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甲子園が教えてくれたこと

野球少年だった僕

僕は小学3年生から大学4年生まで野球を続けた。
(その後、24歳のときにまた1年間野球浪人も経験した)

周囲からは「野球バカ」と言われる存在だったし、野球のために自分の人生があると思って生きてきた。

そんな僕が、学生時代、行きたくて行きたくて夢にまで見た場所が2つある。
それが高校生のときの「甲子園」と、大学時代の「神宮」だった。
どちらも言葉を変えると「全国大会」という意味だが、当時の僕にとってここに行くことの意味は、自分が生きることの意味そのものだった。

高校生のときには携帯(ガラケーだった)の待受を甲子園球場にしていたり、メールアドレスは「kanarazu-iku.koshien@~~」みたいなアドレスだったり、バットに好かれるように毎晩バットを抱きしめながら寝ていたり、とにかく甲子園に行きたくて行きたくてたまらなかった。

大学生のときは「学生コーチ」という立場で最後の1年に全力で挑み、徹底してチームを、そして自分を追い込みまくった。今でも覚えているのは大学4年生になる直前の愛媛キャンプ。選手にノックを打っていた僕は気合が入りすぎて、気合の足りない選手に対して怒鳴り声を上げ、その自分の怒鳴り声が怖すぎて自分自身が萎縮してしまい、ノックを打つために自分の右手でトスをする際にイップスに陥り、ノックを打てなくなった。(今振り返ると、気が狂っていたとしか言いようがない。自分の声に自分でビビって、イップスになったやつなんて自分以外絶対いないと思う笑)
それ以外にも、同級生をノックで追い込みすぎて過呼吸にさせてしまったり、選手に走らせるランメニューは自分で前の日に全部走ったりと、とにかく気合に満ち溢れまくっていた学生コーチだった。きっと選手(特に後輩)にとっては、かなり嫌な存在だったと思う。でも、まあそんなことも気にならないくらい「神宮に行って、日本一になりたい!」という思いが強すぎたのだ。

結果として、甲子園も神宮も行くことができなかったけど、今振り返るととても幸せな時間を過ごしていたなーと嬉しい気持ちになる。まさに青春を謳歌しまくっていたな、と。

起業家になった僕

そんな僕が、今は野球を一切断ち切って会社経営をしている。
2022年から始めたジーバーFOODという事業にどハマりしてしまい、新しい会社を立ち上げ、スタートアップ起業家の仲間入りもした。

実は僕は今、ジーバーFOODのために作った新しい会社(株式会社ジーバー)を上場させたいと思っていて、そのために日々奮闘中だ。投資家の方とも何度か面談させていただいたりもした。
その中である投資家さんから「何で永野さんは上場したいの?」と聞かれた。
その時にうまく答えられたかはあまり覚えていないのだけど、その後自分の中で考えを整理した僕は、上場したい理由は2つあると結論づけた。

①シニアがワクワクしながら活躍するということが当たり前の社会をつくるためには事業がスケールする必要がある。そのために上場した方が信頼度、認知度も高まり、スピード感も生まれると思うから。
②まだやったことないことへの知的好奇心。もしくは、自分でも上場できるということを世の中に示したいという承認欲求。

この2つの理由には自分もそれなりに腹落ちしていたが、ある時出会った上場経験のある方から「そんなの別に気にしなくていいと思うよ。理由なんて人それぞれで正解とか、不正解とかないから」と言っていただき、気持ちが凄く楽になったのが記憶に新しい。

まあ、そんなこんなで僕は株式会社ジーバーの上場を目指して、日々奮闘中なのだ。

昨日の夜

昨日、僕が今最も尊敬している先輩経営者の2人を引き合わせた。
2人とも僕がやっている事業には欠かせない人で、いつも僕を応援してくれている。その2人と今事業を共にしている何名かの仲間も含めてみんなで焼き鳥を食べ、2軒目のスナックでカラオケを歌った。
後半盛り上がりすぎて僕がなんかの歌を歌っているき(酔っててあんまり覚えてない笑)2人が僕を中心に肩を組んで一緒に歌ってくれた。
酔ってる僕は、なんだか嬉しくて涙が出てきそうになった。
そしてなぜだか、野球に夢中になっていた学生時代をふと思い出した。
そんなちょっと不思議な感覚を抱いた楽しい夜だった。

オススメで出てきた動画

そして今、僕は東京から仙台に向かって帰っている。
新幹線に乗るときに、何気なくインスタグラムを開いた。するとオススメの投稿で昨年の熱闘甲子園のプロモーションビデオが流れてきた。

Meta社のAIは、僕が昨日酔っ払って感じた不思議な感覚までをも察知して、この動画をオススメしてきたのだろうか。。。
いや、そんなはずはないが、たまたまにしてもタイミングが良すぎた。

この動画を見終わった後、なぜだか分からないが僕の中で衝撃が走った
「甲子園」ー「神宮」ー「上場」の3つが一本の線で完全に繋がったのだ。

あの頃「甲子園が全てじゃないよ」「神宮に行ったって、そのあとの就職ちゃんとできないと意味ないんだから」などのような最もっぽいことを言われていたとしても(いや、言われていたけど僕が気づかなかっただけかもしれない)僕は一切ブレることはなかったと思う。
そんな言葉が聞こえないくらい夢中になって駆け抜けていた。そこにいる仲間と、目標を目指してガムシャラに取り組んでいるその環境が、楽しくて楽しくて仕方なかったのだろう。

「上場」もまったく一緒だということに気がついた。
「上場はあくまで手段の一つ」「なんのために上場するのかが大事」
そんなことを言う人はよくいるし、ごもっともだと思う。でも、そんな声も聞こえなくなるくらい夢中になっちゃってるのが最近の僕だ。
昨日、肩を組みながら大声で歌を歌っていた時、きっとこの「夢中で駆け抜ける」感覚を改めて実感したんだろう。
意味なんかあとで考えたっていい。上場したことなんかないのに、した後のことを不安に感じたり、経験者の話を聞いて一喜一憂する必要はない。周りがどう思うかなんてどうでもいい。

夢中になろう。

甲子園に行きたくて行きたくてバットを抱えながら夢にまでみていたあの頃のように。
神宮に行きたくて行きたくて、自分のことも仲間のことも追い込みまくっていたあの頃のように。
「上場」カッコつけて言うと「IPO」

この言葉にもっと夢中になって仲間と一緒に駆け抜けちゃっていいんだ、と甲子園が教えてくれたような気がした。

こうなったらきっと、僕はもう止まらない。
駆け抜けよう!青春!


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