「サッカーマガジン」のWebサイトがダメになっていく…。(2007/9/19付)

記事の初公開日:2007年 09月 19日

仕事柄、Webサイトにアクセスすることが日常化している。
そんな中で、最近感じることは、サイトが豪華になる反面、本来の基本的な情報への気配りが薄れてきているサイトがでてきているということ。

たとえば、雑誌「週間サッカーマガジン」のサイトが、今年の5月15日から大々的なリニューアルをした。「」Webサッカーマガジンと銘打って、盛りだくさんなコンテンツがぶちこまれだした。
もともと、「サッカーマガジン」のサイトに定期的にアクセスしていたのは、翌週の「サッカーマガジン」など出版される雑誌の目次を見ることが第一の目的。それを見ながら、時々千野圭一氏のコラムが更新されていれば、それを読んでいた。
サイトのリニューアル前までは、翌週号の表紙と目次のアップは、日曜日の午後から夜にかけてだった。それが、リニューアル後、日曜日に更新されることはなくなり、月曜日の午前10時以降になっていった。それも少しづつ遅くなっていっている。

対抗誌「週間サッカーダイジェスト」のほうは、以前から月曜日の更新のまま。
「ダイジェスト」の目次は画像ではいっているので、文字が小さくて見えにくいのに拡大ができないという不自由があるままだ。
「ダイジェスト」は、「マガジン」のリニューアル前は、「マガジン」より更新が1日遅かったのだが、マガジンリニューアル後は、マガジンの更新日が1日遅れになったため、結果同日に更新となっている。

そして、ついに「マガジン」と「ダイジェスト」の更新の早さが逆転した。
「マガジン」も「ダイジェスト」も通常水曜日発行、地方は木曜日発行。連休を挟むと1日くりさがるのかな?
9月の3連休(15日土曜日、16日日曜日、17日月曜日)後に発行される10月2日号の表紙と目次の更新がどちらもなかなかなされなかった。
「ダイジェスト」の10月2日号分の更新は、18日午後以降だった。そして、「マガジン」のほうはというと18日には更新されないままだ。今回がいつものように水曜日発売なら、次週号の予告が発売日まで発表されなかったことになる。

やっと更新されたのが19日午前。さすがに、朝10時ごろには更新されていたが、なんと大きなミスがあった。トップページに掲載されている表紙の写真が前号のまま。(このサイトに掲載している写真は19日午前11時にスクリーンショットを取ったもの。「どうなるニッポン」というほうが、サイトトップに掲載されたものだが、これは前週号の表紙。画像の下には10月2日号と書かれているので明らかな間違い。

松井選手表紙の写真が10月2日号の表紙。トップページをクリックするとこのページにリンクされている。)

「サッカーマガジン」のサイトは、「Webサッカーマガジン」と、雑誌とは別物であるとのコンセプトかもしれないが、今のところは、もっとも大事な情報は、収入源である雑誌のPRであることはまちがいないはず。それが、どんどん劣化していっているのは、なぜなのだろう。

思うに、サイトの運営を別会社や広告代理店に丸投げしているのではないだろうか。
これまでは、自社内や担当者がこつこつやっていたものを他に渡した後、チェックしてないのではないかな。サイト専門業者や広告代理店はPRの専門だから、餅は餅屋と、安心して渡したままにしているのではないだろうか。サイトへのメールも、丸投げの会社がチェックするようになれば、サイト運営に関する耳の痛いメールは、雑誌編集デスクに届かないかもしれない。

Webサイトやブログによる情報発信が日常化してきているいま、情報の発信者とサイトの運営者が別というケースはあたりまえのようになってきている。
専門にまかせるというのは正しい発想だけど、情報の中身や発信の時を決めるのは発信者でなければならないし、サイト掲載の情報は発信者が本当に表現したいという気持ちがないとつづかない。製作会社や広告代理店のアドバイスが正しいとはかぎらない。特に広告代理店はWebに関しては後発の世界だ。というより、Webが登場したころ、これは役に立たないと言って、企業のWeb戦略の足を引っ張っていた世界。なぜなら、当時の代理店はTVと印刷媒体が中心で、PRが安価にできるWebでは客先から高い広告料が取れないという理由からWebの営業に消極的だった。

情報発信は発信者の主体性が、情報の魅力を大きく左右する。
サッカーマガジン編集部さんも、雑誌サッカーマガジンを止めてWebサイトで有料Webマガジンとしてのサッカーマガジン発売に踏み切るには、まだ時間がかかりそう。そうであるなら、雑誌読者への次週号のお知らせというサービスの質の低下が起こっていることに目を向けて、リニューアル以前の情報の質(更新の早さも質のひとつ)にまで戻してほしいと思う。
いまの「Webサッカーマガジン」では、パッケージと栞だけが豪華になったみやげ物みたいで、賞味期限切れが心配になってくる。

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