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大人旅の夕食なら、迷わずここ! 「aceto」 ー旅の栞 海の京都 宮津編ー

今回の「海の京都」の旅、
オトナ旅にふさわしい、お食事処を探していた。

ネットを検索していて
ふと、目に留まった店名「aceto」


もしや・・


うほほーい!

ここに決めた。


ということで、本日のお食事は



古民家を改装した、イタリアンレストランだ。



ガラガラ・・

いらっしゃいませ

コチラへどうぞ、




コース料理

妻も私も小食なので、実はコース料理が苦手、
最後までたどり着けるよう、量少なめでお願いした。


さっそくですが、手はじめの

うぇーい


「ASOBI」という銘柄


日中、たくさん歩いた後、
宿でひとっ風呂ぷろ浴びたあと

の、ビール

ぷはーっ! たまらん!
やさしい味わいのビールであった。


いくよ~

それでは、飯テロ いくよ~

ん? いきなり、これは何?

マンテカート(左)
さばのへしこ(右)


マンテカート? (たぶん)人生お初である。
はじめまして! マンテさん

カラメルを焦がしたシュー生地の中には、地元産の牛乳と白身魚のフレークを、煮込んで練ったペーストが挟まれていた。甘味と塩味が口の中で混ざり合う。ほう、初めての味すぎて、語彙が思い浮かばない・・が、うまい、ことだけは確か

そして、へしこ
お馴染みですね。

福井県若狭湾から、丹後半島のあたりの郷土料理、へしこ。さかなの糠漬けである。自社栽培のお米に、自家製の糠でつけたものらしい。

ん? 自社栽培?

お米まで?


富士酢

妻の趣味は、料理。
特に我が家は「酢」を多用するため、全国のいろーんな酢を購入する。浮気性の我が家だが、この富士酢はヘビーローテーション組だ。

あっ、申し遅れました。

本日のお店「aceto」イタリア語で「酢」という意味だ。
宮津の誇る醸造元、「富士酢(飯尾醸造)」の直営店なのだ。

人里離れた棚田で、無農薬のお米だけを使って、酢を造っている醸造元なのだ。そして、そのお米を使って、こだわりのへしこが作られていた。そして実は、このへしこも「酢」がふわりと効いている。酢好きには、たまらん。うへへ


料理に戻そう、

つぎ!


もう、握り寿司?

と、思った方 ふふふ
シェフの技にハマりましたね。

甘鯛とトマトを寿司酢ソースで絡めた前菜、これをフォークとナイフでいただくのは至難の技・・・食べ慣れていないのが、バレバレである(泣)


つぎも前菜!(Antipasto Freddo)

超有名どころ「浜坂漁港」で捕れた甘エビがどどーん、その下に隠れているのが、名わき役のモッツァレラチーズ、さらにさらにその下には、炭火焼の芳ばしい茄子の煮びたしが、土台を支える。
重層的なジェンガ料理全体を覆うは、酢の効いたトマトソース。出汁の効いた煮びたしと合わさって、旨味が膨らむ。


じゃんじゃんいくよ

伊根のマグロのたたき、と硬めにゆでたカリフラワー
そこへ、甘めのパプリカソースと、爽やかなバジルソースが彩る。2種類のソースによる味変をお楽しみくださーい。

そう、伊根はマグロも捕れるんです。


好奇心の赴くまま、なんでも口に入れてみよう!
「ハチミツ入り紅芋酢ビール」

酢とハチミツを、ビールにぶっこんじゃった。
奇天烈ビール

だが、うまい!

