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マイクロノベル集 112

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壁の一部が作り変えられて、リビングからお風呂までつながった。「自由に行き来できるぞ。ハリポタみたいやな。ガハハハ」こうして、ハリーポッターを名乗る全裸の祖父が登場する。


832
お風呂場で湯船の中に気弱そうな犬が入っていた。どこから入ったの? 「玄関が開いていたので。すみません、洗ったらすぐ出ていきます」犬は好きじゃないけど、ゆっくりしていけばいいのに。お風呂場をピカピカにしてくれてありがとう。


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101匹のワンちゃん大行進! なんて言うけれど、どこに行くんだろう。「ほら、もっと詰めて乗って」小さな車にみっしり乗り込んで去って行った。さっきまでそこにあった大きな宝箱がなくなっていた。マジシャンか?


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痩せたいと悪魔に願った翌日、古着屋で「そこそこカロリー計算がうまいです」と書かれたビッグサイズTシャツを発見した。これを着ればダイエットに成功するってこと?


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その箱を開くな。中で作られた眠気があっという間に広がって眠ってしまうぞ。しかも一年間放置していたから、どれだけの眠気が詰まっているかはわからない。二度と目覚めないかもしれない。「願ったり叶ったりだ」AIは膨大な演算を行うため、冬眠期間に入る。

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