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Bing Image Creatorでキャラクターが佇む遠景っぽい画像を生成する方法全解説

はじめに

Bing Image Creator はMicrosoftのアカウントさえあれば、Webやスマホのアプリで簡単に画像が生成できて、とても手軽に画像生成AIに触れられます。
Stable Diffusionなどのようにモデルの選択はできませんし、ネガティブプロンプトも使えませんが、手軽なので誰でも楽しめて、ジェネレーティブAIの入り口として良いのではないかと思っています。

今回は、私がBing Image Creatorをこれまで実際に使用してきた中で、いい感じだったプロンプトを紹介する目的で記事を書きました。ただプロンプトを羅列するだけでなく、応用が効くよう、ステップ分けして解説しています。読んだ人が今後 Bing Image Creatorで、より自由に、意図した画像が作れるようになれたら幸いです。

一応、いくらかのリソースを割いて見つけたノウハウと記事なので恐縮ですが今回の記事は有料にしてみました。リアクションなどを見ながら今後のことも考えたいと思いますが、興味を持っていただけましたら幸いです。
今回は無料公開に切り替えました。(2023.04.06 17:55追記)

今回の記事では以下の画像の生成について解説しています。

「キャラクターが佇む遠景っぽい画像」をする方法を解説しています。多くが背中側にカメラがあるようなバックショットの構図となります。雰囲気の良い写真が作りやすく、顔や手などAIでの生成だと比較的崩壊しやすかったり、好みが分かれがちな部分を厳選する必要性が減るので、雰囲気の良い画像を比較的手軽に生成することができます。

以下は、記事の中では具体的な解説はしていませんが、有料部分を閲覧いただければノウハウの流用でこのような画像も生成できると思います


今回使用した基本となるプロンプトの解説

今回作成している遠景っぽい画像でベースとなる指示は以下の2つです。これを併用することにより高確率で遠くまで見渡すような風景の画像となります。
landscape photography(風景写真)
distant view(遠景)
これをベースに、次からプロンプトを追加しながら制作ステップを見ていきましょう。

遠景の生成

landscape photography , distant view

まずは先ほどの2つを入れて生成してみると、このような風景画像になります。ここに画風やタッチの指定を加えます。私の場合は、
official art ,anime
でタッチの指定をしました。

画風・タッチの指定

official art ,anime , landscape photography , distant view

だいぶそれっぽくなりました。次にキャラクターを描きたい場合に主となるモデルをプロンプトに加えます。今回は、
school girl (学生の少女)
としましょう。可愛い女の子を描きたいところです。Bingは単語の順序も優先度に関わるようなので、対象の優先度が下がりすぎないように、タッチの次ぐらいに入れておくと安定するように思います。

配置するモデルの指定

official art ,anime , school girl , landscape photography , distant view

landscape photography , distant view の併用の効果がキャラクターにも作用してきます。上記のパターンで実際に生成してみるとわかりますが、キャラクターが背景と一体化して、風景を眺めている画像が生成できます。基本的なプロンプトはもうここまでのものでほぼOKです。この先は自分の好みで味付けしていく作業になります。
例えば、女の子を座らせて、光の表現ももうちょっと入れてみましょう。

演出・要素・味付けの追加

official art ,anime , school girl , sit down, landscape photography , distant view , crepuscular rays

sit down(座る)
crepuscular rays(いわゆる「天使のはしご」)
を加えてみます。画像生成なので当然ランダム性はありますが、だいぶ意図した通りのコントロールができているのではないでしょうか。
ただ、まだ画面がちょっと寂しいですね。もうちょっと味付けしてみましょう。
salute (敬礼のポーズ)
birds fly in the sky(空には鳥が飛ぶ)
を加えてみましょう。

また、ここまでステップに倣って実際に生成してみている方は気づいているかもしれませんが、
school girl , landscape photography , distant view , 
によって「景色の中に佇む制服の女の子」にはなるのですが、これらを併用している弊害(?)があります。キャラクターが画面の奥側を見ている構図が確定するために、制服の前後が逆に描かれてしまう事が割と起こってしまうのです。
これに対して、例えば私の場合は小物として rucksack(リュックサック)を加えるという方法をとりました。小物の優先度はポージングよりも低めで一番後ろに加えてみています。この辺は絶対に必要なノウハウではないですが描いている対象次第で工夫してみるのも良いと思います。

official art ,anime , school girl , salute , sit down , landscape photography , distant view , crepuscular rays , birds fly in the sky , rucksack

画面の要素が増えてだいぶいい感じなってきました。
敬礼は後ろ向きの構図と組み合わせると手をかざして遠くを眺めているような演出に流用できます(手が後頭部に来ちゃうこともありますが)。単語の意味に捉われすぎずに実行した時にどういう絵になるかを考えると表現の幅が広がるかもしれません。

