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6.名入れをなくす

しばらくここが更新されなかったのは、しばらく現地では解体工事が完了するまで行われ、それまで大きな動くはなかったからでした。先日、大好きなボールペンをめぐり、名入れをしたいともりあがり、色々あって・・・・・名入れってなんなのでしょうね。
これは2020年に開業する予定のD&DEPARTMENTの初のhotel project「d news」の記録です。

次に現場に行くのは11月5日から8日まで。今は完全に長坂常さんらスキーマのチームは建築の特に構造や外壁、2つの建築を結ぶそのやり方について図面を書きながら、現地では実際に工事は始まっている。

一方、僕らは中のこと。シーツの素材を選び、試作の寝間着を散々着て寝て、その感想を着々とアップデートしていく。先日はボールペン。
僕はパイロットの「Juice up」と言う種類のものを選んで、そのボディに書かれた商品名である「Juice up」を消して、いわゆる「名入れ」ができないか商品部に当たってもらっていましたが、なかなか取り合ってもらえません。こうなると次の候補にしようかと考えるのですが、次の候補は「丸鉛筆」僕としてdなので「ロングライフデザイン」的な商品から選び出したい。名前を入れると言うことは、どう言うことかを今更考え始める。鉛筆やボールペンにdの名前が入っているって、いわゆる「名入れ」で、それってなんなのか。そんなに自分たちの名前を入れたいのか、いや、そういうわけでもない。とはいえ、ブランド感はキリッと締まる。みたいな議論をしているわけです。とにかくJuice upにこだわっていました。書き味も申し分ない。デザインもされているけれど、どこか業務用っぽい。

一つ一つ、部屋に置くものをこうして選んでいく。そして、名前を入れるべきかなんて議論していく。Juice upはJuice upで何がいけないのか。そんな感じでスリッパも議論する。スリッパに名前を入れてどうするのか。寝間着に名前の入ったものを置いてるホテルは多い。あれは一体なにの意味があるのか。「私はこのホテルに泊まっている!!」と言う実感なのか・・・・。結局、僕は名前を入れていたものを一つ一つやめて行っている。dのホテルのようなものにすでに泊まっているのに、なぜ、その中で「d」と書く必要があるのだろう。

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それはずっと描いてきた「宿泊できるお店」であるd newsについての議論とも似てくる。この韓国チェジュ島のdは、1階が渋谷ヒカリエの実績を活用した「チェジュ島の食材を中心とした季節感を感じられる日本の定食スタイルの食堂」を作る。宿泊者にとってはここが食事の場所になる。2階はD&DEPARTMENT。ここではソウル、チェジュのものを中心にロングライフデザインなものを日本と同じように販売する。今回、日本の各店を長坂さんに見てもらい、什器などを整理。コンテナを使った僕らのスタイルを進化させた感じになっている。同じフロアにホテルのフロントがある。しかし、きっとここにきた人は、どこがフロントかわからないと思う。普通に見れば、たぶん「家具売り場」に見える。ここでは「ホテルのようなもの」を目指しているので、当然、レセプションの機能は完備しつつ、どこがそれなのか隠している。いろんな中古の家具の上でチェックインが行われるでしょう。

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