自分を語る

私はついこの前まで大学のカウンセリングを利用していました。ほぼ1年くらいだったと思います。
きっかけは人間関係のトラブルで、自分では抑えられないくらい不安な気持ちになってしまったことです。その人に会ったら刺されるんじゃないかという被害妄想に陥り、道で似ている人を見つける度に身構えるようになっていました。
それを何とかできないかと大学の学生相談に行き、カウンセリングを利用することになりました。

カウンセリングの空間は、はじめてその部屋に入る人が、はじめて会う人と向かい合っても気まずくないような工夫が色々とされていました。壁に植物の写真が飾ってあったり、こころの悩みについての絵本が置いてあったり、椅子が座りやすかったり。あと、カウンセラーの人は絶対に私の正面に座りません。2人だけで話すための空間ですが椅子は4人分用意されていて、必ず対角線の位置に座ってくれます。

そのような場で自分の辛さ・悩みを他人に話す事で、自分がどういう所で苦しんでいるのか、どうなればその苦しみから解放されるのかがだんだん明確になっていく感覚がありました。

仲の良い人には話せない、「赤の他人」だからこそ聞いてもらうことのできる話を聞いてもらえるのが、カウンセリングの良いところだと思いました。普段周りにいる人に話したら相手にも辛い思いをさせてしまったり、気を遣わせてしまったりするようなことでも、この場なら何のためらいもなく聞いてもらえます。

はじめは自分の悩みを解決することが目的でしたが、トラブっていた相手と完全に離れ、落ち着いてきたあとも、日頃の愚痴や自分の好きなもの、楽しかったことを聞いてもらうためにカウンセリングに足を運びました。時間が立つにつれて、悩みも自分の意識も自然と変わっていきます。話題は部活動のことから授業のこと、家族・友達のことまで様々でした。「なんで辛いのか分からないけどすごく辛い」という時期もありました。そういうときは、私が自分で考えをまとめるための沈黙を守ってくれたり、今まで話を聞いてきた中で手がかりになりそうなことを挙げてくれたり、何とかして「なんで」の部分を引き出そうとしてくれました。

日常生活の場では、ここまで自分のことを言える場所って意外と無かったのかもしれません。
聞いてもらう側も話す側も時間には限りがあるし、その時の体調や心の余裕によっても自分がどのくらい悩みを話せるかは変わってきます。「この日のこの時間は、人に自分の話を確実に聞いてもらえる」と思うと、それだけで気持ちが楽になりました。

安心して自分を語れる場ってすごく大事だなと思いました。

このnoteも、自分の話を読んでくれる人たちのことを考えながら書いているので、そういう意味では自分を語ることができる場だと思っています。
このような場所があって、自分の話を聞いてくれる人たちがいる自分は幸せだなあと思います。これからも大切にしていきたいです。

学期が変わり、忙しくなってきたので、カウンセリングはこの前のやつを区切りにしばらくお休みすることになりましたが、とても良い経験でした。

今回は以上です。ありがとうございました。

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