先生、おしえて!摂食障害⑤

摂食障害の相談を専門とする

中村このゆ先生(当カウンセリングルーム所属 ※名古屋はオンライン対応となります)に「摂食障害とカウンセリング」をテーマにお話を聞きました。

丁寧にお話いただいた内容をシリーズでお届けします。

今回は第5回目です。

中村このゆ先生 プロフィール

臨床心理士・公認心理師・追手門学院大学名誉教授

心理臨床を始めた1970年代から主に摂食障害の臨床/研究に関わり、論文/著書も多数。

おすすめの本は「まっ、いっか!摂食障害-当事者のまなざしから-」(晃洋書房)など。

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Q:摂食障害は、完治しますか?

中村先生:

「完治する」とも「完治しない」とも断言はできません。

統計上は明らかにしづらいものですが、

おそらく摂食障害を発症しても短期間で自然と自己治癒し、

その後、特に再発のない人も多くいると思われます。

だから誰もがすぐにでも病院やカウンセリングに行かないといけない、

というわけではないのかもしれません。

でも、摂食障害は、命にも将来の自分の身体にも、大きく影響するものです。

緊急対応が必要な場合とそうではない場合を

適切に見極められる支援者がそばにいると安心です。

「完治」ではなくても、

他のことに意識が向き、他のことにエネルギーを注ぐ余裕ができてくると、いい感じです。

「食べること」が頭の100%を占めていて、エネルギーの100%が「食べる」に向かっていた状態から、少しずつでも他のことに向いていくと、“割合”が変化していきます。

何か楽しい予定を入れたり、夢中になることができたり、

ちょうど良い気晴らしが見つかったりすると、

いつの間にか摂食障害の症状が和らいでいく場合があります。

カウンセリングも、他のことに意識を向けるひとつと言えます。

これまで何百名もの摂食障害のクライアントさんに会って来ましたが、カウンセリング中に食べる人はほぼいません。

カウンセラーと会っている時間だけでも、「食」にとらわれずに過ごせている、そういう安心できる場を提供することにもカウンセリングの意味があります。

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中村先生の優しくユーモアのある語りをもっとお読みになりたい方は、

こちらもおすすめです。

地域支援心理研究センター2014年度公開講座(第3回)2015.2.14

摂食障害-当事者の視点から-

講師:追手門学院大学心理学部 中村このゆ より

https://www.otemon.ac.jp/var/rev0/0000/5458/11789162341.pdf

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