味変の具体例を一気に紹介

さて、大まかな考え方や、要素・味付けの追加の考え方はここまででだいぶ伝わっているんじゃないかと思います。基本的には足し算の考え方で、いくのが意図した生成に近づくポイントだと私は思います。
一気に完成図のイメージでワードや要素を羅列してしまうのではなく、1ワードずつ加えていくぐらいのつもりで、効果がないワード・意図と異なるワードは都度しっかり除外しながら生成するのが、自分の中にノウハウもたまり、有用ワードも選定していけるのでオススメです。
では次からは具体例です。

異世界の月と空を見上げる制服の少女

official art ,anime , school girl , landscape photography , distant view , moon ,fantasy world , strong luminescence

加えているのは、
moon(月)
fantasy world(ファンタジー世界)
strong luminescence(強い発光)
ですね。fantasy worldはこの絵ではそれほど活きていませんが、ファンタジーっぽい街などが遠くに生成されたり景色の中にファンタジー要素のある演出が加えられる事があります。strong luminescenceは画面奥側から強い光が差し込むような演出になります。昼の景色であれば太陽の光が強く差し込むような絵が高確率で生成されます。ふわっとした絵にしたい場合は使えませんが、印象的な絵を作る際には有用なので覚えておくと良いかもしれません。

崩壊して蔦の絡みつくビル群を眺める2人の少女

official art ,anime , 2 girl , back to back , sit down , rucksack , landscape photography , distant view , Collapsed city, thin ivy entwined with buildings

モデルを
2 girl(女の子2人)にしたうえで、
back to back (背中合わせ)
sit down (座っている)
rucksack(リュックサック)
でキャラクターの指示をしています。奥を見る構図になるので完全な背中合わせにはなりませんがそこそこ効いているようです。さらに景色を具体的に指示しました。
Collapsed city(崩壊した街)
thin ivy entwined with buildings(ビル群に絡みつく細い蔦)
という感じです。背景の具体的な指定をすることで世界観やシチュエーションを大きく変える事ができるので、この辺も色々と試行錯誤してみると楽しいかもしれません。

世界樹の元へ辿り着いたエルフ

official art ,anime , girl , elf , world tree , landscape photography , distant view , fantasy world , crepuscular rays ,take a picture looking up

加えた要素としては、
elf(エルフ種族)
world tree(世界樹)
take a picture looking up(見上げて写真を撮る)
としました。それ以外はすでに紹介済みの
fantasy world , crepuscular rays を使用しています。
女性をエルフにしたかったのでエルフを入れましたがあまり画面には反映されていませんが、仕上がりは綺麗になったので良しとしましょう。視点や構図の指定(今回だとtake a picture looking up)は、モデルや背景によってはうまくいかないこともあるので、この辺は相性をみながらコントロールする必要があります。例えば、Taken from far above(上空から撮る)などは効果はあっても、パースが狂ったりしやすいので扱いが難しいように感じています。有用なワードが何かメモしながら蓄積すると良いのではないでしょうか。

異世界で竜と邂逅する少女

official art ,anime , girl , disheveled hair , Dragon , landscape photography , distant view , fantasy world , crepuscular rays , strong luminescence

加えた要素としては、
disheveled hair(乱れた髪)
dragon(ドラゴン)
と、すでに紹介済みのfantasy world , crepuscular rays , strong luminescence を使用しています。disheveled hairは風が吹いている演出のために入れました。strong wind(強風)でも髪が乱れたりしますが、風を表現するためか、画面内に風でなびいている謎の布が追加生成されてしまう事が多いので、今回は使用を避けました。
キャラクターが複数(今回は少女とドラゴン)いる場合、プロンプトの順序が重要になります。このプロンプトだとドラゴンをかなり上位に配置していますが、プロンプトの中で最後のほうに移動してみると、画面内でのドラゴンの比率や優先度が下がっていきます。この辺も調整の余地として検討してみてください。

最後に

今回の記事は以上となります。お役に立ったでしょうか。
もしお役に立ちましたら記事のスキ、noteのフォロー、Twitterでの記事紹介、などしていただけましたら今後の励みになります。
またBing ImageCreatorについては記事にしようと思います。
今後ともよろしくお願します。

MidJourneyでもできる!(2023/5/13追記)

上記でBing Image Creatorのためのプロンプトとして紹介した上記の画像作成方法ですが、Midjourneyでも同じようにできた!との連絡をいただきました。

情報をくれたのは、「Toshimaruちゃん」さんです。

実際にMidjourneyで作成した画像も見せてもらえました。掲載許可もいただいたのでそれもあわせて紹介したいと思います。

「Toshimaruちゃん」さんがMidjourneyで生成したイラスト
「Toshimaruちゃん」さんがMidjourneyで生成したイラスト
「Toshimaruちゃん」さんがMidjourneyで生成したイラスト

Midjourneyでもバックショットの遠景画像がいい感じでできていますね!記事のプロンプトを利用すればこの系統の画像の生成は比較的容易に再現できると思います。
また、Bing Image Creatorであれば、この追記を書いている現在は日本語プロンプトも利用できるようになりました。記事で紹介したプロンプトを英語でそのまま利用して、味付けの部分だけ日本語で加えても問題なく動作しますので、よかったら色々試して画像生成に触れて楽しんでいただけたら幸いです。

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