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d news その後

1年前、ふるさと「阿久比町」にd&departmentの新しいスタイル「d news」の国内1号店(韓国チェジュ島店が1号店)を作るためにクラウドファンディングをしました。ゴールは2020年12月25日。そして、今日、2021年12月25、26日の2日間で、ほぼ完成披露営業をクラウドファンディングで応援下さった皆さんと行いました。現状を見て頂く営業で、ついでにお買い物もして頂けるよう、準備をしました。

想像してみてください。

集まった「お客さん」は、みんな、この場所の誕生を願って行動をした人たち。

みんな同じ志しで、みんな同じ夢を抱いて、この時間、この同じ場所に集まっている。「阿久比町のための」「知多のための」場所を実現させた人たち。一見すると「お客さん」に見えるけれど、みんなみんな、仲間・・・・。

噺家の柳家花緑師匠は、一緒にやっている「d47落語会」で必ず始まる前に「スタンプラリー」と言う、握手会のようなことをやっている。
師匠曰く「最初に一人一人と知り合いになってしまえば、お客さんと言うより、ちょっと近い関係になれて、リラックスできる」とのこと。

店は「お客」と「店員」に分かれている。サービスは只であり、されて当然だとお客は思っている。店員がいくら「こんにとは」と声をかけても、ほとんどのお客さんは無視するように何も返してはくれない。

これはそれを象徴しているといつも思う。

ここに完全に2分された立ち位置があると、全ては「お客」と「店員」の立ち位置でことは進んでいく。「客」として不愉快なことがあれば、「店員」にクレームをいってもいい、と、お客になった人は思う。

この関係がある限り、店はちっとも面白くならない。新しいことに挑めないし、お客も面白い店側のチャレンジングなことに出会えない。

店が客を怖がり始めたら、その店は死んだようにモノをただ、売る店になり、どんどんシステマチックになり、お客である人を「人」と扱わなくなる。マニュアルが生まれ、接触がなくなり、ロボット化していく。

文句のつけようがない、無人販売のようになっていく。僕は世の中がどんどんそんな風になっていくように見えて、路面店の可能性について考えるようになり、ついに、自分で接客したくなってきた。それが「d news」の始まりであり、今、僕の目の前には多くの「お客さんのような仲間」たちがいる。

これほどの奇跡はないし、これほど幸せな状態はないと、思う。

お客様は決して神様ではない。50パーセントはお客さんのための場所であるけれど、残り50パーセントは、僕の場所である。

それを実現するには、「お互いの理解」が必要であり、「店を良くしよう」「この場所を使って町を良くしていこう」と言う共通のビジョンが必要で、そのための衝突ならば、いくらでもやりたいが、「俺は客だぞ」という人は、ここには必要ないと、思っている。


2日間、スタッフの坂田と昼ごはんも食べずに店頭にいた。

「昼ごはん食べたいな」なんて、全く思っていないまま、楽しく幸せなプレオープンは16時で終了し、今、僕は隣町に借りたアパートでこれを書いている。

忘れないうちに。きてくださった「お客のような仲間」の皆さんのことを思い出しながら。


次は来年、2022年の1月7日から同じように、クラウドファンディングして下さった方々にのみ、店を開け、徐々にみんなと本営業の準備を進めていく。クラファンしてくださったみんなからの資金を使っているのだから、みんなと本オープンの2月中旬を目指したい。

クラファンしてくださった700名近いみんなと、店の最終調整をしていく。こんなに楽しい開業準備は初めてです。幸せです。頑張ります。頑張りましょう。

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ロングセラー「ナガオカケンメイの考え」の続編として、未だ、怒り続けているデザイナー、ナガオカケンメイの日記です。

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