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ベルティングとは何か?

ベルティングとは何か?

最近は「ベルティング」「ベルティングボイス」という言葉をよく聞きますよね?
ベルティングって何でしょうか?

地声で高音を出す方法はいくつかあって、ベルティングはそれらのうちのひとつの方法を指します。
一般的には、力強く地声で高音を出す方法だと認識されてるようで、
「力強く」というのがキーワードとなっているようです。

ぼく自身は、この認識には違和感をいだいています。
じゃあ、たとえば松崎しげるさんの高音はベルティングなのか?と。
おそらくベルティングではないと思うのですよね。
松崎しげるさんの高音は、ベルティングより、もっと難しい…。

ベルティングは「belt」から来た用語らしいのですが、よく、
beltにはピシッと引っぱたくという意味があるから「力強く」なんだ、という説明がなされます。
は…?
この発想が英語っぽくない…。
どう考えたってbeltは「帯(おび)」のことです。
英語圏の人ならば、帯っぽい形状のものをイメージするはずなのです。

子供のころ、父親の革ベルトを2つ折りにして端っこを引っ張って、ピシピシ鳴らした経験があるかと思います。
ピシッと引っぱたくという意味は、まさにこの音から来てる。
つまり、ベルトそのものからの連想です。
これをさらに声に当てはめて、、
ベルト→ひっぱたく→力強い=ベルティング。
だけど、こんなまどろっこしいこと、合理的な英語圏の人が考えるわけない。
ベルト→○○=ベルティング。って直に考えるはずなのです。

じゃあ○○は何か?
ベルト(帯)を連想させる声ってどんなものなのか?

じつは、喉の奥にはベルト(帯)があるのです。
この帯を使った声のことを、ぼくは「スナッピーボイス」と(自分で勝手に)呼んでいます。
スナッピーとは、スネアドラムに付いてる帯状の付属品です。
ヂャッヂャッと音の鳴るアレですね。
ドラムをやる人ならご存知でしょう。
知らない人は「スナッピー」で検索してみてね。
ぼくは自分の感覚として、喉の奥にスナッピー(帯)があるような気がするのです。
この喉のスナッピーを利用した声がスナッピーボイスです。

お歳を召した女性が、しゃべり声で、けっこうスナッピーボイスを使っています。
女性は閉経すると声が低くなる傾向がありますが、いつまでも高い声でしゃべりたいとの願望もあるようです。
それが社会的に良いことなのかはサテ置き、低くなってしまった声をなんとか高くしようとする際に、スナッピーボイスを使う女性がいます。
たとえば、宮沢りえさん。
今、三井のリハウスか何かのCMで、10代の頃をなつかしむシーンをやってらっしゃいます。
このCMで、若い頃の宮沢りえさんと現在の宮沢りえさんの、声の違いを比較できます。
今度、機会があったら、よく聞いてみてください。
現在の宮沢りえさんは、あきらかにスナッピーの効いた声になっています。
なんて言うんですかね、張った帯状のものがかかった声と言いますか。
ピシッとしたベルトがかかった声、と言いますか。
注意して聞くと、お歳を召した女性に、このスナッピーボイスの方々がけっこういます。
もちろん、若い女性でスナッピーボイスを使っている人もたくさんいますけどね。
あと、最近は、若い男性のしゃべり声でも、よく聞きます。

当然ながら、しゃべり声で使えるのですから、歌声でもスナッピーボイスは使えます。
女性はナチュラルで高い声が出せますので、歌声の場合は、おもに男性がスナッピーボイスを使うケースが多いかと思います。
最近のJ-POPの男性ボーカル曲は、高音域を多用したものが多いですから。
ふつうの地声だとなかなか歌いきれないので、男性のほうが歌ではスナッピーボイスを使う、というわけですね。

ベルティングって、まさにスナッピーボイスのことなのではないか、と最近ぼくは思っています。

ただ、まぁ、ポップスの用語は学術用語ではないので、とりたてて強く主張するつもりは、ないです。
大多数の人がベルティングを「力強く地声で高音を出すこと」と言うのなら、べつにそれでいいかなぁ、と。
ポップス用語の定義論争は、不毛ですからね…。
(^。^;)

↓ぼくがスナッピーボイスでNovelbright『ツキミソウ』を大サビから歌ってみた動画です。
ヘタですが、どんな声か?ってことで…。
https://youtu.be/L4HsrJd1tXY

↓ちなみにぼくが江戸POPで『ツキミソウ』を歌った動画です。
こちらはフルコーラスです。
https://youtu.be/nNep4P0Bl7I

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