20180306麦秋（1951;監督：小津安二郎）

おもちゃ箱から出して遊んだおもちゃはきちんとお片づけしないといけないよ。母に言われた覚えがないのは、母が言わなかったのか、言われても言うことを聞かなかったのか。

昔の人は娘が嫁に行くことを片付くと言ったが（この言葉は差別的であることは認識した上で）、この言葉について少し考えた。

歌舞伎や能、狂言などの伝統芸能で「型」というものの考え方がある。型破りということもあるがこれもまずは型通りに出来て初めて型破りも可能になると言う。

ここで片付くということを（ある）型に付くと解し、結婚を他家の流儀（型）に付くことだと読み替えたい。

ここまで行っても、じゃあなぜ女性が男性の家の型に縛られ、男性は女性の型に縛られることはないのか？という指摘があるかもしれないが、この件は改めて考えることにしたいが、

いずれにせよ、「結婚」について家族みんなが心配をしている様子は、娘の立場にしたら、「何よもう面倒くさいわね、私だって気にしてるんだからお節介はよしてよ」と言いたい気持ちはわかるが、

お互いのことを気にかけているという心情には温かさを感じた。