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今、飛騨市が面白い アナログとデジタルが絡み合う街の魅力を感じてきた

岐阜県飛騨市の取り組みについては、なんとなーくは、これまでも耳に入っていた記憶があります。
ただ、あまりイメージが湧いていなかった。

7月26日、このオンラインイベントに参加し、「これは面白い。しかも、行かないとその魅力は分からなさそうだ」と感じ、日程調整に入りました。

どうせ行くなら、何かのイベントに合わせて行った方が良い。
そこで、前述のイベントで、登壇者である上田さんからご紹介のあった9月16日土曜開催の「飛騨古川地域らしさ探し2023夏」に合わせて行くことにしました。

ただ、東京から飛騨はなかなかに遠い。
金曜の夕方まで本業の仕事があったので、それが終わってから向かうスケジュールを考えると、ひとまず金曜は名古屋まで行き、翌朝、イベント開始時刻には間に合わないけれど、特急ひだ3号で飛騨古川まで行くのが良さそうだ、と分かりました。

名古屋駅の自販機では特急ひだの指定席が買えない、というトラップが

当日、まさかの大雨で東京駅発の東海道新幹線が81分遅れるアクシデントがありましたが、何とか名古屋泊を挟み、無事に飛騨市に着きました。

飛騨古川駅

参加して一番に感じたのは、参加者の皆さんがみんな楽しそう!

そういうイベントはまず「うまくいっている」と思って間違いないので、「期待した通り、今回の飛騨市訪問で学べることも多そうだぞ」という思いが膨らんできました。

車でも鉄道でも名古屋から飛騨にはルートがあって、愛知県からの参加者の皆さんが結構いらっしゃるのも印象的でした(なお、特急ひだは名古屋と富山を結ぶので、富山からいらしている人もいました。飛騨市の方は、映画を見に行くなど「ちょっと街で遊びたい」と思ったら富山に行くし、海産物も富山から来ているそうです)。

交流会には海産物も

「飛騨古川地域らしさ探し2023夏」の後、夜は交流会という名の飲み会へ。

飛騨市の取り組みが面白い理由として、飛騨信用組合のさるぼぼコインと、飛騨市ファンクラブ、および「ヒダスケ!」の仕組みが一種のエコシステムを形成していることにあるのだろう、と思っていました。

今回、交流会で参加者の方々と話してみると、これらの仕組みがうまく機能していることはもちろんなのだけれど、どうやらそれだけが理由というわけでもなさそうだ、ということも見えてきました。

参加者の皆さんに、参加理由を聞いて回ったのですが、ある方がおっしゃっていて、「これが本質だな」と思ったのは、「地元を含む参加者の皆さんとの交流が楽しいから、3時間かけて草刈りに来る」ということ。

オカエシのさるぼぼコインは、地元のお土産を買うのには確かに使うのだけれど、あくまでもおまけ程度の認識。
県外から飛騨市に移住してきた人もいるのだけれど、この「ヒダスケ!」などのイベントが、地元民と移住者と関係人口とを繋ぐ場になっている。

ああ、なるほど。
私が長野県千曲市のワーケーションに度々行くのも、地元の方々、東京からの参加者の皆さんたちとの継続的な交流が楽しいから。
結局は、「人」なんだな、と改めて思いました。

その上で、飛騨市にはテクノロジーのサポートがある。
さるぼぼコインアプリもそうだし、街歩きイベントで活用した「Epicollect5」というアプリ、および、Epicollect5で参加者たちが撮影した街並みの写真をまとめた「飛騨スタグラム」の仕組みもそう。

千曲市にも「温泉MaaS」というテクノロジーが使われているのですが、アナログな人間同士の交流にプラスして、テクノロジーのサポートが一つのスパイスになっている。

飛騨市と同じことが別の自治体で横展開できるか、と言われると、そう簡単ではないように思います。

そこに集う人たち、飛騨市役所の皆さんたちの魅力という属人的な要素も大きいと思います。

けど、基本は、「人」であり、「交流の場づくり」であり、新規を増やしつつもリピーターも楽しめる弛まなき工夫の積み重ねなのだ、ということを痛感しました。

交流会の開催された克己

そして、飛騨市滞在2日目。
「国史跡・国名勝の江馬氏館跡で一緒にお堀を直そう!」の「ヒダスケ!」に参加いたしました。

簡単に言えば、壊れてきた堀の土塗りをするお手伝いなのですが、みんなで作業すると楽。
学芸員の方から江馬氏館の話を聞きながらお弁当を食べると楽しい、というイベントなのですが、こういう歴史施設って、使われてナンボだと思うんですね。
この日は敷地内でオクトーバーフェストも開催されて、大変賑わっていました。

オクトーバーフェストも開催中

行政の様々な予算が減らされていっている中、身近に触れていないと、地元の方にとっても「この施設、意味あるの?」となってしまいますが、こうして楽しみながら史跡に触れると、愛着も湧きますよね。

江馬館の庭を臨む

この日は、城マニアの人たちもいらしていて、城マニアからすると、合法的に堀に降りることができて作業できるのは、極めて「うらやましい」ことなのだそうです。

修復した堀

こういうの、私が「カフェときどき」をやっている栃木県日光市をはじめ、各地で試してみると面白いかもしれない。

いろんなヒントをいただきました。

なお、飛騨市には、東京などでお知り合いになった方がたまたまお二人、移住しているのですが、3人でお会いしました。
人の縁の不思議さを感じるとともに、それだけ飛騨市が魅力的なのだ、と再認識しました。

飛騨市の夕暮れ

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