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月替りサイエンス食堂、はじまります

名大生の中で、なんだか面白いことが起こっているらしい…。名古屋大学学生アウトリーチ研究会(仮)を知ったのは、フロントラインに寄せられた一通のメールが始まりでした。

送り主は、大学院生の松井瀬奈まついせなさん。名大でアウトリーチ活動がしたいんだ!という熱のこもった内容でした。

銀河進化学を研究する松井瀬奈さん(理学研究科博士課程1年)
各地のプラネタリウムをめぐり、夢だったプラネタリウム解説などを通して宇宙のおもしろさを広める活動中。

話を聞いてみると、すでに研究会を立ち上げ、初のイベントを目前に控えているとのこと。

その行動力に圧倒されながら、企画の背景や研究会設立の思いについて、松井さんにインタビューしました。穏やかな話し方とは裏腹の強い思いを、ぜひポッドキャストでお聞きください。

以下インタビュー概要
── 月替りサイエンス食堂とは?

アウトリーチ活動に興味を持つ名大生が月替わりで定食を提供する食堂です。ここでいう定食とは、自分の研究紹介のゆるめのトークです。飲食可能な定食は出ません(笑)が、申込みなし、途中参加も途中退出もありのカジュアルなイベントです。

── ふらっと立ち寄れる感じですね。

はい、学生のアウトリーチに求められているのって「親しみやすさ」なのかなと考えています。大学教員の方がアウトリーチをする場合、高い専門性を求められたりすると思いますし、博物館や科学館で働いてる方がアウトリーチとなると、教育性を求められると思うんです。だから私たちは、コミュニケーション型のアウトリーチとして、このイベントも対話型にしたいなと思っています。

── 記念すべき初回は、松井さんがシェフですね!

はい。私は宇宙を研究していて、中でも星の集まりである銀河がどうやってできたかを探る銀河考古学が専門なのですが、それについてお話しようかなと思っています。トークの途中でもどんどん質問を飛ばしていただいて、対応できるようにしたいなと考えています。

── 名古屋大学学生アウトリーチ研究会(仮)を立ち上げたきっかけは?

私自身、名古屋大学で自分の研究を専門外の人に伝えるアウトリーチ活動したいと思ったときに、なかなか情報を得ることができず、もどかしい思いをしていました。なので、私と同じようにアウトリーチに興味を持つ名大生の仲間が気軽に教育やアウトリーチに関する情報にアクセスできる場所を作りたいと思ってこの団体を作りました。

── 人を巻き込んでやっていくのは難しさもありますよね…

実はきっかけになる出会いがありました。日本天文教育普及研究会の中部地方のオンラインの集まりに参加したときのことです。同じ名大生の同じ学年の仲間を見つけたんです。彼も宇宙の研究をしていて、アウトリーチの機会を探していました。私は愛知出身ですが、県内のアウトリーチ活動の場がどこにあるのかわからなくて、場所がないなら作っちゃおうと。

── メンバーはどんな方たちですか?

ほとんどが大学院生ですが、中には学部生もいますし、卒業生もいます。私たちの活動を応援してくださる名古屋大学内のスタッフさんにも参加していただいています。今は15人くらいです。

── メンバーになる条件は?

アウトリーチやサイエンスコミュニケーションに興味を持っている名大生でしたら、どなたでもご参加いただけます。 今は宇宙物理系メンバーが多いですが、理系文系に関わらず、名古屋大学から幅広くの方に参加していただきたいです。24時間365日募集しています。TwitterInstagram、メール(nagoyau.outreach@gmail.com)でお問い合わせください。

── 研究との両立は難しくありませんか?

アウトリーチって、それを仕事にしたいと思っている人だけでなく、研究している全ての人がに使えるスキルかなと思います。例えば、お正月に実家に帰ったときに、親戚に「大学で今何してるの?」なんて聞かれたときにも(笑)。 自分のやっていることの重要性を一般の方に広く知っていただくのは大事ですし、就職してからも使えるスキルだと思います。

学生のみなさんだからこそできるアウトリーチの形がこれからどんどん築き上げられていくことを楽しみにしています。松井さん、ありがとうございました。

画像提供:松井瀬奈さん、名古屋大学学生アウトリーチ研究会(仮)
インタビュー・執筆:丸山恵

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