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旅の話.58 ティベリア③

ユダヤ人への興味

今さらだけど、なぜイスラエルを旅しようと思ったのか。
ユダヤ系の人々の中に“天才”が多いと知って興味を持ったからだ。
最初は、映画監督のスティーブン・スピルバーグだった。
次に、天才物理学者アルバート・アインシュタイン。

①信仰のない科学は不完全だ。科学のない信仰は盲目だ。
②重要なのは、疑問を持ち続けること。知的好奇心は、それ自体に存在意義があるものだ。
③神は絶対にサイコロを振らない。

アインシュタインの名言で、特に好きなのがこの3つ。

子供の頃、お化けや幽霊が本気で怖かった。
あまりにも怖いので、ストックホルム症候群のように、自分から距離を詰め、無意識的に好きになろうとしたんだと思う。ホラーやオカルトに興味を持った時期もあった。しかしその後、それらを科学的に検証する事や、検証したけど解明できなかった事の方に、もっと強く興味を持った。

第六感や精神世界は、証明できないけどあると思う。
科学はどんどん進歩し、最近になって植物同士も意思を伝達し合っている事がわかった。フェロモンが匂い物質だとわかったのも、わりと最近だ。
温度や湿度、気圧や風向き、月の満ち欠けなど、極わずかな差異によって変わる結果もあると思う。バタフライ効果のように。
結果には原因があり、その原因にも原因がある。その原因が何かを完璧に知る事は不可能に近いのかも知れないけど、知る努力は大切だ。

「感性の基本は差異に気づく事だ」と、昔誰かが言っていた。
料理や芸術作品など、似たようなものは数あれ、やはり僅かの差で優劣がついてしまう。その差は何かを考えるのが面白い。
当然、個人的な好き嫌いはあるが、プロ意識を持って、試行錯誤して、感性を磨く努力をする事には、高い価値があると思う。

「神は絶対にサイコロをふらない」の意味は、
よい結果が出ても、それが偶然なら長くは続かない。
努力して得た結果にしか、本当の価値はない。
という事だと、僕は解釈している。


シュワルマ

いつもファラフェルばかり食べているけど、何度かシュワルマも食べた。
シュワルマは、トルコのドネルケバブと同じ料理だと思うけど、串に巻きつけた肉が回転しながら焼かれていて、焼けた表面をナイフで削り取って、野菜と一緒にピタにはさんで食べるやつだ。ファラフェルより高いので、僕にとっては贅沢品だった。

この店のファラフェルは、自分で好きな具を自由に詰められる。


ガリラヤ湖でコイバナ

街から近い湖のビーチは、有料で綺麗に管理されていた。
少し離れた所に無料のビーチもあったが、草木がぼーぼー、岩がごつごつ、何か変なニオイもするので、安心と安全のため、有料を選んだ。
15NIS(450円程)だった。
パトリックの療養も兼ねて、2日程ビーチでのんびり過ごした。
唐突に「結婚したいか?」と聞いてきた。
当時23歳の僕は、漠然といつかは結婚するんだろうな~とは思っていたが、具体的に考えたことはなかった。
何でそんな事を聞くのかと、聞いてみると、
「恋人を作る事は、難しい事だ……」とつぶやいた。
なんだかセンチメンタルな気分なようだった。
「some girl is stupide, some girl is ugly.」
と言うので、彼は理想が高いのかも知れない。
帰国後、10ヶ月の兵役があるとも言っていた。
そして、実はアメリカで出会った女の子の事をずっと想い続けていると教えてくれた。そりゃ切ないよね。

つづく


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