匂いは「酢」、ごくり ビールの苦味、
そして、ほぉ・・・後味にほんのりハチミツの余韻。


あの~
まだ前菜なんですが・・

冷たいやつ(Antipasto Freddo)から、やっと温かいやつ(Antipasto Caldo)になった・・


あわびとエリンギの、バルサミコ酢添え

エリンギって、あわびに食感似てますよね~
口に放り込む、

おぉ、じわりとあわびっぽい味が広がる、これで十分じゃね。
と思った自分が愚かでした、あわびを口に入れる。
あわびは、柔らかくそして、噛むほど果てしなく、旨味が湧き出してくる。いやいやいや、人生最高のあわびでした。マッシュルームもやさしくアクセント。


はい、そうなんです。

次も前菜です・・・


これで一品? いや、3品でしょ(笑)

右、イカのエンペラ、イカ墨添え、何か詰め物。左、げそ揚げの下には、イカ墨リゾット。奥に見えるは、タコとズッキーニのバルサミコ酢。皿に散らした、藻塩で味変。


このあたりで、
お腹が「黄色点滅」信号を出し始めた。

みなさんも、私の料理説明に、お腹いっぱいになってきましたよね(笑)

ここで、日本酒をオーダー

たぶん、ここでしか飲めないんじゃないかと思う。酢醸造元の日本酒。
日本酒も造っているの?

と、思った方

ノンノン

本来の酢は、日本酒をさらに発酵させたものなのだ。だからまず、日本酒を造る必要がある。その日本酒をおすそ分けしていただく。

ちなみに、みなさんご存知の、ミツカン。
もともとは、酒粕から造った酢が原点。創業者の実家は、酒蔵。そこで廃棄されていた酒粕に目を付けた。捨てられていたものなので、原価はタダ。ドンキなみの驚安価格破壊を起こして、江戸前寿司の相棒の座を射止めたのだ。いまでは、庶民の味方ですよね~

こちら、海の京都の酢は、対極。手間暇をかけた一品。うまいのは当たり前。そして、ちょいとお高いのがたまにキズ・・


閑話休題

富士酢の原料である、日本酒は、やさしい味わい、ふわりと甘みがのっている。すでに酢としての風格をもっている日本酒であった。

キターーーー!

ついに、メイン料理が始まった

富士酢の玄米リゾット
13度の冷蔵庫で一年間寝かせた世羅高原の棚田の玄米。丹後の魚介をじっくり煮込んだソースとあわせた一品。バルサミコ酢風富士酢味。ねばねば系の野菜が載る。歯応えもバラエティ豊か。

赤ワインとともに、至高の一品。


イタリア料理といえば


パスタ(フェットチーネ)
ベニズワイガニの味わいと、トマト・アスパラ・ブロッコリーの共演

らすとー!

自分自身に、掛け声をかけたくなる。
なんだか、部活を思い出す。

ほっくり白身の魚(アオハタ)、白みそ風甘めのソース&バーニャカウダソースと、怪しい白い粉添え、小脇に万願寺唐辛子、ズッキーニ、ペコロス、ツナペーストとトマト。

これでもか! という、細部に職人技の光る料理。

お腹もいっぱいであったが、口の中で感じる、複雑な味わいと多彩な食感に、脳みそもパンク気味。これが一流の料理なんだなぁ・・と感動した次第です。


最近マイブームのお酒(リモンチェッロ)
食後酒という、日本にはないジャンルのお酒で、口の中をリセット。

そうリセットなのだ

当然

こう来ますよね。

ティラミスと、アーモンド、ショコラ、アイス


もう一本行くぞー さいごー

部活の練習で一番キツイのが、終わりと思って油断していた時にいわれるこのセリフ。

聞いてないよ~

デザートが2皿出るなんて・・


最後は、和風で締めてきた。
イタリア料理で、黒文字が出てくるとは・・

イチジクのなんちゃらと、なんちゃらエスプレッソ(油断していて記憶がない・・)

この最後のプレートだけは、シェフが挨拶とともにサーブ。


地方では 一軒の飲食店が町を変える

都会にないものは何でもあるこの町を、
美食を求めて集まってくる街にしたい。
海と山に囲まれた丹後の豊かさをお伝えすることが、
やがてこの町を変えていくきっかけになる、と信じています。

お品書きより

この想い、しかと受け取りました。

なぜだか、涙があふれてきた。

そんな、想いの詰まった最高の料理店でした。




(つづく…)



ー 追記 ー

富士酢を購入された方、
こちらの本もおススメですぞ、料理はパクリから始まる。笑


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