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「週刊金曜日」2022年11月4日号に閻連科『太陽が死んだ日』(泉京鹿・谷川毅訳、河出書房新社)の書評を書きました。

閻連科ファン待望の『日熄』の邦訳です。中国の山奥で夢遊病が蔓延した。夢に取り憑かれた村人達による、盗むわ、殺すわ、姦淫するわの狂騒劇。秩序を失った欲深き人民同士の虐殺を描くことで人間社会を批判する大作です。

人間の貪欲さ対するアイロニーが波打つ作品なんですけど、僕は革命と戦争の記憶が物語の源泉にある小説なんじゃないかなと読んで、書評にはそう書きました。ちなみに閻連科本人が登場人物として出てきて、彼の過去の作品(架空のも)もふんだんに使われる重層的な小説だったりもします。

ちなみに閻連科の作品では毎度おなじみなんですが、これも中国では発禁になった小説であって、閻連科がノーベル賞とったら中国政府はどうすんのかな。

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