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先のことを考えよう

今回の「小金井市立保育園廃止処分取消等請求事件」において、いわゆる市立保育園の「廃園条例」については、一部の議員が市の対応を批判しているものの、そもそも今回の問題は、一昨年の12月に新しい市長が提案した「廃園条例の廃止条例案」を議会が否決したことに端を発していることから、今回の判決を受けて市議会として(会派単位でも)発信、あるいは表明すべきだということはSNSでも発信しました。

一部の議員は、裁判で条例が違法・無効と判断されたのだから、市長は即刻廃園条例が無効であることを前提に募集事務を再開するべきだとの主張です。これに対して、市長は市長報告の中でも「…判断を重く受けとめ、直ちに是正する必要がある…」、「…専決処分は違法との判断を市長として重く受けとめ、判決を尊重したい…」とし、また、市長報告の質疑の中でも現状は「…非常に不安的な状況であり、早急に条例を改正すべき…」なので「あり方をしっかりと検討したい」だが、「しばらくは不安定な状況が続く」と述べました。

確かに歯切れのいい言葉ではないかもしれません。でも、市長の言葉は、そうしたいのはやまやまだが、条例はそのままだし、そもそも受け入れ体制がすぐに取れる状況にもない。今後についてはしっかりと議会とも話をして、あらためて考えていきたい」と言っているように私は思います。実は市長に意見を述べている一部の議員の側と市長の側に方向性の差はそれほどないのではないでしょうか。

だからこそ今は、行政側だけに任せる(追求する)だけでなく、議会の側からも発信し、議論していくことが求められているのだと思います。

ここで、思い出します。2015年小金井市の公設学童保育所は、5所が民間委託(公設民営)されました。2010年に提案された民間委託のときとは違い、もちろん一部の議員の反対はありましたが、おおむねそれほど紛糾せずに委託は進みました。

私は委託には反対ではありましたが、やむを得ないのであれば、委託後の小金井市の優れた学童保育運営を守り、発展できる委託先に任せることが将来の子どもたちを守るために絶対に必要なことだと思い、独自に委託先の募集に応じてくれそうで、かつ小金井の学童保育の良さを継承してくれそうな社会福祉法人に声を掛け、応募してもらい、その社会福祉法人が受託することができました(応募してもらっただけで受託はその事業者の実力で勝ち取ったことはもちろんです)。現在も一定の評価は得ていると聞きます。そのときも、議員の方々も委託が決まった後のことについては無関心だったように記憶しています。

(委託の次の年にさらわび学童を受注した1社が運営困難となり、次年度の受託を辞退する事件がありました)

今すぐ「白黒」の決断を求めることは、分かりやすいので、そこに目が行きがちではあります。しかし、行政、そして議会においては、今の現状をよく把握して、この先の子どもたちにとって、そして保護者、市民にとって何が一番いいのか、どうしたら現状を打開できるかについて真剣に考えてください。そして、特にまだ一切見解を(少なくとも市民に対しては)発信していない、「廃園条例の廃止条例」を否決した議員の方々(会派)におかれましても、分かりやすい説明と発信をお願いしたいと思っています。



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