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Moment 2023 聴講記録(1)

ここ数年で一番の素晴らしいカンファレンスに参加することができた。参加後、このチャンスが広がっている世界で何もせずにいていいのかという焦りと不安に襲われ、何かを始めてみたくなった。不思議なことに、それは「俺も何かやってやろう」という始めの一歩を踏み出すような前向きな感覚ではなく「このまま死んでいくような人生でいいのか」という背後から出てきた焦燥感に突き動かされた感覚だった。

取り急ぎ、1日目の西村経産大臣のキーノートと、WiLの伊佐山CEOのキーノートのメモ書きを記しておきたい。

※発言をそのままテイクノートしたわけではなく、一部私の意訳がある点はご了承ください。

オープニングスピーチ #1 ・Speaker: 西村 康稔, 経済産業大臣

  • 今年の1月、ラスベガスで毎年開催されるCESを訪問し、世界各国のスタートアップがこぞって自社のプロダクトをPRし、アニマルスピリッツを存分に発揮している姿を見た。

  • その際、ベン・ホロウィッツ氏とお話をする機会があり、面談後、ぜひ日本に来てほしいことを伝えた。その甲斐もあって、ベン・ホロウィッツ氏の来日を契機として今般7年ぶりのMomentを開催することができた。

  • 本日お伝えしたいことは以下3点である。

①Signs of Change(日本の変化の兆し)

  • つい最近まで、日本では終身雇用が前提であったが、最近では大卒で入った新入社員の3割が3年以内に転職する。その中にはSDGsに共感し、インパクト関連スタートアップに行く人もいる。

  • また、別の会社でキャリアアップをする人もいる。人生も発想も多様化している。

  • 大企業も変化している。世の中の動きが速くなっている中、意思決定のスピードの速さを求められている。内部留保を活用した攻めの投資が求められる。変化が激しい中でのGX, DXへの対応も求められる。そしてスタートアップとの連携も活発になっている。

  • 日本社会の良さは治安の良さ、おもてなしの心、勤勉性等である。一方で中年男性中心の社会で内輪の論理が優先されている風潮がまだある。新たな目線、新たな活動を通じた新たな発想でフロンティアを切り開いて欲しい。

  • 安定性のある中で躍動感のある国家を目指したい。

②Be Brave(勇気をもって飛び出せ、はみ出せ)

  • 人生もキャリアも多様化している。周りの価値観や同調圧力に流されず、自分を信じて起業等の挑戦をしてほしい。最大限アニマルスピリッツを発揮してほしい。

  • そして失敗を許容する社会を作り上げたいと考えている。

③Go Global(世界へ羽ばたけ)

  • 日本には各界にグローバルで戦える優種なプレイヤーが多くいる。

  • スタートアップの皆さんは、日本国内のスモールサクセスを狙うのではなく、ぜひ世界に飛び出してほしい。

  • 世界に飛び出し、出来る限り若いころから他流試合を行って欲しい。道場破りのような形で他流試合を行い、経験を積んで行って欲しい。

  • これまで経産省は「始動」プログラムを通じて100人超のアントレプレナーをシリコンバレーに派遣してきたが、今後は世界に1,000人を派遣する。

  • アンドリーセン・ホロウィッツにも人材を派遣するし、シンガポール、アジア、フィンランドにVCを派遣していく。

  • 秋にはシリコンバレーに経産省のイノベーション拠点を開設し、シリコンバレーと投資家をつなぐ結節点を作る。(https://www.meti.go.jp/press/2023/09/20230915003/20230915003.html

  • 最後に。日本にライフサイエンス、核融合、5G等の世界をリードできる技術がある。皆様の取り組みについて大いに応援しながら、失敗してもやり直せるインクルーシブな社会にしていきたいと思う。

  • 本日は、大きなイノベーションを起こすきっかけとなる一日にしてほしい。

オープニングスピーチ #2 ・Speaker: 伊佐山 元, WiL

  • はじめに、このMomentという言葉に込めた意味を説明したい。これは自分自身がシリコンバレーに始めて住んだ際に感じた「たった一回の出会いが人生を変える」という経験に基づくものである。

  • 今、世界では何が起きているか。簡潔に言うと、2020年以降、世界は毎年と言っていいほど危機に見舞われている。

  • 2020年のコロナ危機に始まり、2021年はヘルスケア/メンタル面での危機、2022年はウクライナ危機によるエネルギー・安全保障・インフレ上の危機が発生、2023年はインフレおよび金利上昇に伴うシリコンバレーバンクの破綻と、その後の米国地銀の金融危機に見舞われた。

  • 2024年はまた別の危機が起こるかもしれないし、もしかしたら何も起こらないかもしれない。

  • ただし、歴史的には多くの危機がイノベーションを加速化してきた。

  • 現在では新しい技術が社会を変えている。Zoom、OpenAI(2か月で1億人のユーザーを獲得。インターネットが1億人のユーザーになったのは6,7年)などの新しい技術が一気に普及し世の中をを変えようとしている。

  • 特にAI技術については、ついに本格的な社会実行がなされる気配すら感じている。

  • このような大きな変化の予兆が見られる中、この変化の傍観者でいるのか、当事者でいるのか(今こそ動くべきとき)。



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