将来「YouTuberになりたい」と言う子に対して


YouTuberになりたい!

ある日の休み時間、数名のクラスの子と将来の夢について話していた。

その中の1人が、

「YouTuberになりたい」

と言った。
どのくらいの熱意で言ったものか分からなかったのと休み時間の他愛もない会話だったので

「いい夢だね。なれるといいね。」

とだけ返した。

その後、「YouTuberになりたい。」というその子の言葉が妙に頭に残った。

「YouTuberになりたい」
という言葉に違和感があったからだ。

今回のnoteではその違和感について書いてみようと思う。


YouTuberは市場(カテゴリ)の一つ

そもそも、子どもたちが何かに憧れ、「なりたい!」と思うことは素晴らしいことだ。

プロ野球選手になりたい。
サッカー選手になりたい。
パティシエになりたい。
ケーキ屋さんになりたい。
小説家になりたい。
評論家になりたい。
警察官になりたい。

自分のクラスの子や自分の子どもが言い出したらなんとか応援してあげたくなる。
いや、応援するだろう。

しかし、これが

「YouTuber」

となると応援を一瞬躊躇してしまう。

それは、YouTuberは、市場(カテゴリ)の一つだからだ。

例えば、

「スポーツ選手になりたい」

という子がいたとしよう。
それを言われた大人は、十中八九次の質問を続けるだろう。

「なにのスポーツ選手になりたいの?」

その質問に

「野球選手!」

という答えを聞いてやっと、

「そうか、そしたら野球の練習をしないとな!がんばれ!応援しているぞ」
と言う。

つまり、スポーツという市場(カテゴリ)を言われただけでは「そうか、がんばれ!」とはなりにくいのだ。

これをYouTuberに当てはめてみると、

「YouTuberになりたい」

「なんのYouTuberになりたいの?」

「料理をしているところを動画にするYouTuber」


「そうか、料理の練習をしないとな。がんばれ!応援しているぞ!」

ということになる。

これが「YouTuberになりたい」と言われたときの違和感なのである。


子どもにどういう言葉を贈るのか

これを知った上で、

「YouTuberになりたい」

という子どもに対してどんな言葉を返すのか。

幼いころは、多様な夢を抱く。

ウルトラマンなりたい。
仮面ライダーになりたい。
プリキュアになりたい。
正義のヒーローになりたい。
ガンダムに乗りたい。
お姫様になりたい。
冒険家になりたい。
宇宙飛行士になりたい。

上に書いた夢とは少し毛色が異なる言葉が並ぶ。

この夢が、成長につれて、「やりたいこと」や「職業」にシフトしていく。

(私は、夢=職業ではないと思っている。
 またnoteでまとめたいと思う。)

ふんわり浮かんだ雲のような状態から、将来という現実世界へ降りてくる。

まだ雲のような状態の夢ならば、無条件に応援するべきだろうと思う。
「ウルトラマンになりたい」と言っている子どもを応援するときと同じように。

現実世界に降りてきたならば、

「何のYouTuberになりたいの?」

と聞いてあげればいいと思う。


我々大人が本当に知りたいこと

子どもが夢を語る時、多くの大人はうんうんと聞いてやる。

子どもにしたいことが見つかったのだから、嬉しいはずだ。

しかし、

「YouTuber」と言われると眉をひそめてしまう。

それはきっと得体がしれないからだ。

だからうっかり、

「YouTuberはやめときなさい。」

なんて言ってしまいそうになる。

実際、学校の授業で将来の夢について話し合う時があったとして、

その時に「YouTuberになりたい」という子がいたとして、

どこか心から応援できない自分がいる。

その原因は、大人たちは子どもの夢を知る時、同時にその子が何に関心があるのかも知りたいのである。

料理に関心があるのか、お笑いに関心があるのか、本に関心があるのか、人に話をするのに関心があるのか

私たち大人は、そこが知りたいのだと思う。

料理人なら応援できる。
同じように、料理をする動画を届けるYouTuberなら料理をすることを応援できる。

「YouTuberになりたい」
という言葉は、子どもが何に関心があるのかを知る良いきっかけになるのかもしれません。

子どもの夢を少しでも応援できますように。

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