見出し画像

試験の後で落ち込んでいる君へ

センター試験だそうですね。

最初にことわっておく必要があります。

私はセンター試験というものを受けたことがありません。

自分の興味のあること以外は勉強が大嫌い。中学1年生の2学期でテストは放棄したタイプでした。高校受験は推薦、大学受験はその当時全国の大学で広まっていたAO入試、大学卒業後のに専門学校へ進学したときも大学の系列だったので筆記はなしで小論文と面接だけでした。

私はいつも勉強から逃げてばかり。

「どうせ、海外で働くわけじゃないし。英語なんて使わないし。」

はい、これグローバルな視点からしてありえないですよね。ちなみに、私は就職してから仕事で医療系の英論文を読むことになりました。中学1年生で止まっていた私の英語力が専門用語のとびかう英論文を訳せるわけもなく、アホな自分に号泣しながら1ヶ月で1本和訳するという恐ろしく遅いペースでなんとか切り抜けました。

「学校の勉強なんて社会に出て役に立たないし。」

はい、これ勉強嫌いな人間の言い訳です。私は教科書よりも資料集が好きなタイプ。そして、自分の興味のあることなら進んで勉強するのですが、5教科7科目まんべんなく勉強するには私のキャパは足りませんでした。

そこで苦肉の策として、推薦やAO入試という方法を選択しました。

私はゆとり第一世代と言われるそうで、この時代は詰め込み教育よりも、個性を大事にしよう勉強以外で頑張っていることがあればそこを評価しようという時代でした。また、全大学入学時代と言われ新設の大学や学科が出て選択肢の多いときでした。私にとってそれはそれは生きやすく「勉強嫌いな私でも大学に行ける!」と希望の持てるものでした。

10代の頃に勉強から逃げて逃げて逃げきったと安心した私でしたが、大学時代に遊びちぎって「私はこのまま社会に出ていいのだろうか?」と不安しかなく、医療系専門学校に進学することにしました。そこは大卒者専用の学科だったので入学してすぐに先生に「大学とは違うのよ。なめてんじゃないわよ。」と言われて身がすくみました。

人生で初めて勉強した時期でした。

優秀な同級生と比べてはテストや演習で落ち込み、とにかくテストの赤点を再テストでどう切り抜けるかというような底辺を行く学生でした。実習先では「考察しないならこの職業につかなくていいんじゃない?辞めれば?」と面と向かって言われるような学生でした。指導を受けていると自分のやるせなさにポロポロと涙が止まらずバイザーの先生を困らせ「今時の学生は弱い。すぐ泣く。」と苦情を言われてしまうような人間でした。

そして、医療系は資格がないと働けないものがほとんどで、私の資格も国家試験に落ちたら内定取り消しが一般的。そのため試験に落ちるという選択肢はありませんでした。

ここでやっと、センター試験を受けていた同級生の気持ちが分かったような気がしました。

「試験の結果次第では人生つんだ。」

そう思っていました。

今振り返れば、そんなこと全然ないんですよ。

試験に落ちたとしても、アルバイトなり働きながら試験勉強を続ければいいんです。その資格じゃなくても働き口はいくらでもある。なんなら、他の道があるんじゃないかと軌道修正してもよし。

でも、試験勉強をしているときの私は「ただ、その選択肢しかない」と毎日怯えていました。怯えていたわりに、テレビを見ていたし、のんびり休憩もしていましたが。

国家試験の後は自己採点をして、よしよしたぶん受かったなと安心でき、卒業式を無事に迎え、内定先に就職しました。就職してから数か月は試験に落ちる夢を見ていたので、相当トラウマだったんだろうなと思います。

トラウマでもあり、中学生の頃から勉強を放棄した私が初めて自信を持って「勉強した!」と言える成功体験でした。そんな努力をして取得した資格も5年で転職をして、全く関係のない仕事をしています。

センター試験をうけている皆さんは真面目に勉強をしてきた方たちだと思います。毎日コツコツ、希望の大学を目指して、好きな趣味も我慢しながらここまできたのではないでしょうか。

数日の試験で人生が決まってしまうのではと追い詰められていませんか?

思ったように点数が伸びず、落ち込んでいませんか?

今、まさにその時に直面している人に向かって、センター試験を受けたことがない私のことばは説得力がないかもしれませんが。

人生は一つ一つの選択の繰り返しで、センター試験もその一つにすぎません。

選択肢は無限にあります。

その時にした選択を正解にするのは未来にいる自分自身です。

たとえ、どんな結果だろうと過去は過去。それを正解にできるのはこれからの自分次第です。今まで試験に向けて頑張ってきた時間は消えることはありません。試験はリセットではありません。一つの通過点でしかないのです。

そんなことを言いながら、私は大学卒業後に進学した専門学校で取得した国家試験すら今の仕事に生かしていないんです。

「資格があるのにもったいない。」

「今のままじゃ駄目だとおもうよ。」

そう言ってくる人もいました。

でも、私の選択は私のもので全く後悔はしていません。過ぎ去ってしまえば「ああ、そんなこともあったわね」なんて言えるようになったもの30歳を迎えた私だから言えるのかもしれませんね。

「過去の自分が今を作る」と聞くけれど、私は「未来の自分が今を作る」と信じています。過去は過去で変えられないじゃないですか。だとしたら、未来の自分の選択に希望を持ちたい。

試験の後に落ち込んでいる君へ。

今日の選択はもう変えられないけれど、未来の自分の選択には希望を持てます。今日まで頑張ってきたことは未来の自信の土台となります。ちょっと自暴自棄になりかけたら、毎日コツコツやってきた自分にマルをつけてあげてください。

今日はゆっくりお風呂に入って、温かくして眠りにつきましょう。

大丈夫、眠りは深く心地よいはずだから。

あなたのサポートが文章を書く励みになります。