機材の搬入出も落ち着いたころ、私はフードエリアでカレーライスの列に並んでいた。ワンチャン、新町さんがぶらぶらしていないかななどと淡い期待を膨らませながら。すると、そのワンチャンが向こうからやってきた。15分前まで舞台上にいた、見覚えのある花浅葱色のTシャツが見え、それはフードエリアに近づいてきた。彼が下界に降りてきたのだ。(多分)そこにいる誰よりも早く彼を見つけた私はカレーどころではなくなり、フードエリアに彼が降り立った頃にはついにカレーのことはどうでもよくなった。しかし、私にはファンサ要求の切り込み隊長になる勇気はない。ほかの誰かが毒味役となるまで遠くから様子を観察し、安全性を確認してから、話しかけに行った。(先述の通り、その時のことはあまり思い出したくないけれど)
私は彼と長く話せなかった代わりに、彼がファンサをする姿を少し離れて見ていた。周囲は彼らに気が付き始め、だんだんとファンサ待ち行列が長くなっていく。しかし彼は写真撮影や握手に応じ、ファンと交流していた。途中電話対応をしていたが、電話しながらでも写真撮影に参加していた。大変だなと思った。パフォーマンスが終わったら仕事終わり、ではない。私の様に、オンオフを自分で線引きできる領域が少ないのだなと、その大変さを想像した。自分たちもほっと一息したいだろうけれど、このフェスを楽しみたいだろうけれど、周囲に求められたらファンサをしなくてはならない。彼はファンの期待に応えていた。終始笑顔とか、全員消化するまで、というわけではなく一定の線引きはあったと思うが、真摯さは伝わってきた。いい加減な気持ちやめんどくささを表に出していなかった。プロだ。私にはできないかもしれない…し、忘れていた心がけだと背筋が伸びる。

その後、物販エリアでも新町さんの姿を見かけた。ほかのメンバーも複数人いたため、周囲のファンたちは色めきだっていた。私も初めてお目にかかるメンバーに声をかけ、写真を撮って握手をしたが、そのメンバーはちょっと疲れてそうというかつまらなそうな雰囲気だった(そのメンバーのキャラだとも思うが)。撮影を終え振り返ると、いつの間にか、まずグッズを買い、次にサインをもらい、最後に写真を撮る、という流れができ、列が伸びている。その流れは、新町さんが作っていた。「我々のグッズはこちらで販売しておりまーす」と呼びかけ、ファンと二言三言話し、グッズにサインをして、近くのメンバーと一緒写真を撮る。彼だけが、せわしなく動いていた。ああ彼は仕事をしている、と思った。
ミュージシャンの収入の多くは物販だといわれている。この小さなフェスでの彼らのミッションはステージでパフォーマンスをするだけではない。足元の収益を稼ぐこと、新規ファンを獲得して定着させること。この2つのミッションを達成するのだという強い意志が、新町さんからは感じられた。正直なことを言うと、新町さんはそのルックスから女性人気が高い。彼がグッズ販売を呼びかけたら「グッズを買ったらあのイケメン新町さんと写真が撮れるなんて!」とグッズを買う女性は増加するだろう。だからこそ、彼は最前線に立っていた。彼は自分のその特性を理解し、最大限利用しているように見えた。ミッション達成のために自分にできることは何でもする、という気概は、私の胸を強く打ち、彼へのリスペクトがますます強くなった。彼は「売れたい」「このグループを成功させたい」と、強く思っていると思う。そのための地道な努力ができる人なんだ。曲作りやパフォーマンス以外のことも、腹をくくって取り組める人なんだ。制作する歌詞も楽曲もセンスが良くて素敵でスキルフルなのに。パフォーマンスも素晴らしいのに。それだけじゃない。ますます恰好いい。

3.その他

ここからはフェスでの思い出、新町さん以外のメンバーの話。

見原けんばらさん(仮名)も、ファンサがよかった。2回目の写真撮影に応じてくれたし、会話のやりとりがアーティストではなくきちんとした社会人だった。心から(に見える)感謝ができて、細やかな気遣いができる人だと感じたので、これからも応援しようと強く誓った。安心感があって、飾らなくて、自然体な人。勿論リリックもテクニックも安定感があって好き。

甲野こうのさん(仮名)は、控え目な方だった。グループ内で若手層の年齢であるなど、様々なことがあるのかもしれないけど、彼の書くリリックはテクニックも含めて好きだし声質も好きなので、これからも応援しようと強く思った。写真撮ってくれてありがとう。顔小さくて肌きれいだった。これは年の離れた弟を応援する気持ちに似ているのかも。兄弟いないけど。

・松野さん(仮名)とは下界で出会えなかったことが心残り。パフォーマンスは安定していて、楽しくて、キュートでした。また次回。

・そのフェスにドミコも出ていたが、めっちゃよかった。ヨーロッパのロックって感じで、やはり思った通り大好きなサウンドだ。生で聞けてよかった。こちらもまた、生で聞く機会を得たいところ。

まとめ

フェス楽しかったです。先述の通り、今の私は新町さんへのリスペクトであふれています。きっと私は、彼のような人間になりたいのだと思います。
なぜ本グループと出会った初期段階で、彼のことが気になったのか。それは先述のような魅力が、彼の書くリリックや作るトラック、フローの乗せ方、MVでの立ち振る舞い方から滲み出ていて、それを僅かでも感じ取っていたからだと考えています。

ここ数年、特にコロナ禍になって、音楽へのモチベーションがぐっと下がりました。何を聞いても感動しない。何度も励ましてくれたお気に入りの曲が初めてうるさく感じたり、大好きで一生ついていくと決めたアーティストの新曲にも時めかなくなったり。ただ消費するだけのエンターテイメントに何の意味があるのだろうと、音楽を純粋に楽しめなくなっていました。そんな闇夜の中で明かりを灯すように現れたのがこのグループであり、新町さんでした。私に音楽の楽しさやすばらしさ、奥深さを再び教えてくれ、音楽を愛する気持ちを蘇らせてくれたのです。私の人生を彩ってくれて、ありがとう。

そしてこの気持ちはきっと時が経てば消えてしまうから、熱いうちに記録しておきたかった。新町さんへの見方が変わったり、新町さんが変わってしまったことに私が対応できずなんか違うなあと思う日が来るかもしれないけれど(いや来ないでくれ)、私が今この瞬間、彼をリスペクトする気持ちは嘘ではなくて、自分でも驚くほどの熱量を持っている。このことを、私自身がこれから先大事にしたくて、書き出しました。

いつか、自分が納得できるいい顔で一緒に写真が撮れ、まともに会話できますように。(結局そこを気にしている)


ながいけまつこ


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