歯茎

もうひとつのデザイン vol.327

みんなでお金を出し合い、雑誌を作る。


今、2冊の雑誌をこれからのマーケットを意識しながら作っています。簡単に言うと「自分たちが必要だと思う雑誌を、みんなでお金を出し合って作る」というものです。

40年前の雑誌全盛期。今のようなネット社会、SNS時代になる前の、情報は具体的にカフェやクラブ、そして、雑誌やテレビを見ないと入手できなかった時代と今はまるっきり変わりました。

僕の関心のマーケット「ロングライフデザイン」(長く続いている素晴らしいことは、個性であり、差別化であり、新しいものを作り出すための種」について、僕はこれを"街"のように考えています。そして、僕はそこに住んでいます。


ここに同じく暮らしているロングセラー商品を持つメーカーの多くは、そんな40年前に"モノマガジン"や"暮らしの手帖"などのマスメディアによって、広く紹介され、時々、流行となり地位を確立していました。しかし、今は違います。そして、多くのメーカーはそれにまるで気づいていないような、何もしていない(とは、言いませんが・・・・・・)に近い状態だと、思います。

最近、世界的に有名(な、はずの)な、Yチェアやロングセラー商品でさえ、雑誌広告を打っています。あの「柿の種」(お菓子)でさえ、テレビCMを打っている。つまり、それを知らない新世代が生まれ、それを「有名だから誰でも知っている」と思い込んでいる人々は、世の中から徐々にいなくなっている。今、まさに、そんな「有名」だった「ロングセラー」たちの生き残りの瀬戸際であると、感じるのです。

自分がブランディングディレクターをしている愛知県の木工家具大手の「カリモク」から生まれた「カリモク60」というブランドも、2000年初期にデビューし、その後の「復刻ブーム」「カフェブーム」「おうちカフェブーム」「家具ブーム」などで、雑誌、テレビなどで特集を組まれ、多くの人の目にとまり、大変売り上げを伸ばしました。ここで超有名人になったのです。

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