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お月見どろぼう

物騒なタイトルですが、『お月見どろぼう』
全国各地に今も残る風習です。
中秋名月、の晩、子供たちがお月見のお供えものを盗みに現れます。
大人たちはそれを見越して、子供らの好きそうなお菓子等を軒先に置いておく。
子供たちは『お月見どろぼうでーす』と声を掛けて、お行儀よく一人ひとつずつ持っていく。
被害者加害者の双方合意の上での犯罪です。犯罪ちゃうけど(笑)

始まりは江戸後期あたり。
お月見の夜に現れる子供たちは、神のお使い。
お供物が全部取られれば、その年は豊作になるとか。
ちょっと想像してみました。
元々は、お腹を空かせた貧しい子らが、お供えを盗んだのが始まりなのかも。
神様にかこつけて子供らにお腹一杯食べさせるため、大人たちはせっせとお団子をこさえたのかもしれません。
『君たちは神様のお使いだから、堂々と盗んで良いんだよ。』
『施し』ではなく、『どろぼう』というワクワクするイベントに仕立てあげたのって、天才!
あくまで私が勝手に推察してるだけですが。
楽しい事って、ちょっとイケナイ香りがすると、より楽しいのよね。

どろぼうする子供らにも、盗まれる大人も、どちらにとっても楽しい行事。
これ、食品廃棄率が問題になってる今、何か新しい形で出来ないかな?と、今はもうすっかりオトナになった私は考えます。


地方によってこの風習は少しずつ違う。
子供だけじゃなく大人もOKだったり、お菓子だけじゃなくお総菜も並んだり、どろぼうの際、掛ける言葉が違ったり。
今はもう、その風習が絶えてしまった地方もあるようです。
去年今年はコロナで中止になったところも。
私の住む名古屋市では、緑区で行われているようです。
庭先に設えた箱に、個装されたお菓子を入れておくらしいので、感染リスクは高くは無さそうですね。
あちこち廻ってたくさんお菓子ゲットしてね!











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